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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
Un peluche importante
高く結い上げたポニーテールを揺らし、椿 美咲紀は何度も手元のチラシに書かれた教室名と目の前のぬいぐるみ工房の名前を確認してから、そっと扉を開けた。教室の中は冷房がかかっており、美咲紀の火照った身体から優しく熱を吸い取って行く。
「あら？ 美咲紀さん……？」
「御巫さん？ あ、あれ？ まだ時間前だよね？」
慌てて手元のチラシを確認する美咲紀に、御巫 時子がふわりと微笑みながら頷く。
「まだ大丈夫ですよ……。私は、散歩してからのんびり来たのですが、少し早く着いてしまいましたので、お手伝いをしていただけですから……」
今、麗佳さんを呼んできますね。と言って静々と奥の部屋へと去って行く時子の後姿を見送り、美咲紀は胸元に抱いたブーケに視線を落とすと、少しだけ花の位置を変えた。ぬいぐるみが大好きで、抱き枕に出来るぐらい大きな猫のぬいぐるみが前々から欲しかった美咲紀だったが、なかなか気に入る子が売っていなくて困っていたところにこの教室の張り紙を見つけた。売っていないなら作れば良いと、閃きの勢いで電話をかけたのだが、実は美咲紀はお裁縫が少し苦手だった。教えてもらいながらならきっと素敵なぬいぐるみが出来るはずと言う淡い期待を抱きつつも、念のため麗佳に相談してみたところ、お裁縫初心者でも丁寧に教えるから大丈夫と言う心強い言葉が返って来た。
「こんにちは。貴方が美咲紀ちゃん？」
時子の後ろから出て来た麗佳の色っぽさに少々驚きつつも、美咲紀は元気の良い笑顔を浮かべると、持っていたブーケを差し出した。
「お世話になるので、お庭で育てているお花さん達をブーケにして持ってきましたぁ。麗佳センセ、今日はよろしくお願いしますなのです」
「あらー、ご丁寧にどうも有難う。凄く素敵なお花ね！ 確か使ってない花瓶があったはずだから、早速飾らせてもらうわね。それにしても、時子ちゃんといい、美咲紀ちゃんといい、礼儀正しくて感動しちゃうわ。こんな良い子なんだから、きっと彼氏はとっても素敵な人なのよね！ 同じ年の人かしら？ それとも年上？ あ、でも年下の男の子も良いわよねー！ 美咲紀ちゃんの彼氏さんは？」
突然のマシンガントークに目を白黒しつつも、美咲紀は胸の前で手を左右に振った。
「ふえ。彼氏なんていないですよぉ」
「隠さなくても良いのよー！ こんなに素敵な子に彼氏がいないわけなんてないんだから！ あ！ それとももしかして、時子ちゃんと美咲紀ちゃんは実は恋人同士とか？ きゃー、女の子同士でも、それはそれで素敵よね！ 愛さえあれば性別なんて……」
麗佳の妄想に拍車がかかり始めた時、可愛らしい二人の『女の子』が姿を現した。金色の長いツインテールをピンク色のリボンで纏めた葛城 璃人と、緩やかにウェーブした茶色い髪をハーフアップにして、璃人と同じ色のリボンをつけた高尾 日菜が仲良く並んで教室に入って来る。
「あら、こんにちは、素敵なカップルさん。生徒さんよね？ お名前聞いても良いかしら？」
璃人と日菜が、全く同じタイミングで目を丸くする。璃人は女の子以上に可愛らしい顔立ちをしており、現在もフリルとリボンがたっぷりついた服を着ている。市販の服に、璃人が自らレースやリボンを縫いつけて独自にアレンジした。男の子の格好をしている時ですらも、愛らしい顔と低い身長に、ボーイッシュな格好をした女の子と見られる時が多いのに、まさか女装をしている時に日菜と恋人同士だと見抜かれるとは思ってもみなかった。大抵は、親友同士にしか見られない。璃人はほんのりとした嬉しさに口元を緩めながらも、自分の名前と日菜の名前を麗佳に告げた。
女の子の格好の時の璃人と一緒にいる時に、恋人同士だと思われたのは初めてだった。少しは恋人らしくなっているのだろうかと、嬉しさに頬を淡く染めた日菜だったが、麗佳は美咲紀と時子もカップル認定しており、二人が否定してもどんどん想像を逞しくしていっている。どうやら麗佳は、目の前に二人の人間がいれば自動的にカップル認定をしてしまう人らしい。少しがっかりした日菜だったが、それでも恋人同士に見られた事は素直に嬉しく、隣に立つ璃人に目を向ける。璃人も日菜を見ており、視線が合って思わず照れ笑いを浮かべる。
今はまだ、親友同士にしか見えないかもしれない。でもいつかは、恋人同士に見られるようになったなら……。日菜の指先が、璃人の手に触れ、キュっと握られる。細い指は日菜の指とほとんど変わらないが、少しだけ高い体温は確かに男の子で、言葉に出来ない恥ずかしさと嬉しさが交じり合い、日菜は軽く手を握り返すと目を伏せた。
「あら？ 美咲紀さん……？」
「御巫さん？ あ、あれ？ まだ時間前だよね？」
慌てて手元のチラシを確認する美咲紀に、御巫 時子がふわりと微笑みながら頷く。
「まだ大丈夫ですよ……。私は、散歩してからのんびり来たのですが、少し早く着いてしまいましたので、お手伝いをしていただけですから……」
今、麗佳さんを呼んできますね。と言って静々と奥の部屋へと去って行く時子の後姿を見送り、美咲紀は胸元に抱いたブーケに視線を落とすと、少しだけ花の位置を変えた。ぬいぐるみが大好きで、抱き枕に出来るぐらい大きな猫のぬいぐるみが前々から欲しかった美咲紀だったが、なかなか気に入る子が売っていなくて困っていたところにこの教室の張り紙を見つけた。売っていないなら作れば良いと、閃きの勢いで電話をかけたのだが、実は美咲紀はお裁縫が少し苦手だった。教えてもらいながらならきっと素敵なぬいぐるみが出来るはずと言う淡い期待を抱きつつも、念のため麗佳に相談してみたところ、お裁縫初心者でも丁寧に教えるから大丈夫と言う心強い言葉が返って来た。
「こんにちは。貴方が美咲紀ちゃん？」
時子の後ろから出て来た麗佳の色っぽさに少々驚きつつも、美咲紀は元気の良い笑顔を浮かべると、持っていたブーケを差し出した。
「お世話になるので、お庭で育てているお花さん達をブーケにして持ってきましたぁ。麗佳センセ、今日はよろしくお願いしますなのです」
「あらー、ご丁寧にどうも有難う。凄く素敵なお花ね！ 確か使ってない花瓶があったはずだから、早速飾らせてもらうわね。それにしても、時子ちゃんといい、美咲紀ちゃんといい、礼儀正しくて感動しちゃうわ。こんな良い子なんだから、きっと彼氏はとっても素敵な人なのよね！ 同じ年の人かしら？ それとも年上？ あ、でも年下の男の子も良いわよねー！ 美咲紀ちゃんの彼氏さんは？」
突然のマシンガントークに目を白黒しつつも、美咲紀は胸の前で手を左右に振った。
「ふえ。彼氏なんていないですよぉ」
「隠さなくても良いのよー！ こんなに素敵な子に彼氏がいないわけなんてないんだから！ あ！ それとももしかして、時子ちゃんと美咲紀ちゃんは実は恋人同士とか？ きゃー、女の子同士でも、それはそれで素敵よね！ 愛さえあれば性別なんて……」
麗佳の妄想に拍車がかかり始めた時、可愛らしい二人の『女の子』が姿を現した。金色の長いツインテールをピンク色のリボンで纏めた葛城 璃人と、緩やかにウェーブした茶色い髪をハーフアップにして、璃人と同じ色のリボンをつけた高尾 日菜が仲良く並んで教室に入って来る。
「あら、こんにちは、素敵なカップルさん。生徒さんよね？ お名前聞いても良いかしら？」
璃人と日菜が、全く同じタイミングで目を丸くする。璃人は女の子以上に可愛らしい顔立ちをしており、現在もフリルとリボンがたっぷりついた服を着ている。市販の服に、璃人が自らレースやリボンを縫いつけて独自にアレンジした。男の子の格好をしている時ですらも、愛らしい顔と低い身長に、ボーイッシュな格好をした女の子と見られる時が多いのに、まさか女装をしている時に日菜と恋人同士だと見抜かれるとは思ってもみなかった。大抵は、親友同士にしか見られない。璃人はほんのりとした嬉しさに口元を緩めながらも、自分の名前と日菜の名前を麗佳に告げた。
女の子の格好の時の璃人と一緒にいる時に、恋人同士だと思われたのは初めてだった。少しは恋人らしくなっているのだろうかと、嬉しさに頬を淡く染めた日菜だったが、麗佳は美咲紀と時子もカップル認定しており、二人が否定してもどんどん想像を逞しくしていっている。どうやら麗佳は、目の前に二人の人間がいれば自動的にカップル認定をしてしまう人らしい。少しがっかりした日菜だったが、それでも恋人同士に見られた事は素直に嬉しく、隣に立つ璃人に目を向ける。璃人も日菜を見ており、視線が合って思わず照れ笑いを浮かべる。
今はまだ、親友同士にしか見えないかもしれない。でもいつかは、恋人同士に見られるようになったなら……。日菜の指先が、璃人の手に触れ、キュっと握られる。細い指は日菜の指とほとんど変わらないが、少しだけ高い体温は確かに男の子で、言葉に出来ない恥ずかしさと嬉しさが交じり合い、日菜は軽く手を握り返すと目を伏せた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年03月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年03月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年03月17日 11時00分
