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ぺちゃくちゃ、むしゃむしゃ
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歓談を交えた説明が終わったところで修が手帳を開いた。
そこに
八十八旗 信彦
が全力の走りで現れた。止まる時に少し滑り、唖然とする一同に掌を突き出した。全員が口を閉ざしている間に前屈みで息を整え、何事もなかったかのような涼しい顔で背筋を伸ばす。
「俺も会の参加希望者だぜ。ナン、じゃなくて方言に興味があるんだ」
「俺にはナンパと聞こえたような」
「やがみん、紳士の俺がそんなことを口が滑ってもいうわけがないだろ」
信彦は絵に描いたような悲しそうな表情で両手を大きく広げて見せた。その姿を修はじっくりと眺める。
「金髪の頭の上にサングラスを乗せて、赤い派手なアロハシャツにオレンジ色の七分丈のパンツ。それに目に優しくない金色のサンダルを履いている。どこをどう見ても立派な遊び人に見えるな」
「俺の心をちゃんと見てくれ。混じり気の無い純粋な金色を目にできるはずだ」
「心も金色なのか。八十八旗らしいな」
修は笑みを交えて言った。
「たくさんの人で、くっちゃべるのは楽しいから歓迎するよう」
澄佳は微笑んだ。信彦は見えない衝撃を受けたかのようによろめき、空を見上げる。
「その微笑みは清涼な風だ。俺の心の中を爽やかに吹き抜けたぜ。ありがとう、水色のワンピースのレディよ」
「そ、そったらことないっしょや」
澄佳は赤くなった頬を掌で隠すようにした。その間に信彦の目は瑞穂に飛んだ。胸元に手を当てて、驚きの表情を作った。
「おお、そこにいるのは一緒に雨宿りをした可憐なオネーサンではないですか。またまたお邪魔しまーす」
「ここでは不法侵入の言葉は使えないわね。こんにちは、八十八旗くん」
瑞穂は言いながら澄佳の方にちらりと目をやる。頬から手は離れ、赤みも薄れて見えた。そこに少し頭を下げた修が声を掛ける。
「彼は学級委員をしていて、根はいい奴ですよ」
「そうみたいですねえ。少しびっくりしたけど、ほんわかした人で良かったですう」
あまりに素直な反応に修の方が考えるような顔付きとなった。
「私も方言で喋ろうかな」
「どこの地方の人ですか」
美咲紀の言葉に七瀬が反応した。興味を持たれたことが嬉しかったのか。弾むような声で話し始めた。
「私の出身地は三重県なんやん。細長い県やから、いろんな訛りが混ざっとるんよ」
「言われてみればそうですね」
七瀬は指を曲げて県名を次々と挙げていく。隣接する六つの県を全て言い当てた瞬間、美咲紀は笑顔で拍手を送った。
「県内の北部は名古屋の色が濃いんよ。西部や南部は完全に関西なんやん。私は東海なんやけれど、四月にこっちにくるまでは大阪によく行ってたから、イントネーションは完全に関西やね。別にええやんに?」
「おかしくないですよ」
七瀬の言葉に信彦が肯定の意味で大きく頷いた。
「魅力的な個性だよ。光り輝く宝石の煌めきだ。決して曇らせてはいけない。ポニーテールは絶対的な正義だぜ」
信彦はウインクをしながら親指を立てて見せた。
「もう少し気持ちを抑えられないのか」
「やがみん、これがウザやかの真骨頂じゃないか」
「ウザい、やかましい、の意味か」
「そうそう、違う! ウザい、爽やかだ。どんだけ自分を貶めるんだよ、俺は」
その遣り取りは漫才の一場面を彷彿とさせる。特に美咲紀には受けた。ノリツッコミやん、と目尻に涙を溜める程に笑った。
「どこまで話したかな。そうやったわ。こっちにきて初めて方言とわかった言葉に『ささって』があるんやけど、わかるやろか?」
全員が小難しい顔を作る。信彦は投げキッスを交えながら言った。
「キミの笑顔が俺の胸にささって困るぜ」
「やっぱりわからないですかー。ここで最大のヒント! こんな使い方をしますよ。『ささっての朝九時に駅で待ってるね』って、これはもう答えになっちゃったかな」
考え込んでいた鳴の顔が明るくなった。
「明後日が訛って『ささって』になったんだよね」
「私もそんな風に思ったわ」
瑞穂が同調した。えー、と美咲紀は残念そうな声を出す。
「わからないものなのかな。明日でしょ。次が明後日で、ささってやんね?」
「明々後日のことですか。その変化はわかりませんでしたね」
七瀬は灰色の髪をくしゃりと掴んでにこやかに言った。美咲紀は軽く握った手を目の下に持っていき、しくしく、と声で泣く。
「そのせいで私が約束をすっぽかしたことになったんですよぉ」
「可愛そうなレディ。俺の胸を涙で濡らしてくれ」
信彦は胸元を手で丁寧に払って両腕を広げた。見ていた修が唇に指を当てる。
「口元が汚れた時に使わせて貰うか」
「そうそう、違う! 俺の胸はナプキンじゃない。レディ専用のハンカチなんだよ」
「その例えも微妙だな」
ほのぼのとした笑いに包まれた。やはり、美咲紀には二割増しで受けていた。
「いいコンビですね。あと特殊なのでは細い路地を『世古(せこ)』と言いますね。泥なんかに足が沈むのは『ふごむ』とか」
「せこは中古の意味が頭に浮かびますね。セコハンの方が馴染みはあるかな」
「セコンドハンドの略ですよね」
七瀬は修に微笑み、そうです、と答えた。聞いていた信彦が喉に手をやる。
「全力で走ったせいかな。ちょっと喉が渇いてきたかも」
「飲み物はいろいろあるよう」
澄佳はクーラーボックスの蓋を開けて中を漁り始めた。どれどれ、と信彦は覗き込む。
「お、これにするよ」
二本の瓶を掴み、一本を修に投げて渡した。
七瀬が困ったような表情で言った。
「そのラムネ、いっちょん美味しくないですよ」
首を傾げる二人に瑞穂が口元に手を当てた姿で答えた。
「ちっとも美味しくないって意味ですわ」
「俺はなんて罪作りな男なんだ。このような美人に心配を掛けさせるとは。しかーし、男は時に荒波に向かっていく勇気も必要なんだ。そうだろ、やがみん」
「後学の為に試してみるのもいいだろう」
二人はラムネを口にした。合わせ鏡のように前屈みとなった。深刻な顔で震えた末に鼻を摘まんで飲み下す。
少し咳き込んだ修が信彦に目をやった。
「口の中が気持ち悪い。八十八旗のナプキンを貸してくれ」
「やがみん、遠慮なく使ってくれ、なーんてこというかよ! 俺の胸はレディ専用で、ってダメだ。臭いが逆流してきた……」
二人は共に鼻を摘まむのだった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月29日
参加申し込みの期限
2014年05月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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