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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
Un peluche importante
想像していた以上に、王輝の妹は可愛らしい子だった。教室で見る王輝に、柔らかさをプラスしたような雰囲気は、殺したくなるほど危なそうには見えない。どちらかと言うと、保護したくなるような子だった。
ロベルトは自身の作業を続けながらも、チラチラと優妃の様子を見ていた。深雪はどこかに行ってしまったものの、渚砂がついているから大丈夫だろう。そう思っていたのだが、優妃の手元は覚束ない。布を切っている段階では手馴れた様子だったのに、何故か針に持ち替えた途端に手元が危うくなっている。不器用とかそういう問題ではなく、危ない。そしてそれを、自分の作業に集中している渚砂は気付いていない。
「ちょ！？ 危ない！ 危ないからっ！」
思わずそう声を上げた時、別の方向からも声がかかった。
「待って！ 御陵さん、待ってですぅ！」
添木 牡丹は、麗佳のぬいぐるみ教室の常連だった。今日も、麗佳から事前に教室がある事を聞き、その場で申し込みを済ませていた。ここでは、憧れの先生や仲良しの友達、弟と妹など沢山のぬいぐるみを作ってきたが、今日は思い切って彼氏のぬいぐるみを作ろうと思っていた。事前に麗佳にはその旨を伝えており、散々弄られたのだが、恥ずかしさはあっても嫌な気持ちはなかった。麗佳の恋愛話には慣れたもので、最近では彼女の限りない妄想話も楽しくもなってきていた。
張り紙を沢山貼ったから、今日は人が一杯いるかもと言っていた麗佳の言葉通り、教室は何時も以上に人が来ていた。チラホラ男の人の姿もあって、何だか嬉しくなる。牡丹がいつも座っている席に向かおうとして、ふと隅に見知った顔を見つけて足を止めた。淡い金色の髪の少女を、牡丹はよく知っていた。優妃は保健室の常連だった。勿論、サボり目的やお喋り目的ではなく、保健室を正しく使う人としての常連だった。
保健委員として、そう言う子のことは頭に入っている。そのため、無意識のうちに優妃の体調を見てしまう。顔色は悪くなく、頬にも赤みが差していて元気そうだ。ほっと安堵したもの束の間、優妃の手元に目を向け、牡丹は思わず声を上げていた。他の方面からも声がかかり、ビクリと優妃が肩を震わせて固まる。
「優妃ちゃん、その針の持ち方、どう考えてもおかしいでしょ！？」
「そうです！ 手を刺しちゃいます！」
「大体、そんな持ち方じゃ縫えないでしょ？」
「針はこう持つんですよ」
牡丹がお手本を示し、ロベルトが「そうそう」と同調する。突然のダブルサウンドに優妃の目が宙を泳ぎ、るるかが心配そうな顔で走って来る。
「どうしたの？」
「優妃ちゃんの針の持ち方が危なくって」
ロベルトの説明に、るるかが首を傾げる。危ない針の持ち方ってどう言う持ち方よ。と、眉を寄せるるるかに牡丹が実演する。人差し指の第二関節の上に針先を外向きにして乗せ、親指でギュっと押さえる。何かを刺す気しか感じられない持ち方に、るるかが優妃に目を向ける。
「優妃ってお裁縫不得意なの？」
「不得意……なのかな。針が、怖いの」
「尖ってるから？」
「注射とか、点滴とか、嫌いなの」
その一言に、牡丹だけは納得した。病弱な彼女は、病院に行く機会も多いのだろう。その時に打たれる注射や点滴の痛みが、トラウマになってしまっているのかもしれない。座っている優妃に視線を合わせるように膝をつき、ふわりと優しく微笑む。まるで白衣の天使が、苦しむ患者さんの心を癒そうとするかのような笑顔だった。
「でもここは病院じゃないですし、この針からは素敵なぬいぐるみを作る事が出来るんですよ。怖がってたら、勿体無いです」
「もしもどうしても怖かったら、お兄さんが代わりに作ってあげるけど、どうする？」
渚砂が落ち着いた声でそう提案するが、優妃は小さく首を振った。
「私が作ったのを、お兄ちゃんにあげたいの。だから、頑張る」
「優妃君ならそう言うと思っていたぞ。一緒に頑張ろうな」
頭を撫でられた優妃が、恥ずかしさに頬を染めながらも、嬉しさにはにかんだような笑顔を浮かべる。
「私も一緒にここで作っても良いですか？」
まだ少し優妃の事が心配だったため、牡丹が近くの椅子を引き寄せて腰を下ろす。ロベルトも優妃の事が心配で、また、彼女には聞きたいこともあったために空いている席に座り、作業を再開しようと各自が針を持った時、牡丹の背後に零葉が立った。
「あ、あの……」
恥ずかしそうに頬を染め、持っていた生地を何度も握りながらも、零葉は何とか言葉を紡いだ。
「私にも……教えてください……。私、こういうの……全然ダメなんです……」
ロベルトは自身の作業を続けながらも、チラチラと優妃の様子を見ていた。深雪はどこかに行ってしまったものの、渚砂がついているから大丈夫だろう。そう思っていたのだが、優妃の手元は覚束ない。布を切っている段階では手馴れた様子だったのに、何故か針に持ち替えた途端に手元が危うくなっている。不器用とかそういう問題ではなく、危ない。そしてそれを、自分の作業に集中している渚砂は気付いていない。
「ちょ！？ 危ない！ 危ないからっ！」
思わずそう声を上げた時、別の方向からも声がかかった。
「待って！ 御陵さん、待ってですぅ！」
添木 牡丹は、麗佳のぬいぐるみ教室の常連だった。今日も、麗佳から事前に教室がある事を聞き、その場で申し込みを済ませていた。ここでは、憧れの先生や仲良しの友達、弟と妹など沢山のぬいぐるみを作ってきたが、今日は思い切って彼氏のぬいぐるみを作ろうと思っていた。事前に麗佳にはその旨を伝えており、散々弄られたのだが、恥ずかしさはあっても嫌な気持ちはなかった。麗佳の恋愛話には慣れたもので、最近では彼女の限りない妄想話も楽しくもなってきていた。
張り紙を沢山貼ったから、今日は人が一杯いるかもと言っていた麗佳の言葉通り、教室は何時も以上に人が来ていた。チラホラ男の人の姿もあって、何だか嬉しくなる。牡丹がいつも座っている席に向かおうとして、ふと隅に見知った顔を見つけて足を止めた。淡い金色の髪の少女を、牡丹はよく知っていた。優妃は保健室の常連だった。勿論、サボり目的やお喋り目的ではなく、保健室を正しく使う人としての常連だった。
保健委員として、そう言う子のことは頭に入っている。そのため、無意識のうちに優妃の体調を見てしまう。顔色は悪くなく、頬にも赤みが差していて元気そうだ。ほっと安堵したもの束の間、優妃の手元に目を向け、牡丹は思わず声を上げていた。他の方面からも声がかかり、ビクリと優妃が肩を震わせて固まる。
「優妃ちゃん、その針の持ち方、どう考えてもおかしいでしょ！？」
「そうです！ 手を刺しちゃいます！」
「大体、そんな持ち方じゃ縫えないでしょ？」
「針はこう持つんですよ」
牡丹がお手本を示し、ロベルトが「そうそう」と同調する。突然のダブルサウンドに優妃の目が宙を泳ぎ、るるかが心配そうな顔で走って来る。
「どうしたの？」
「優妃ちゃんの針の持ち方が危なくって」
ロベルトの説明に、るるかが首を傾げる。危ない針の持ち方ってどう言う持ち方よ。と、眉を寄せるるるかに牡丹が実演する。人差し指の第二関節の上に針先を外向きにして乗せ、親指でギュっと押さえる。何かを刺す気しか感じられない持ち方に、るるかが優妃に目を向ける。
「優妃ってお裁縫不得意なの？」
「不得意……なのかな。針が、怖いの」
「尖ってるから？」
「注射とか、点滴とか、嫌いなの」
その一言に、牡丹だけは納得した。病弱な彼女は、病院に行く機会も多いのだろう。その時に打たれる注射や点滴の痛みが、トラウマになってしまっているのかもしれない。座っている優妃に視線を合わせるように膝をつき、ふわりと優しく微笑む。まるで白衣の天使が、苦しむ患者さんの心を癒そうとするかのような笑顔だった。
「でもここは病院じゃないですし、この針からは素敵なぬいぐるみを作る事が出来るんですよ。怖がってたら、勿体無いです」
「もしもどうしても怖かったら、お兄さんが代わりに作ってあげるけど、どうする？」
渚砂が落ち着いた声でそう提案するが、優妃は小さく首を振った。
「私が作ったのを、お兄ちゃんにあげたいの。だから、頑張る」
「優妃君ならそう言うと思っていたぞ。一緒に頑張ろうな」
頭を撫でられた優妃が、恥ずかしさに頬を染めながらも、嬉しさにはにかんだような笑顔を浮かべる。
「私も一緒にここで作っても良いですか？」
まだ少し優妃の事が心配だったため、牡丹が近くの椅子を引き寄せて腰を下ろす。ロベルトも優妃の事が心配で、また、彼女には聞きたいこともあったために空いている席に座り、作業を再開しようと各自が針を持った時、牡丹の背後に零葉が立った。
「あ、あの……」
恥ずかしそうに頬を染め、持っていた生地を何度も握りながらも、零葉は何とか言葉を紡いだ。
「私にも……教えてください……。私、こういうの……全然ダメなんです……」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年03月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年03月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年03月17日 11時00分
