あるひまわり畑で面倒なことが起きました｜リアクション

あるひまわり畑で面倒なことが起きました

　ハムスター御剣刀の目の前を、１匹のハムスターがころころと転がり過ぎた。

「誰だか知らないが、大丈夫か？」

　刀と同様に、中身は人だろうと思い声をかけると、ハムスターが転がるのをやめる。

「ぬ？　御剣さん？」
「……真辺か」

　同じクラスの、真辺伸幸だった。

「何してるんだ？」
「黄金の種を探してたのよー。やっぱり四つん這いで歩くより転がる方が楽だねぇ」
「見つかったのか？」
「まだなのよー」

　伸幸は起き上がって近くのひまわりを見上げる。

「じゃあ一緒に探そう」

　刀は伸幸と一緒に薔薇の匂いを探すことにした。

「これっぽいー……？」
「美味いが……普通の種だ」
「……ぬん。違ったのよー」
「これなら、どうだ？」
「ぬ。美味しいけれど違うー……」

　なぜか時折普通の種しか無いひまわりから薔薇の匂いがして不思議だった。まるで誰かが薔薇の花でも持って動いているようだ。

「ぬ？　やあ、薔薇の香りー……今度こそ、かねぇ」
「登ってみよう」

　ゆらゆら揺れ動くひまわりをやっとのことで登りきると、黄金色をした種が２人を待っていた。しっかりとした薔薇の匂いを放っている。
　刀と伸幸は、それぞれ１粒ずつ黄金の種を手に入れると、すぐに口の中に入れた。

　やっと見つけた黄金色の種を口に入れると、伸幸は眠気に襲われた。

「にゅー……ふぁ、見つけたら眠くー……ぬん」

　もぐもぐ齧っていると、うとうとしてきた。ふぁ……と欠伸をして、その場に丸くなる。伸幸の意識は夢の世界へ旅立った。

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