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夕暮鳥居のその向こう
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「縁日だってよ、飛鳥」
白狐の面を嵌め、
神無月 文貴
が傍らの
晴海 飛鳥
を見下ろす。
飛鳥はうきうきと顔に被めたリトルグレイの大きな眼で文貴を見仰いだ。面越しでさえ分かる、顔いっぱいの笑顔を浮かべ、鳥居の向こう側を覗き込む。
「うひょー、こりゃ面白い空間だね!」
行き交う人々全員が何らかの面を被った、ある意味とても怪しい縁日を、けれど飛鳥は元気良く笑い飛ばす。
「祭り好きの血が騒ぐぜ」
「遊ぶよ、楽しむよ!」
組長と女子高生は顔を見合わせ笑い合う。
「いざ飛び入り殴り込みだ」
「ヒャッハー! 殴り込みー!」
神無月組組長の号令に応じ、飛鳥が鉄砲玉じみて鳥居に向け拳を突き上げる。力いっぱい駆け出す少女の背中を見失わないよう視界の端に捉え、文貴は悠々と鳥居を潜る。
(縁日だってよ)
面に隠して、笑う。懐かしかった。
(ガキの頃を思い出す)
「覚えてるか飛鳥、連れてきてやったの」
夕暮れの石畳の道、はしゃいで跳ね回る飛鳥の背中に声を投げる。
「てめえの婆ちゃんに子守りを頼まれてさ」
はぐれそうではぐれない距離を保って先をうろついていたリトルグレイが、黒髪に茜色を弾かせ肩越しに振り返る。
「覚えてるよー、お祭りにはいつもおじさんたちが一緒でさ」
くるり、踊るように全身で振り向く。
「いつもおじさんたちが迷子になって困ってたっけ」
「迷子になってたのはてめえの方だろうが」
「えー、そうだっけー?」
白狐はその場でぐるぐると回るリトルグレイの頭をがしがしと撫でる。
「今日は俺のおごりだ」
綿飴ラムネ林檎飴イカ焼きベビーカステラ、周囲の屋台を指し示す。
「好きなの買ってやっからどんとこい」
「え!? おごり!? そんなこと言ったら本当に何でも買うよ!?」
「お、見ろよ、人面犬が売ってる」
文貴は歓声を上げる飛鳥の頭を両手で挟み、参道脇に檻を積み上げた屋台へと無理矢理視線を向けさせる。
「人面犬って梅毒の人が牝犬にぶち込んで生まれたって伝承があるらしいね!」
「よその国じゃ鍋にして食うらしいがコイツの味は人と犬どっちに近えか試してみるか」
物騒なことをきゃっきゃはしゃいで話しながら、檻の中に丸くなって眠るむさくるしいおっさん顔のチワワを覗き込む。
「どうせならかわいいのが食べたいなぁ」
「うちの奴は食ったら孫の代まで祟るよ」
「そりゃ困る」
サングラスの怪しい店主に苦笑いして止められ、文貴はひらひらと手を振る。大事な娘が祟られるのは真っ平だ。
人面犬の次に二人が狙うは人面魚。
二人して腕を捲り、二人同時に糸の切れ易い簡易釣竿を掲げる。
「どっちが多く釣り上げるか競争だぜ飛鳥!」
「いいね、フミッキおじさん!」
「とった魚はうちの池に放すんだ」
「いーや、人面魚はうちの水槽で飼うよ! 観察日記をネットでアップしちゃうよ!」
白熱する二人の気迫が釣竿を伝うのか、錦色の人面魚達は尾鰭で水を蹴立てて釣針を避けまくる。
躍起になって釣竿を動かしながら、文貴は参道を行き交う面を掛けた人々を目で追う。
(死んだ奴ら、か)
鳥居前で聞いた言葉が胸を掠めるまま、隣に立つ赤子の頃から知っている少女を横目に見る。
「婆ちゃんには世話んなった。親父と喧嘩して飛び出すたんび怪我の手当てして匿ってくれて」
呟くように言えば、同じ事を考えていたらしい飛鳥がリトルグレイの頭をちょこんと傾けた。
「……ばあばにも会いたいけど……」
本音を小さく言って、釣竿を無闇に動かす。
「こっちが見つけたら絶対逃げるよねあの人」
声がむくれる。
「死後も頑なに出ないし、ツンデレもいいかげんにしギャアアア!?」
亡祖母に対して文句を垂れ始めた飛鳥の後頭部に謎の仮面の人がアイアンクローをぶちかます。
「噂をすりゃ影」
文貴が笑うのに片手を上げて応じ、謎仮面は飛鳥の肩を両手で掴む。きちんと向かい合わせに立って、改めて必殺のアイアンクロー。
崩れ落ちて蹲る飛鳥の前で、謎仮面は拳を茜空に突き上げて勝利のポーズをとる。
「久しぶりだな、元気してたか」
倒れた飛鳥から釣竿を奪い、謎仮面は文貴の隣で人面魚を釣りに掛かる。もう最後まで謎仮面で通す気なのか、文貴の言葉にも口を開かずただ頷く。
「……うぅ、怒ってるよあの人……ってそりゃそうかこういうとこ来て怒らないわけがないよ……まぁ期待裏切って悪いけど、僕は元気だか」
蹲って呻くように愚痴っていた飛鳥は、謎仮面ばあばの一瞥を受けて口を一瞬閉ざす。慌てて言い換える。
「あー、いや、嘘だ、全然つまんない、やっぱりばあばがいないと寝子島にいたってずっと寂しい、でも頑張ってどうにか乗り越えるよ、それが生きるってことなんだもんね」
一息でそこまで言って、仁王立つ祖母を窺う。一応の納得はしたらしい様子の祖母に、飛鳥はこっそり息を吐く。どうやらもう鉄拳制裁は喰らわずに済みそうだ。
「飛鳥の事は心配すんな。娘とも仲良くやってる」
隣の水槽にへばりつき、縁日を楽しむ他の娘達と並んで金魚サイズの人面魚とにらめっこし始める飛鳥を見遣り、文貴は昔世話になった拝み屋に請け負う。
「俺に任せとけ、嫁にいくまでしっかり面倒見てやる」
任侠の心強い言葉に、拝み屋の老婆は肩から力を抜くように笑った。任せたよ、とばかりに文貴の背中を叩く。
「ばあば、引いてる! やった、僕の勝……えええ、ばあばが持ってっちゃうのー!?」
唯一釣り上げられた小粋な姐さん風の人面魚は、大きなビニール袋に詰められ、謎仮面の肩に担がれた。
しょんぼりする孫の頭を楽しげに掻き回して、飛鳥の祖母は現れた時と同じに瞬く間に人波に紛れて消える。
「ばいばーい」
手を振る飛鳥に倣おうとして、文貴は白狐の面の奥、瞳を眇める。賑わう人込みの最中、手を繋ぎ離れて行く一組の夫婦の背中。
(あれは)
追いかけようと踏み出して、留まる。
父と母に伸ばそうとした指をスラックスのポケットに仕舞い込む。
去っていく両親の背中は幸せそうに見えた。あの世で仲良くやっていれば、
(いいんだ、それで)
すぐに手を上げる血の気の多い父親だった。思うところは色々あったが、それも昔の話。
見送る文貴の視線に気付いたか、面を被った夫婦が振り向く。手を繋いだまま息子を見つめて立ち尽くす両親に、文貴は軽く手を挙げて応える。
(あばよ、親父、お袋)
「達者でな」
声は届いたのかどうか。父と母はそれ以上近づいては来なかった。父が同じように片手を軽く挙げ、母が静かに手を振り、二人は息子に再び背中を向ける。
両親の背中が人波に消えるのを見送り、文貴は隠した己が掌を出す。ちらりと見下ろす。人面魚の水槽に張り付いたままの飛鳥に、手を差し伸べる。
「久々に手え繋ぐか、飛鳥」
何でもないような口調で言う。
「帰り道迷子になんねーようにさ」
伸ばされた手にちらりと首を傾げて後、飛鳥は昔から慣れ親しむフミッキおじさんの手に掴まる。
「……いいけどしっかり捕まえててよね、僕どこに行っちゃうかわかんないよ?」
「迷子になんざさせねえよ」
女子高生と組長は手を繋ぎ、茜空の縁日を歩き出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月14日
参加申し込みの期限
2014年05月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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