●SIDE:分断された寝子島→現実の寝子島●
あらすじ:人形を操る力を暴走させてしまった幼い少女・三浦 真由美は、彼女の住む家に突入した者たちによって救われ、手にしていた緑の小鳥も消滅を免れました。
その直後、世界を分かつ現象が消え、気が付けば巻き込まれた人々は人形が暴れ出す直前にいた場所に佇んでいました。
事の顛末が気になった者たちは、再び三浦邸に集まる。
「……ごめんなさい」
暴走状態から救われ、少し落ち着いた様子の真由美は、養母の
なつめに付き添われてちょこんと頭を下げた。
なつめが手にしている鳥籠の底には、記録媒体のような形をした、小さな緑色の宝石らしきが。
「綺麗だね……」
覗き込んだ
恵御納 夏朝は、友人と一緒に魅入ってしまう。
煌く結晶の中には、ゆらゆらと一枚の黒い羽根が揺れていた。
「まゆ、わかるよ。小鳥さんはねむってるの」
緑の小鳥は自分に生き延びて欲しいという人々の願いを知り、少しでも永らえる為にこの姿になったようだ。
「小鳥さん、まゆのためにムリしていっしょにいてくれたんだとおもうの……。おねがい、おにいさん、おねえさん。小鳥さんも、きっとおうちにかえりたいの。かえしてあげて、おねがいします……」
「皆さんには本当に感謝しています。でも、もう少しだけ力を貸して頂けませんか?」
一生懸命頭を下げる真由美に微笑んで、なつめも一同に願った。
なつめの協力により、三浦邸のリビングにインターネットに繋がれたパソコンが鎮座する。
連絡を受けて協力してくれた
Mystiqueという人物に、夏朝は尋ねた。
「この小鳥のオブジェクトをアバターの手に持たせて、もれいびが結晶になった小鳥さんを持った状態でダイブすればいいの?」
『そうよ。一か八かになるけれど……この子を別の世界に連れ出したのがもれいびなら、連れて帰るのももれいびの役目なんじゃないかしら』
●SIDE:VR●
あらすじ:キャットアイランドから繋がったダンジョンの奥には、無限に広がる何もない世界がありました。
心を手にしたマヌカノイドと一緒に、もれいびとアバターを操るひとたちは、その果てで動けなくなっていた『お姫様』を救出します。
……しかし、その『お姫様』は天真爛漫で好奇心旺盛、そしてとんでもないじゃじゃ馬だったのです!
仮想世界の上空に現れた、
狐のような耳と尻尾を持つ緑の髪の少女。
「わあ……すごい! すごい!」
見た事もない街並みを見渡て、彼女は髪と同じ色の瞳を輝かせた。
「どこに行こうかなぁ」
あちこちに目移りしながら、少女は街へと降りていく。
「あの子、旧市街エリアの方に行ったわ!」
黒依 アリーセが同道している面々に伝えた。
管理者の
神木 直樹は『やって良い事と悪い事を理解』してくれるのであれば、あの少女をキャットアイランドの一員として迎えても良いと言っている。
「なんだか賑やかな場所や、面白そうなものがあるところに惹かれてる印象ね……RPG用のHUDは通常モードの場所では使えないけど、何か
彼女の気を引くものでもあれば、話を聞いてくれるかしら?」
「ムキャー! なんでこうなるの!?」
一方、少女が去った記念樹公園では、彼女にピンクの子豚マスコットの姿にされ、アーティによって中途半端な豚っ鼻獣人にされた挙句、また他のマヌカノイドによって子豚に戻ってしまった
神田ちゃんが荒ぶっていた。
「彼女がアレを使う前にヘンテコな呪文を唱えていたのは、イメージを高める為だったのかしらねー」
やれやれと
七緒 璃音は肩を竦める。
少女は去り際、公園にいた自我を持つマヌカノイドたちにアバターやオブジェクトの姿を変化させる力を付与していた。
これを使えば、姿を変えられてしまった者を元に戻す事も出来るようだが。
「『イメージする力』……が大切、ですか。そんな事言われても……」
中途半端な治し方しか出来なかった
アーティは、途方に暮れている様子。
「そこはさ、やっぱ誰かに手伝って貰うって事で」
璃音はまだ公園に残っていた人々を眺めた。
相変わらず学芸会の木の役の人みたいな姿で、直樹は深刻な顔をしている。
「彼女、興味を持った売り物を好きに買ってるみたい。お金なんて持ってる筈ないのに……そっちのシステムにも干渉してるのかな」
運営費用に穴を開ける訳にもいかず、少女が勝手に買い物した分は、彼が夏休みの為に貯めておいたお小遣いから補填しなければならないらしい。
「こうなったら、お縄頂戴した後はカラダで払って貰うしかないね!」
「神田ちゃん……何を?」
鼻息を荒くしながら、神田ちゃんはササッと合成した画像を直樹たちに見せた。
「あの子には『ミケねこ』ちゃんと『シマねこ』くんと一緒に、キャットアイランドを盛り上げるマスコットになって貰おう! こんな感じで!!」
画面には、ゆるキャラ風の三毛猫とキジトラ猫の間に立つ、セーラーカラーのワンピースを着た少女の画像が映されていた。
こんにちは、羽月ゆきなです。
キャットアイランド最初のシリーズシナリオも第三回、いよいよ最終回です。
今回は前回終了時の状況を解決するパートと、その後夏休みが始まって1週間くらいまでの後日談的なエピソードを描くリアクション内容となる予定です。
ラストまで、どうぞよろしくお願い致します。
それでは、各パートの説明に移ります。
◆【現実】パート(前回事件の直後)
参加可能キャラクター:前回【分断】された寝子島にいた人(今回初参加の方もOK)
時間:真由美の暴走事件を収束させ、元の世界に戻ってきた直後(18:30すぎ頃)から行動可能です。
場所:三浦邸他、現実の寝子島内
・前回真由美の養母・なつめの信頼を得ている為、後処理と緑の小鳥をキャットアイランドに帰還させるまでの工程がかなり簡略化されています。
・緑の小鳥は現在、記録媒体のような姿になって延命している状態で、カラスの羽根を取り除くのは難しいようです。
・小鳥をキャットアイランドに戻すのをどなたがやるか(キャラクターさん限定で、NPCは不可です)は、皆さんで話し合って決めて下さい。
※小鳥は一応、Mystiqueが用意した小鳥の器に定着します。
しばらくは運営サイドの管理下で様子を見る事になるでしょう(後日談パートでは、希望すれば会いに行ける場所にいる予定です)
◆【VR】パート(前回事件の直後)
参加可能キャラクター:前回【VR】パートにご参加の方+α
※【分断】パートにご参加だった方も、人形事件の関係者という事でMystiqueが計らってくれる為、前回【VR】パート最終ページの状況を(冒頭から)目撃していたとして構いません。
※初めてご参加の方も【VR】パートの最終ページ、異空間への大穴が閉じた後は誰でも記念樹公園に出入り出来ますので、謎の少女が起こした騒ぎを目撃したとしてアクションを書く事が可能です。
時間:前回【VR】パートが終わった直後(20時すぎくらい)~事態収束まで
ミッション:謎の少女に『して良い事と悪い事』を教えて、自分が悪い事をした相手に『ごめんなさい』を言わせる。
前回とは打って変わってほのぼの、コメディな雰囲気が強めになります。
ですが少女はデータに干渉し、改ざんする能力を持っています。
このまま放っておけば、間違いなくキャットアイランドは大変な事になってしまうでしょう。
頑張ってなんとかしないと! という内容になります。
・謎の少女について
天真爛漫で好奇心旺盛な15~16歳くらいの外見をした少女です。
この世界の事はよく分かっていないらしく、常識も全く知りません。
また、自分に名前がない事に気付いて、名前を欲しがっているようです。
・リアクション開始時点で記念樹公園にいた自我を持つマヌカノイドについて
謎の少女に『アバターやオブジェクトの姿を変化させる力』を一時的に付与されています。
植物などの本来動かないものに変えられてしまうと、身動きが取れなくなってしまいますのでご注意下さい。
この力で変化させられてしまった人や物を元に戻す事も可能ですが、『そのマヌカノイド自身のイメージする力』が足りないと中途半端な戻り具合になってしまいますので、困っているマヌカノさんを助けてあげるのも手です。
マヌカノイドの性格や所有者の意向で取る行動は様々ですが、キャラクター所有以外のマヌカノイドは基本的に大人しくしているか、アーティのように変化させられたアバターたちを助けようと奮闘しています。
・ダンジョンで壊れてしまっていたマヌカノイドについて(主に後日談用)
回収された残骸の中にコアとも言えるメインのスクリプトが入っていた場合は、壊される直前までの記録と記憶を保持している可能性があり、修復時に新しいボディに移行させる事が可能です。
スクリプト自体が損傷している場合はそちらもバックアップからの修復となり、目覚め掛けていた自我なども一旦まっ更な状態からやり直しになります。
※前回使用したRPG用HUDは基本的に使用出来ません(サバゲー施設など、サバイバルモードに設定しているエリアでは使用可ですが、なるべく本来の用途で遊んでいる人に迷惑を掛けないようにしましょう)
※ミッションを達成出来なかった場合、少女は直樹の拘束状態が解けた後に管理者専用ルームに連行されます。
ここは違反者や度を越した迷惑ユーザーが送られる場所で、ユーザーからは『説教部屋』や『処刑部屋』などと呼ばれ恐れられています。
ここに送られた場合も事態は一応収束しますが、少女はその後もワガママ放題のヒネた性格になってしまう危険性があります。
・初めての方/前回VRミッション未参加の方向け要素
謎の少女が訪れる施設や行く先々で起こした騒動に巻き込まれる側でのご参加も可能です!
これまでお店や施設を普通に運営していた、またはキャットアイランドに遊びに来たという前提で巻き込まれをご希望の方は、アクションの手段の最初に○印をご記入下さい。
※基本的にはハチャメチャな目に遭っても構わない、という方向けです。
Exミッション?:少女が好き放題に買い物してしまうのを阻止する。
こちらは達成しなくても進行に影響はありませんが、達成状況により次回夏休みのキャットアイランド単発シナリオでの現実パートのテーマが変わります。
基本的には海で遊びに行くいわゆる『海、水着回』ですが、少女が20,000円以上お金を使ってしまった場合、直樹の夏休み用のお小遣いがレッドゾーンに突入してしまうので『夏休みの観光施設でバイト』がテーマになります。
逆に「うおおお、バイトするぞー!」という方や「直樹がバイトするところを眺めてニヤニヤしたい」方は、あえて少女に色々買わせて限界突破させてみるのもアリです。
◇キャットアイランド内での参考価格(電子マネーで簡単決済♪)
土地:普通の一軒家が建てられるくらいの広さ・容量で月200円前後。
服やファッション小物・家具など:一点で数十円~数百円(ピンキリ)
マヌカノイド:~2,000円くらいまでで結構良い性能+服一式まで揃う(企業コラボモデルは~5,000円ほど)
アトラクション系:カジノやゲームセンターのコインが何枚単位で100円など。
飲食系:ドネルケバブ500円、クレープ300~400円前後など、現実と同じ。
(景観の良い場所などで、ケータリングワゴンに乗ったもれいび業者がもれいび向けにこっそり販売している)
※ねこでんの列車など運営側の施設や、ライブ観覧などは基本的に無料です(出演者や施設提供者に投げ銭出来るシステムがあるところもあります)
また、無料で配布されているアイテムもあります。
◆後日談パートについて
参加可能キャラクター:どなたでも!
期間:【VR】パートの事態収束後
(特に書かれていない場合や同じ場所などをご指定の方が多かった場合、アクション内容から振り分け致します)
※前述の各パートアクションとは『【後】』『■後日』など、後日談パートへのアクションと分かる区切りを入れて書いて下さい。
特に制限はなく、施設やお店を運営・遊びに行く、ライブに出演、または現実世界で真由美の様子を見に行ったりと『キャットアイランドに行こう』や『詳しくはウェブでね♪』のように自由に行動して頂けます。
自分の作った施設や行う催しなどをコメントページで宣伝しておくと、キャラクターさんが遊びに来てくれるかも知れません。