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雑巾すら作った事がない
榛名 冥
だったが、それでもぬいぐるみ教室に参加しようと決めたのは、王輝の事が頭を過ぎったからだった。王輝は妹の事が嫌いだと言った。その声を、冥は聞いてしまった。でも、王輝が本当に優妃の事が嫌いだとは思えなかった。優妃はとても優しそうで、凄く魅力的な演奏をする子で、きっと何か悲しい擦れ違いが起こっているだけ、冥はそう思っていた。
教室は日曜と言う事もあって沢山人がいた。冥は何処に座ろうか考えながら周囲を見渡し、隅に座る優妃と目が合った。
「優妃ちゃんも来てたんだね。……一人で来たの?」
優妃が否定するよりも早く、聞き慣れた声で名前を呼ばれて顔を上げる。奥の部屋から生地や型紙を見繕って帰って来た深雪と渚砂が立っており、冥は「みゆと渚砂くんが一緒だったんだね」と言うと微笑んだ。
「ねぇ優妃ちゃん、王輝くんってぬいぐるみ好きかな?」
「好きだと思うの。お部屋にも、飾ってあるし」
「そっか、良かった。あのね、出来上がったら、王輝くんにあげようかなって思ってるの。優妃ちゃんは?」
「私も、お兄ちゃんにあげるの」
「それじゃあ、メイも一緒に渡しに行こうかな。優妃ちゃんが一緒なら心強いし。素敵なぬいぐるみをプレゼントできるようにがんばろーね!」
冥は笑顔で手を振ると、空いていたイスに荷物を置いてから、手早く必要な道具を集めて取り掛かってみるものの、裁縫初心者の冥には難しかった。丸いクマのぬいぐるみならどうにかなるかも知れないと思っていたのだが、型紙に沿って布を切った後が一苦労だった。麗佳を呼ぼうかと顔を上げ、隣で黙々と作業をする女の子の手元に目が吸い寄せられた。
実家には結構な数のぬいぐるみが置いてあったが、桜花寮には持って来なかった。特に思い入れのある子がいたわけではなく、なくても困らないものだったため、全て実家の部屋に置いて来たのだが、質素な部屋は時々寂しく思う事がある。2千円くらいならお手頃だし、自分だけの子を作るというのもなかなか楽しそう。そんな思いから予約をした
詠坂 紫蓮
だったが、黙々と作業をする人々を見ているうちに、静かにやる気が満ちていった。裁縫は特別得意と言うわけではなかったが、それなりに出来る。出来上がったらどこに飾ろうか、そんな事を考えていると、隣から声がかかった。
「上手ね! お裁縫、得意なの?」
大きな赤い瞳が特徴的な可愛らしい女の子に、紫蓮は「得意って程じゃないけれども……」と微笑んだ。
「ね、良かったら教えてもらえないかな?」
「良いわよ。あなたもクマなのね」
「うん、なかなか難しくって。私、寝子高二年生の
榛名 冥
。メイって呼んで!」
明るい笑顔に、紫蓮はパチパチと瞬きをすると口元を手で隠し、小さな驚きを表した。
「ごめんなさい、先輩だったのね。私、寝子高一年生の
詠坂 紫蓮
って言います。メイ先輩、でいいかしら?」
「うん! 紫蓮ちゃんは一年生なんだ。大人っぽいから、同い年かと思っちゃった」
よく言われますと言うべきかどうか悩んでいる時、冥が針で指を刺した。
「痛っ。……いたたー、気をつけなきゃ」
「大丈夫ですか?」
幸い指先から血が出ることはなかったものの、皮膚が小さく裂けていた。
「ここが少し難しくて……どうすれば上手くできるのかな」
「ははあ、なるほど……ここは確かに難しいですよね。でもこんな風にやれば……」
冥から布を受け取り、すいすいと手馴れた様子で針を動かして行く。冥がジーっと手元を見つめ、紫蓮は布を返すと、同じ様にやれば出来るはずですからとエールを送った。冥がぎこちない手つきながらも、真剣な表情で紫蓮の動きを再現していく。
「そうそう、そうすれば……やった! うまくできた!」
「ありがとう紫蓮ちゃん! 紫蓮ちゃんって、器用だね! メイも頑張らないと」
「へへ、完成まで一緒にやってきましょうか」
自分の作業を進めながら、時々冥の進行状況も確認する。冥の横顔は真剣そのもので、時折指を刺しそうになっては慌てている。
「メイ先輩は、プレゼント用? ひょっとして、彼氏とか?」
「彼氏じゃないよ。紫蓮ちゃんは?」
「私は自分用。私はそういう、彼氏とか好きな人とか、まだ早いって言うかその……考えた事もないなぁ。憧れないわけじゃないけれど、気になる人も特にいないし。そんなことより、メイ先輩は? 彼氏じゃないけど、好きな人? 良かったら聞かせて欲しいなぁ」
「メイはね、幸せになって欲しい人にあげるの。だから、幸せいっぱい詰めるんだ」
キラキラとした笑顔に、紫蓮の顔も自然と綻ぶ。
「相手の人はどんな人なの?」
「隣のクラスの王輝くんって子なんだけど、えっと……アンバーの綺麗な瞳で、美人さんだよ。あそこにいる女の子のお兄さん」
教室の隅で、生地を前に考え込んでいる様子の女の子に目を向ける。淡い金色の髪と灰色の瞳が特徴的な、お人形さんみたいな子だった。あの子のお兄さんなら、きっと美人だろう。
「凄く可愛い子だね……」
語尾が小さくなったのは、彼女の隣に見知った顔を見つけたからだ。紫蓮の視線に気付いた深雪と渚砂が顔を上げ、ギクリとしたような表情で固まる。二人の視線が宙を泳ぎ、明らかにうろたえている姿に、紫蓮の口元に笑みが浮かぶ。何故だかは分からないが、苛めたくなる。オロオロとしている姿が面白くてニコリと微笑めば、二人の顔が引き攣る。これ以上見続けていたら、冥か優妃に気付かれてしまうかもしれない。紫蓮は最後に極上の笑顔を向けた後で、冥に視線を移した。
「王輝くんってね、写真みたいな絵を描くの。とっても綺麗なんだけど空っぽな感じがして、なんだか惹かれちゃうんだ。思わず気になっちゃうの。紫蓮ちゃんは、そんな人いない?」
「え!? わ、私はいないよ。と言うか、私の話はいいから! その、王輝先輩? の話、もっと聞かせて」
「話って言っても、そんなによく知ってるわけじゃないの。ただね、この前……色々と悩んでるって聞いちゃって。あの日以来、王輝くんのことが気になっちゃって。……あ、あれ? これって恋愛なのかな!?」
突然疑問をぶつけられ、紫蓮は口ごもった。自分の恋愛ですらも分からないのに、人の恋愛なんて分かりようもない。
「メイ先輩は、王輝先輩の事が好き……なんだよね?」
「好きか嫌いかで言ったら好きだよ。でも、恋愛かどうかは分からないな。ただね、支えになりたいことは確かなんだ」
冥の瞳が、少しだけ寂しそうに陰る。
「自分の姿が重なって仕方ないの。私もどこかで、本土にいる兄に劣等感を抱えているからかもね。……私、できっこない子だったから……」
何かを思い出すかのように、遠い目になる。紫蓮はかける言葉が見つからずにジっとその横顔を見つめた。視線に気付いた冥が寂しそうに微笑み、そっと目を閉じる。
「でも、今は違うよ。王輝くんの苦しい気持ちが分かるからこそ、力になってあげたいの」
メイに出来るかは分からないけどね。そう小さく呟き、冥は目を開けた。そんなに強く思う相手がいない紫蓮は、冥が少しだけ羨ましかった。いつかそんな人が出来るのかな、そう思いつつ、作りかけのぬいぐるみに視線を落とす。冥の話に聞き入っていて、いつの間にか手が止まっていた。
「続き、やろっか。最後の仕上げまで、気を抜かないで行かないとね。完成したら、みせっこしましょ」
「よーし、頑張るぞ!」
気合を入れ、手早く針を動かす冥に負けじと、紫蓮も続きに取り掛かった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月10日
参加申し込みの期限
2014年03月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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