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<CI@SP>ふたつのミドリのゆくえ
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●Double queen●
chトラ、星ヶ丘エリアの一角に天高くそびえる夢の塔。
主であるエレノアが戻ってきた後、数人の客人たちも再び屋上に集って寛ぎ始めていた。
肝心の彼女は、現実とプライベートスペースを行き来して何かしているようだが。
「……ほう、では我らもまみえる機会があるやも知れぬな」
ティーカップを手に、仮面の紳士は奇妙な帽子の紳士がもたらした報に興味深げに呟くが、鳩頭の紳士は仏頂面だ。
「マディよ、人の世は人が生き、人の歴史は人が作るものだ。過分な手出しは無用ぞ」
「分かっているさ」
帽子の紳士が肩を竦めていると、エレノアのマヌカノイド・アリスがカラフルで大きなバルーンの紐を沢山握って階段を上ってきた。
「どうしたのだ、アリス」
注視した仮面の紳士に、アリスは無邪気に笑みを浮かべる。
「特別なお客様をお招きする準備をするの。おじさまたちも手伝って下さらない?」
「勿論だとも」
席を立ってバルーンを半分預かった仮面の紳士を眺めてから、帽子の紳士は鳩頭を振り返った。
「アレはいいのけ?」
「……それはそれ、これはこれだ」
高い高い塔を彩る、色とりどりのアドバルーン。
そして打ち上がる花火に誘われ、画して例の少女は夢の塔に現れた。
エレノアから『記念樹公園で話題の少女とアリスを対話させる突発的企画』と説明されていた客人たちは、その姿を食い入るように見詰めている。
「みんな、こんな高いところでなにしてるの? ぱーてぃ?」
「パーティというほどではありませんが……美味しいお茶とお菓子でティータイムといったところです。ご一緒に如何?」
「ホント!?」
優雅な仕草で誘うエレノアに、少女は尖った耳をぴーんと立てて席に着いた。
アリスが注ぐ紅茶を、わくわくした顔で見詰める少女。
「どうぞ」
少女の前にカップを置き、アリスは隣の椅子に掛けた。
その様子を向かいの席で眺めながらお茶を楽しんでいたエレノアが口を開く。
「贔屓の店ですがどうです?」
「……美味しい! 甘くてポロポロでさらさらで、初めての味だよ!」
クッキーのかすを零しながら、少女は次々とお菓子に手を伸ばし、作法もへったくれもなく紅茶をごくごく飲み干す。
「今まで食事したことは?」
「んーとね、さっきも色々食べてきたの。アイスとかけばぶ? 食べ物って、美味しいんだねぇ」
どうやら、キャットアイランドに来て初めて食べ物を口にしたようだ。
「お口の周り、付いてます」
「んむー? ありがと」
食べかすだらけの口許をアリスが拭う様子は、周囲には微笑ましく映った。
「そういえば、Belladonnaさんは夕方からやってたRPGのテストプレイに参加されてたんですよね」
「ええ」
客人のひとりが街角で見た特別放送について言及したのを皮切りに、話題はその感想などを語る流れに移っていった。
「ふーん、じゃあエレノアがアリスのママみたいなものなの?」
「原型は製作者が別にいるけど、わたしは色々エレノア様に手を入れて頂いてるから、そういった方がしっくりくるかも」
ひとしきりお菓子を食べて満足した少女は、アリスと話しながら屋上をうろつき始めていた。
(そろそろ飽きてくる頃かしら)
エレノアは機を見て席を立った。
客人たちには少女に塔の内部を案内すると言い置いて、彼女はアリスを伴い悪夢の数々が再現された部屋を回った。
「なにこれぇ、へんなの へんなの!」
常人なら不気味に感じるだろう、剥き出しの球体関節人形が芋虫のように這い回っている姿を見て、少女はケタケタ笑っている。
エレノアは悠然とした笑みを浮かべ、その背後に立った。
「アリスとは仲良くなれました?」
「うん!」
大きく頷く少女に、アリスも嬉しそうだ。
「さて本題です」
エレノアは笑みを浮かべたまま、言葉を紡ぐ。
「今から貴女の道徳観をテストしてあげます。
このボタンを押すと、私のアカウントの権限でアリスの全データが消滅します。彼女を死なせたくなければ、5分待つので記念樹公園の花壇を破壊しなさい。妙な事を口にしたり助けを求めたりしたら、直ぐにボタンを押します」
「え?」
「そんな……」
突然の事にきょとんとエレノアの顔をその手のボタンを見比べる少女の横で、アリスが狼狽する。
「この世界は良い事だけして生きてけるようには出来てないんですよ。今貴女が陥っているようにね」
「ウソですよね……? エレノア様……」
小さく震え、目尻に涙を溜めるアリスに、塔に君臨する女王であるエレノアは優しい笑みを向けた。
「今でも愛してますよアリス? ただ全ては優先度の問題なんです」
どんなに人らしくなっても、マヌカノイドがアイテムの一種という位置づけに変わりはない。
現状、その生殺与奪は持ち主の胸ひとつなのだ。
「い、いや……わたし、死にたくなんてない。どうして……?」
「やめてよ。アリスが怖がってる」
状況を飲み込んだ少女がエレノアを睨む。
「答えはYESだけ。それ以上何か口にしたら、私は躊躇いなく――……?」
変わらぬ調子で言葉を紡いでいたエレノアの唇が、ふと止まる。
目の前の少女とアリスの身体が、金の光で縁取られているのに気付いたのだ。
「――許さない」
アリスは驚いたように少女を見上げている。
「自分の勝手で殺すなんて、いくらアリスのママでもダメだよ」
(余計な事を口にしたらと――)
エレノアは気付いた。
(……声が、出ない!?)
唇だけでなく、指一本動かせなくなっている事に。
そして、自分もまた金色に包まれている事にも。
少女の瞳孔が細く引き絞られ、尻尾がぶわっと膨らみ、総毛立つ。
「あたしは……あたしは誰の命令にも従わない!!」
頭上から、建物の外から、轟音が響いた。
「う、うわあぁぁぁ!?」
隣の土地の住人が、空を見上げてこの世の終わりのような顔をしていた。
突然塔の上の空だけ荒れ始めたかと思ったら、激しい雷が直撃し、塔が崩壊したのだ。
幸い設定のお陰で彼の土地まで瓦礫が落ちてきたりなどはなかったが、塔の残骸からは火の手ともうもうとした黒い煙が立ち込めている。
「またかよ! 折角ヴァーチャルだけでも憧れの星ヶ丘で優雅に暮らせると思ったのに……」
お隣さんは頭を抱えているものの、実のところ「また」という程エレノアが周囲に迷惑を掛けた事実はない。
ただ建物の内装が不気味だったり、変わった客が集まっているだけなのだ。
「もうやだ……お引越ししよう」
涙目で荷造りを始めるお隣さんとは裏腹に、その後この一帯はこのテの嗜好の変わった者たちが更に増えていく事になる。
「大丈夫かね、Belladonna嬢」
炎を上げる塔を前に蹲っているエレノアの許に、帽子の紳士が舞い降りた。
「ええ、ホームに飛ばされただけです……マディさんの方が黒焦げではなくて?」
「ははは、こんな事もあろうかと、こういった衣装を買っておいたのだよ」
紳士がまっ黒もじゃもじゃのウィッグを外すと、さらりと普段の赤毛が零れる。
「……私が言うのもなんですけれど、貴方も相当おかしな方ですね」
「君にそう言って貰えるとは光栄だな。はははは!」
満足げに笑う彼を見て、エレノアはなんだか気が抜けてしまった。
けれど、意識の奥底に刻まれたモノは消えない。
(肉食獣に襲われた草食動物は、もしかしたらあんな感覚なのかしら)
恐怖を覆す陶酔。
死に直面して尚、溢れ出す甘美な痺れ。
「ふ、ふふ……」
目論見が最後まで上手くいかずとも、彼女はひとつの解を得た。
自然と唇から笑みが零れる。
(あの少女を無菌室に押し込めて大切に育てる事なんて、誰にも出来はしない……。だって、彼女は)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
前回シナリオ
<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月25日
参加申し込みの期限
2014年05月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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