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『somnium』のチャイナな一日。
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運ばれてきた甜点心は、実に絶品だった。それに半ば本気で感動して、お茶を飲んでまた美味しさに目を細め、
花菱 朱音
はしみじみ呟く。
「ここの店長さんの腕ももちろんだけど、これだけ甜点心にバリエーションがあってどれも美味しいって、やっぱり中国4000年の歴史は伊達じゃないよね」
「うん。うまい」
そんな朱音の言葉に頷くように、
蓮見 紫音
ももう何度目かになる感嘆を漏らした。店内が混み合ってきたのもあって、席を移動して朱音達と相席になったのだ。
持ってきたくれた胡麻団子は本当に美味しくて、寝子島にこういう店があったんだな、と驚く。もちろんまだまだ、島の全てを行き尽くしたわけではないけれども、良い意味で予想を裏切られたというか。
「探索をしてみるもんだね」
「何なら今度島を案内しようか」
紫音の言葉に、修がそう申し出ると膝の上ですっくと立ち上がったブルーが、紫音を見ながら『じゃあ自分も一緒に』とでも言うように行儀よく『みゃぁ』と鳴いた。先ほどパウンドケーキの事を聞いた時、伊都子さんに「お利口さんなのねぇ」と頭を撫でて褒めてもらったので、結構ご機嫌さんなのだ。
そんなブルーの申し出(?)に、はは、と紫音は笑う。そうして空になったお皿を満足な気持ちで見ながら、これからどうしようかな、と考えて。
「そうだ、世話になってる叔父さんに、桃饅頭でも買ってってやろうかな。無類の甘党だから凄く喜びそうだ」
「土産か――他に良さそうなのはあるかな」
もしかしたらこの店の事自体は知っているかもしれないが、中国茶フェアは昨日と今日だけだと言うし、他の時期には甜点心は置いていないらしいから、被る事もないだろう。被ったとしてもそれはそれで、喜んで食べてくれるかもしれない。
そう考える紫音と一緒にメニューを眺め、持ち帰りやすさなどを考えていた修は、その中に月餅が並んでいるのに気が付いた。スーパーやコンビニなどでも売られていることがある、日本人にも多少馴染みのある甜点心だ。
そういえば、と紫音と朱音を見回した。
「月餅の中身は、餡子だけじゃないって知ってるか?」
中国では日本のお月見団子よろしく、中秋の名月のお供え物として食べられていた月餅だが、昔は今よりも遥かに大きくて、皆で切り分けて食べていたのである。さすが広大な中国と言うべきか、皮の中に詰める餡は鹹蛋(シェンタン)というアヒルの卵を塩水に漬けたものを茹でた黄身を入れたり、ハスの実の餡やナツメ餡を入れたり、小豆餡だとしてもクルミや松の実が入っていたりと、実に創意工夫に富むのだ。
そんな事を当たり前のように、けれども少し目を輝かせながら楽しそうに話す修の言葉を聞き、凄いよねぇ、と朱音はまた広大な中国へと思いを馳せた。4000年の歴史と言うの本当に伊達ではないと、しみじみ思う。
そもそも、中国というのはすごく神秘的な国だと、朱音は常々思っている。もちろん日本だって負けては居ないけれども、豊かで変化に富んだ文化もそうだし、様々な歴史ロマンにも事欠かないし、日本ではすっかり一般的になったと言える風水だって、そもそもは中国古来から伝わる地相占術なわけで――
(あー……こんなだからだめなのよね……)
そこまで考えて、はぁ、とため息をついて頭を抱えた。どんな話をしていても、結局オカルトな方向に話が進んでいってしまうのは、自分でもちょっとした欠点じゃないかと思っている。
とはいえ、ここには朱音に負けないくらいお茶の話やお菓子の話をしてくれる人が多くて嬉しいなぁ、と思った。さっきの子も面白かったし、と眼差しを向けた
後木 真央
はといえば、今は
旅鴉 月詠
とお茶の話で盛り上がっているところだ。
「烏龍茶は青茶、プーアル茶は黒茶、ジャスミン茶は花茶に分類される」
スケッチブックに色鉛筆を走らせながら、淡々と月詠は言葉を紡ぐ。今の被写体は、真央が持って来てくれた特製ブランマンジェ。
中国茶に呆れるほどの種類があるのは、それぞれ発酵の仕方と製法が違っていて、それによって味の濃さも変わるからだ。緑茶しかり、紅茶しかり、材料は基本的に同じなのに、発酵の仕方を変えるだけでも見せる表情がまったく変わってしまう食材、と言うのも珍しいだろう。
当然ながらベストな温度も違うけれども、今回月詠が頼んだジャスミン茶ならばだいたい、80~100度くらいだろうか。
「味もさることながら、一番は香りを楽しむことだよ。茶器は素焼きのものを使い、温めておくこと――さて、こんなものかな」
「ふむふむ? ――凄いのだ、本物よりも本物らしいのだ、美味しそうなのだ!」
そう語りながら、見ている者が腹をすかしそうになるように、と心がけて月詠が描いたブランマンジェに、真央が目を輝かせた。それに満更でもなく、うん、と頷いて月詠は、ガラスの器の中のジャスミン茶を見る。
お茶の中で揺れる花は、工芸茶ほど派手ではないけれども。
「花茶は名前の通り茶葉に花も入ってるもの。香りの他に見た目も楽しめる。香りにはリラックス効果があるよ」
「月詠ちゃん物知りなのだ凄いのだ。能美子ちゃんも詳しいみたいだったのだ、お茶淹れるのも上手だったのだ」
「そのようだな」
手放しで褒める真央の言葉に、ちら、と店内に視線を走らせた。だが、それ以上何かをするでも言うでもなく、またスケッチブックに色鉛筆を走らせ始めた月詠に、真央は「茶葉は燻製用煙材に使用すると簡単に消費できるのだ♪」とか、「飲料使用済茶葉でも消臭作用あるのだお掃除に使えるのだ万能なのだ」と話しかけながら、わくわく出来上がりを見守る。
そんな2人の会話を何となく聞きながら、刀は甜点心をまた一口食べた。それからこくり、香の良いお茶を味わいながら、小山内、と海に話しかける。
「小山内は何か面白いことあった? 俺はさ――」
最近の事件の事や、そうじゃないこと。ちょっとした日常の出来事や、この間の授業で教師が聞かせてくれた話。
そんな事を紡いでいく、刀の言葉にふんふん頷きながら海は、テーブルの上に並んだ甜点心にちょっとだけ後悔していた。
(……ちょっと多かったかな。いや、これくらいなら大丈夫だよね……?)
さんざん悩んだ結果、海が頼んだのはアイスのジャスミン茶と、甜点心は杏仁豆腐と月餅にマンゴープリン。これでも随分絞り込んだつもりだったのだけれども、ずらりと並んだところを見ると、つもりでしかなかったらしい。
体重の方も気になるし、何より刀に、随分と大食いだなと思われたりしないだろうか――不安になってちら、と刀の様子を見てみたけれども、幸い、気にした様子はなかった。否、むしろ海の前にずらりと並んだ甜点心に「それ美味しそうだな」と興味を持った様子。
ほっとした。そうしてこくり、美味しそうだと頷いてマンゴープリンに手を伸ばす、海に何とも知れず目を細めて刀は、茶器の中で揺れるプーアル茶の香りを楽しみ、ゆっくりと口に含んで味わう。
馥郁としたプーアル茶の香り。すぅ、と喉に滑り込んで行くような感覚。
「今日も良い日だな」
そう呟いた刀に海はこくこく頷いて、ゆっくりと味わって甜点心を一口ずつ頂いた。口中に広がる、しみじみ甘い、けれども嫌味ではない上品な味。
知らず、刀と同じように目を細めていた。
(うん、どれも美味しい)
「うん、美味い」
まるで彼女の心を読んだような刀の言葉に、はッ、と驚いて海は目を上げる。そんな海に目を瞬かせ、それから手の中のプーアル茶を見下ろして、はは、と刀が小さく笑って。
そんな風にしてゆっくりと、ゆっくりと時間が流れて行く。お店や木原夫妻の作り出す、優しい雰囲気がひどく馴染みが良くて、居心地が良い。
その空気を味わうように、そうして壊さないように、穏やかに穏やかにひとときを過ごしたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月26日
参加申し込みの期限
2014年04月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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