煙草屋で休憩を｜リアクション

煙草屋で休憩を

　広村正敏は賑やかに入店してくる。
「いえーい、煙草が切れたよ～。買いに来たよぉ～」
「ああ、いらっしゃい」
　瑛華は軽く会釈する。
「これ、これよろしくぅ！」
　と正敏は空になった煙草の箱を振る。
「あんたも酔っ払ってんのかい？」
「気ぃのせいだって！」
　と言いながら、正敏は缶ビールを片手に提げている。
「まったく……」
　代金を払い煙草を受け取ると、正敏は店の奥の椅子に座り、ノートパソコンを開く。
「たまには外で仕事させてくれよぉ～。気分転換気分転換～！」
　しばらく後にまた、店の扉が開き、一人の女性が入ってくる。宇佐見満月だ。
「店主～！いつものニャルボロ赤、カートンでお願いするさね。二カートンあったはずなのに一つ行方不明なんさ……どこいったんかねぇ？」
「さぁてね。どっかの子供にでもパクられたんじゃないか？」
　軽口をたたきながら、瑛華はカートンを二つ手渡す。代金を払い、満月は、
「しかしアレだねぇ。ここに来ると手巻きたばこをやってみようかなぁって思わされるんだよねぇ」
「やってみればいい。やり方はいくらでも教えるよ」
「けどねぇ、残量が把握しづらいから躊躇しちまうんさ……。興味持ちそうな年頃の子を抱えてるからねぇ」
　満月はけらけらと笑う。