【終業式】輝かしきピリオドを――夏休みを求めて！｜リアクション

【終業式】輝かしきピリオドを――夏休みを求めて！

●ようこそ夏休みへ！

「俺、レモンにする！」
　シーサイドタウンの大観覧車の下に訪れた三人は、早速屋台でジェラートを注文する。
　早速、口に含んだラッセルは爽やかな酸味に、思わずぎゅっと目を瞑る。
「おお、流石に評判だけあって美味いな！　な？」
　いい笑顔でシルヴィアを見下ろせば、彼女はジェラートを味わいながら、あふりと欠伸。
「……眠たい……」
「えー……。あ、ヴァルには、こっちをプレゼンツ」
　ラッセルは旧市街の魚屋『魚新』の名物、ちくわを灯路の愛猫ヴァルケンシュタインに与えた。
　シルヴィアと共に、喉を鳴らす黒白のハチワレに目を細めていると、常闇月を伴った八神修も現れて、月のためにジェラートを注文した。
　一見すると少々不吉に見える赤黒いシャーベットを手渡され、月は何かを連想したのか、少し表情を曇らせた。
「これは……？」
　修はそんな彼女を、労わるように言葉を添える。
「カシスシャーベット、美味いぞ」
　月の視線は、しばしシャーベットと修との間を往復していたが、やがて意を決したように、スプーンで掬ったそれを口に運んだ。
　冷たく凍ったシャーベットは、口の中ですぐにほろりと溶けて。
　元々、果物が好物な月。何ともいえないリッチな味わいに、瞳が小さく揺れた。
「……美味しい、です」
　シャーベットを口に運ぶたび、何度と無く月は溜息をついた。
「だろう？」
　月の反応に満足したか、修も自分のシャーベットに、舌鼓を打ち始めた。

「……確かに……人のオゴリで食べると……何でも美味しい……」
　シルヴィアの一言に、ラッセルはまたしてもズッコけた。
「タハー。まあ、喜んでもらえてんなら、それでいっけどさー」
「そういえば……まだ桜井から空を飛んだ感想を聞いてない……」
「んー？　そうだなぁ」
　ラッセルは空を見上げた。
　額に振りかかった髪の間を風が通り過ぎ、その行く先に入道雲を背景にして、大観覧車がそびえ立っていた。
　回るゴンドラは、いかにもゆったりとして、これから始まる楽しい時間を連想させた。

「じゃあ、さ。また今度あった時、一緒に話そうぜ！」
　振り返り、これから始まる出来事への期待を胸に、ラッセルは親指を立てた。

　――今の混乱状態は、神の島のフツウなのかな？
　桜花寮への帰り道、普堂しおりはひとりごちた。

　神魂騒ぎは、決して歓迎出来る愉快なハプニングばかりではない。
　それでもヘコんでばかりじゃ、毎日が勿体無いから。

　人のフツウと神のフツウ。
　バランス良く楽しめたらいいな。

「なにはともあれ、夏休み！　よ～し、思い切り楽しんじゃうよ～♪」
　頭上に放り投げた鞄を、ばふっと受け止めると、しおりは走り出した。

　私の二学期の抱負。
　蝉時雨に負けない声で、しおりは凛と宣言する。

「寝子島のフツウを楽しみます！」

　　　終

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あとがき

担当マスター：メシータ
ファンレターはマスターページから！

　夏休みをかけた攻防、皆様お疲れ様でした。

　ハゲタッチの順番につきましては
　・有利になるろっこん（校長の居場所の特定・ショートカットなど）
　・光や障害物への対策
　・アクション内容での、目標を達成する気合
　・運要素（ダイス）

　これらを総合し、着順を決めさせていただきました。
　結果　１位：新井米太郎さん　２位：恵御納夏朝さん　３位：御剣刀さん　４位（同着）：常闇月さん＆風雲児轟さん　となりました。

　それにしても、今回は腐女子のパワーを感じたシナリオでございました。
　何か、色々吹っ飛びました（笑）。

　そしてクローネに関わる内容のアクションをくださった方が、何名かいらしたのですが、ガイドのマスターコメントにて、今回は絡めない旨を明記しておりましたので、不採用とさせていただきました。
　これは他の参加者様にも、「クローネに関われたのであれば、自分も絡む内容のアクションをかけたのに」、と考えられる方がいらしただろうという判断からです。ご了承ください。

　さておき、「らっかみ！」世界もいよいよ、待ちに待った夏休みです。
　改めまして、お疲れ様でした。心置きなく青春してくださいね。

　では、当シナリオへのご参加、まことにありがとうございました。

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