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夏だ、きもだめし委員会!
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●第四組、レディたちお気をつけて
――
藍沢 響子
、
丹羽 紅葉
校舎に響き渡る、ほわぁぁぁ……という叫びにびくっと立ち止まった響子の肩を紅葉は優しく抱いた。
「響子ちゃん大丈夫よ、誰か怖がりな人が叫んでるだけ」
「だ、だよなー。てか、あんな絶叫出来んならライブでもやりゃあいいのによ」
黒髪にピンクのメッシュを入れたロックな少女は、少し涙目で優しい幼馴染の手を握りなおす。普段はこうじゃないのだ。どちらかというと響子の方が紅葉を引っ張り回すことが多い。だが。
「どうにも幽霊とかそーいうのは苦手でさー……紅葉、お化けが怖くないってほんとか?」
「そうね、心霊系は大丈夫よ」
「ほんとに、怖くないんだな……?」
甘えてくる響子が意外に可愛い。そんなことを思いながら紅葉は微笑んだ。
「ふふっ、ほんとよ」
そもそも、ふたりが今宵こんなところにいるのは、響子が音楽室に翌日使う予定の楽譜を忘れたからだった。しかし、夜の学校は出るものが出そうで怖い。そこで響子は紅葉に付き添いを頼んだ。そうして学校に来てみると運よく――なのか運悪くなのか――きもだめし大会が行われるというではないか。それを知ると紅葉は友人にこう提案したのである。
「ねぇ、響子ちゃん。他の人たちも沢山いるし、イベントに参加したら怖くないと思うわ」
そんなこんなで、なんとか理科室をクリアしたふたりは、理科室前の廊下にしゃがみこんで、ふくよかな三毛猫の喉を撫でていた。
「ほらね、びっくりすることないわ。ただの猫よ」
「そ、そうだなー! 急に足元に現れたから何かと思ったが、よくみりゃ可愛いじゃん」
三毛猫は少女たちに囲まれてご満悦そうにごろごろと喉を鳴らしている。
だが、そのときだった。
数部屋先の教室の扉が、ゆっくりと、カラカラ音を立てて開いたのは。
ぉぉっ~ぅ~
か細く苦しそうな呻き声。
響子は動きを止めて暗闇に目を凝らす。
闇の中に現れた人影は、カクカクと不自然な歩き方で、ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。
ぉ~っぁ~ぃぃ。おっ~ぁ~ぃぃ
地の底から響くような呼び声に、三毛猫はみぎゃっと一声鳴くと、すぐさま理科室へと駆け去った。
響子は紅葉の手を強く握り固唾を呑んだ。紅葉も黙って声の主の姿を見定めようとしている。
雲が切れ、廊下の窓から漏れる僅かな月明かりがその姿を照らしだした。
衣服は泥と血にまみれ、頬には眼窩から零れた眼球がぶら下がっている。
それはまるで、たった今墓場から起き上がってきた死者のよう――!
「ゾ、ゾンビ!」
震え声をあげ、響子が紅葉の影に隠れる。
ゾンビ
は一瞬立ち止まったかと思うと、聞き取れぬほどの声でなにごとか呟き、不自然な動きのままスピードを上げてふたりに突進してきた。
「おっ~あぁ~~~いぃぃ!」
「ぎゃああああっ!」
響子は紅葉の背中にぎゅうううっとしがみついた。
幽霊は平気な紅葉も、このリアルなゾンビにはさすがに身を震わせる。
すると涼しげな夏の衣服に包まれた紅葉の豊かな胸もふるふると震えて……。
震えて……。
ゾンビの鼻息が荒くなった。
妙に血色が良くなり、視線はその胸元に釘付けだ!
「おぉ~おっぱ~~い!」
紅葉の動揺が、背中越しに伝わった。
お化けは怖い。でも! 響子の、幼馴染を守りたいという気持ちが、ゾンビへの恐怖を上回った!
「うううう~~~っ! 怖いけど! 紅葉を泣かせる奴は、あたしが許さん~~~!」
響子は涙目ながらゾンビにかなり本気なキックを放った! ガクガクと不自然な動きをしていたゾンビは、おおぉっぱああいい、という残響を残しながらバランスを崩してその場にうち崩れる。さらに追い打ちをかけようとしたそのとき、急に足元に冷たく白い霞が纏わりついて来た。
ギギィィィ……と不吉な軋みを立てながら、廊下の壁に立てかけてあった洋風の棺桶がゆっくりと開いてゆく。白い霞はその棺桶の中から溢れ出ている。
響子はゾンビへのトドメも忘れて呟いた。
「なんだあれ……」
暗闇に紛れて、いままで棺桶の存在に気付かなかったのだ。
棺桶が全開になる。何が出てくるのかと棺桶を凝視していた響子と紅葉は、予想に反して背後から「わっ!!」と驚かされて竦み上がった!
「はははっ! ゴメンよ、驚かせてしまったようだね、せにょりーた!」
月明かりを背負って現れた彼は黒の外套を翻し、シルクハットを脱ぐと優雅に一礼。
再び「おお~っぱ~い」と呻いたゾンビの手をピシリとステッキで叩く。
彼がにこっと微笑むと、鋭い牙が覗いて見えた。
「やあやあ、
美女が好きな吸血鬼さん
ですよ。素敵なレディたち、どうぞお見知りおきを」
吸血鬼は紅葉の前に跪き手を取った。
その背後でゾンビがのそりと起き上がる。
「おおぉう、おっぱいに勝てるゾンビなんていねぇぇぇぇ!!」
吸血鬼はやれやれ、とシルクハットのつばの位置を直すと、容赦なくゾンビを足元の霞の中に沈めた。
「失礼。レディに向かっておっぱいなどと、ゾンビってのは泥臭くていけないね。俺は違うよー? その麗しい首筋にキスしてほんの少し血を分けて貰えたらそれでいいのさ。もしかしたら、ちょっと赤く跡が残ったりするかもしれないけど、それも一夜のアバンチュール、きっといい思い出になるよ……って、あれ、どうしたんだいレディたち? 随分目が座ってるみたいだけど……いや、待って、これは吸血鬼の演出をだねー……」
「墓場へ帰れーッッ!!」
お化けに向かって暴力的解決なんてとても無理だと思っていたが、こういうの相手なら話は別だ。
響子の怒りがパンチとなって吸血鬼とゾンビに炸裂した。
熱いロックの原動力は、怒りなのだ!
◇
やってしまってやっぱり怖くて、俯き加減に紅葉の手を握りしめる響子を、なんだか頼もしいと紅葉は思った。震えるほど怖いのに、自分のために立ち向かってくれた。そんな友人が誇らしかった。
「響子ちゃん、ありがとう」
「や、もう夢中で……やべえ、まだ手が震えてるし」
響子は手をぎこちなく開いたり閉じたりした。そんな響子の髪を紅葉は黙ってよしよしと撫でた。
「うう……あとは音楽室だけだな。忘れ物取ってちゃっちゃと終わらせようぜ」
「そうね」
3階へ上がる。紅葉は改めて夜の校舎の気配を嗅いだ。
「……夜の学校って、来る機会がないからなんだか新鮮ね。というか私は夜出歩くこと自体滅多にないけど。響子ちゃんは夜にライブハウス行ったりしてるの?」
「そうだなー、夜通しで歌うことはあるけど、建物の中は明るいからなぁ……帰るときも明るくなってるし」
「バイトも始めたんだっけ? 響子ちゃんは凄いな、活動的で。私も少し見習わないと……」
「そーかー? 紅葉はちゃんと学校の勉強も頑張ってるし、あたしは偉いと思うけどな!」
話しているうちすっかり気も紛れて、肝試し中だという事も忘れて無造作に音楽室の扉を開ける。
「えーっと、たしかこの辺に……と、あったあった」
響子は忘れ物の楽譜を見つけた。紅葉もきもハンコを見つけて押す。
そのとき、不自然なピアノの音が、ポロン、ポロン、と聞こえてきた。
「あら……?」
紅葉は耳を澄ます。響子はここが夜の学校であることを急に思い出して紅葉の傍に身を寄せた。
ポロン、ポロロン、と、不協和音交じりの音は、まだ響いている。
だがそれは、長年ピアノを続けていて耳の肥えている紅葉には陳腐なものだった。
「ふふっ、まるで子どもの演奏ね。それに大丈夫、ただのラジカセの……」
そのときだ。紅葉の言葉を遮るように突然、正面の教卓の影から、野良着に白化粧、ぐるぐるほっぺといういでたちの少年が飛び出してきて叫んだ。
「ひょろろんっ座敷わ……ッ!」
座敷童子だぞー、と驚かせたかったのだろう。しかし台詞半ばで、ずべしっと、顔面から転んでしまい、床にへばりついたままぴくぴくしている。
紅葉は思わず笑ってしまった。
「あらあら。かわいいお化けさん」
ところが全身に百の目をもつ妖怪・百目が現れたのを見ると、響子は怯えて紅葉にぎゅうっと抱きついた!
「うわああああっ! でた! なんかでた! やっぱなんかいるんだあああーー!!」
今度は暴力的解決に訴える余裕はまるでなかった。
百目は驚かれたことに唖然とした様子で、ヘマをした座敷童子を起してやっている。
そのとき、思わぬ方向からぬるり、とほっぺたにこんにゃくが押し付けられた!
「ほーら、お化けやでー! 怖いんやでー!」
それは明らかに可愛い、そして若干ヤケクソな女の子の声だったのだけれど。
「いやだあああああ!!」
響子は紅葉にしがみつきながら音楽室から逃げ出した。
「絶対に! もう忘れ物なんてしないからな!!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月17日
参加申し込みの期限
2014年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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