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縁の幻路
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突然引き込まれた世界に、
神嶋 征一郎
は一つ溜息をついた。最近はよく変な世界に飛ばされている気がする。外で一人、静かにヴァイオリンを弾こうと思っていただけなのに、何故なのか。けれど今更、言う相手のいない文句を心の中で呟いたところで仕方がない。征一郎はヴァイオリンケースを握る手に力をこめると、霧のかかった大通りを歩き出した。乳白色に滲む世界は視界が悪く、音らしい音も聞こえない。見知らぬ世界に一人、放り込まれてしまったような不安に心が押し潰されそうになった時、霧の中に人影が浮かんだ。
ほっと安堵しつつ、足早に人影に近づいて行き、それが見知った人物である事に気づくと足を止めた。
人は、どれだけ強く誰かを憎む事が出来るのだろうか。バラバラにされたぬいぐるみを受け取った時、
ロベルト・エメリヤノフ
の心にそんな疑問が浮かんだ。送られて来た憎しみの心は、あまりにも鋭かった。他人の心は、分からない。分からない事が怖いと思う人もいるだろう。けれど知ってしまうと、更に怖くなる。分からない怖さと、知っている怖さは違う。
誰かに会いたいと思いながら歩いていた時、突然妙な世界に引き込まれた。広い道には濃密な霧がかかっており、先の見えない心細さにどこか建物に入ろうと周囲を見渡し、開店の札が下りた雑貨屋を見つけた時、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。振り返ってみれば知った顔で、思わず安堵の息を吐き出して「神嶋!」と声をかけた瞬間、征一郎が踵を返した。
「いやいや、何で!? ちょ、待てよ!」
去って行こうとする征一郎の腕を取り、ペイと振り払われる。
「よりによって……」
てめぇかよ。と、溜息混じりに呟こうとして、ロベルトの表情に言葉を飲み込む。普段とは違う、どこか元気のない様子が気になった。
「……どうかしたのか?」
ロベルトが驚いたように目を見開き、すぐに普段通りの ―― 否、普段通りにしようと振舞うような表情を浮かべる。
「どうもしないけど、何で?」
平気なふりが下手な人間だと思いつつも、隠そうとしている心を無理に聞き出す事は咎めて、征一郎は「いや……」と、言葉を濁した。沈んだ心を征一郎に悟られるのが怖くて、ロベルトは必要以上に明るく喋りながら雑貨屋の扉を開けた。乾いた鈴の音とともに聞こえて来た楽しそうな声に目を向ければ、可愛らしい先客がいた。
「こんにちはなの」
ももがペコリと頭を下げ、小萩もそれに続く。社交性に関して言えばマイナスの域に達している征一郎がしかめっ面で視線を足元に落とし、ロベルトが慌てて笑顔を浮かべる。
「こんにちは。二人もこの世界に引き込まれたのかい?」
「そうなの。僕は寝子高1年の
花風 もも
」
「同じく1年の
本条 小萩
です」
「そっか、二人とも後輩だね。僕は2年の
ロベルト・エメリヤノフ
、こっちも同じ2年の
神嶋 征一郎
」
「今日は先輩とよく会いますね」
「僕達の他にも誰かと会ったの?」
「えぇ、剛さんと深雪さんに」
あの二人も来ているのかとぼんやり考えるロベルトの隣で、征一郎が小物を見始める。物凄く興味がなさそうな顔だったが、ここにある小物はどれも女の子が好きそうな可愛い物ばかりなのだから、征一郎の興味の対象外だとしても別段驚きはしない。
「ここ、店員さんはいないけど、一人一つまでなら持って行っても良いって書いてあるの」
「そうなんだ!? なら、何か貰ってこうかな……あ、これとかどうかな?」
目の前にあったレトロな懐中時計を手に取り征一郎に見せるが、鼻で笑われる。
「……な、なんだよ!」
「別に。てめぇが良いと思うなら良いんじゃねぇの?」
遠回しにセンスがないと言われているようなものだ。しょんぼりするロベルトに、ももが「僕は可愛いと思うの!」とフォローを入れてくれるが、征一郎の冷たい眼差しは変わらない。けれど、これで心折れないのが
ロベルト・エメリヤノフ
だ。すぐに気を取り直すと、征一郎に良いと言わせるような物がないか探し始めた。
「ももさん、これなんてどうですか?」
小萩が手に取ったのは、透き通った青色のヘアクリップだった。
「わぁ……とっても綺麗」
「ももさんも9月生まれですよね? 誕生石のサファイアに似た色なので、良いなと思ったんです」
「へぇ、良い色じゃねぇか」
二人が手に取ったヘアクリップを見て、征一郎がそう呟く。
「征一郎さんもどうですか?」
小萩が笑顔で同じ色のヘアクリップを差し出し、征一郎が苦虫を噛み潰したような表情で手を左右に振る。
「自分がそれを貰っても意味ねぇだろ」
「あ、もしかして、征一郎さんもロベルトさんとお揃いにするの?」
「何でそうなるんだよ。ロベルトと揃いの物を持つなんざ、寒気がする」
「そうなの? でも、深雪さんと剛さんはお揃いにしてたのよ」
「霧生と服部が揃いのモン持ってたとしても、自分とロベルトは絶対にねぇ。ロベルトのセンスはアレだしな」
そしてまた貶されるロベルトのセンス。
「僕はロベルトさんのセンス、良いと思うけれど……」
再び入るもものフォロー。その優しさが、身に沁みる。
他の場所も見て来ると、雑貨屋を後にした小萩とももを見送った後で、ふと片隅に置かれた小さなオルゴールに気付いて征一郎は手に取った。蓋を開ければ聞いた事のあるメロディが流れ出し、思わず目を閉じる。この曲は、姉である
神嶋 綾瀬
が得意でよく吹いていたものだった。オルゴールの音に変わって、フルートの繊細なメロディが征一郎の頭の中に流れる。全ての切欠は、この曲を聴いてからだった。あの頃、一人の音楽家として、綾瀬の背中は遠かった。
何を手に取っても貶され、それなら神嶋はどういうのが良いんだよ!? と聞いても「自分はこういうの興味ねぇから」と、素っ気無い態度を取っていた征一郎だったが、オルゴールを持ったまま固まってしまった。ロベルトはそっと征一郎の背後に近づくと、手元を覗き込んだ。可愛らしい装飾が施されたアンティーク調のオルゴールを、懐かしさの混じる眼差しで見ていた征一郎が、突然視界に入ってきたロベルトを見て表情を引き締めるとおもむろに蓋を閉じた。流れていたメロディがプツリと途切れ、不機嫌そうな顔でオルゴールを元の場所に戻す。
「へぇ、神嶋はこう言うのが好きなのか」
「違ぇ」
「小振りで可愛いし、音も綺麗だし、良いと思うよ」
「だから違ぇ。自分の趣味じゃねぇ」
「でも……」
「くどい」
ピシャリと言い放たれ、ロベルトは口を閉ざした。言いたくない何かがあるのだろう。征一郎は既に違う物を見ており、意識的にこちらを見ないようにしていた。けれどオルゴールを見ていた時の懐かしむような瞳が気になって、ロベルトは征一郎が見ていないのを確認してからそっとオルゴールをポケットに入れた。
「そう言えば僕、神嶋の演奏聞いたことないな。もし良ければ、弾いてくれない?」
一瞬迷うように視線を足元に落とした征一郎だったが、すぐにいつも通りの不敵な表情を浮かべると頷いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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