寝子島高校にはたくさんのクラブや同好会が存在する。その中の一つに
寝子高方言の会があった。
主な活動は人との会話による交流である。放課後の空き教室に集まって方言で語り合う。人の目を気にせずに素の自分が出せる為、初対面でもすぐに打ち解けることができた。
時に活動の場所を調理室に移した。各々が持ち寄った食材で郷土料理を作る。食べながらの歓談で身も心も温かくなり、居合わせた者達の顔を綻ばせた。
そして今、夏の季節を迎えた。数日に渡って晴天が続き、解放感を求めた人々で島は活気づいている。
「今日は祝日だし、方言の会の宣伝に、持って来いだべ?」
自宅のキッチンで
澪乃 澄佳は自分に言い聞かせた。言葉は弱々しく、笑顔もどこかぎこちない。
「あたし、がんばろっ!」
足元に置いたクーラーボックスの底に保冷剤を仕込み、アイスやジュース等を次々と入れていく。隙間には菓子類を押し込んだ。
何度か手に持って重さを調節。やっとのことで出掛ける準備が整った。
おさげのリボンを結び直し、熱中症の予防に麦藁帽子を持っていく。
「暑さなんかに負けないっしょや!」
覚悟を決めた顔で外に出ていった。数秒後に、忘れものだよう~、と瞳を潤ませて舞い戻る。
澄佳は『寝子高方言の会(出張版)』と書かれた画用紙を手に寝子ヶ浜海岸へと向かった。
今回の舞台はシナリオガイドにあります通り、寝子ヶ浜海岸になります。
目的は「方言による会話」になりますが、絶対の条件ではありません。
故郷から遠く離れて過ごしている間に、方言を忘れてしまった人がいるかもしれません。
または標準語の圏内で育った反動によって、方言に強く憧れている人もいるでしょう。
どのような事情を抱えていても構いません。方言が呼び水になって人々が集まり、語らうことに意味があります。
※方言はアクションに台詞として書いてください。
あくまでも「なんちゃって方言」ですので、過度の期待は禁物です(涙目)。
シナリオガイドに登場していただいた澪乃 澄佳さんについてですが、急な用事に見舞われて不在になる可能性があります。
その場合は海岸線の木の根元にクーラーボックスが置かれ、添えられた画用紙の余白に『ご自由にお取りください』という文字が書き足されることになります。ですが、クーラーボックスは持ち帰らないようにしてくださいね。何かしらのハプニングに巻き込まれる危険性が高まります。
※クーラーボックスの中身は菓子と飲み物の範囲でアクションに書いてください。持参する物は自由とします。
新しい人との出会いが、あなたの生活に潤いを与えますように。