せんせいといっしょ：浅井先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：浅井先生編

「へぇ、こういうのもいいな」
「それにしても、おにぎりは作りすぎたような……」
「大丈夫なのだ。みんな食べるのだ」
　轟がヤマメの炊き込みご飯おにぎりに感心しているそばで、時子が山ほどのおにぎりに悩む。が、真央は胸を叩いて笑う。そうしているうちに刀と柳司も戻ってきて、２人も朝食準備に合流した。また、幸太も賑やかになってきた所で戻り、更に賑わった。
　カレーの残りのジャガイモをポテトサラダにする轟だったが、鮭フレークが手元に無いことが悔やまれた。それがあれば、北海道風のポテトサラダにできたのに、と。

その頃、テントでは疲れが出たのか勇は寝袋から起き上がり、頭を軽く振う。
「……頭がすっきりしない……」
「水でも飲むか？」
　礼二郎が心配そうに声を掛け、水を差し出す。勇は礼を述べて飲み干すと一息ついた。
　女子のテントでは、空音は寝落ちしてしまった事と夢の中でも最終的に熊な保護者からジャーマンという肉体言語でおしおきされたというのもあり、こっそりリベンジに燃えていた。
（いいもん、いいもん。陸上部の合宿があるんだからねっ！！）
　ぐっ、と手を握り締める彼女の姿に、羽衣とといきは顔を見合わせて苦笑した。

・後片付けはキッチリと
　他の皆も起きてきて準備に取り掛かれば、あっというまに朝ごはんが出来上がる。皆が揃った所で食べることに。

２日目・朝食の献立
ベーコンエッグ、やまめの炊き込みご飯、おにぎり（具は数種）、御味噌汁、梨、林檎。炙ったかまぼこ、ポテトサラダ

（それにしても、おにぎり多いな……）
　修が卵の黄身を口にしつつ、積まれたおにぎりを見てふと思った。けれども、幸太や刀、真央など数名は然程気にしていないようだった。
「これはこれで、昼食まで持ちそうだな」
「体育科のメンバーは結構食べる奴が多いからおやつ分を考えても足りそうだ」
　士の言葉に耀も頷くと時子はほっ、と胸を撫で下ろす。そうしながらも朝食もわいわいと進んでいく。その光景を、冥はなんとなくいいな、と見つめていた。

　食事が終れば片付けと撤収準備である。朝食の準備を結局手伝えなかった勇は率先して食事の片付けをし、修も丁寧に用具を洗う。テントを畳んでいるメンバーを振り返れば、轟と士を中心に動き、刀がきびきびと率先して活躍している姿が見えた。
　食器の片付けが終り次第、２人も撤収の手伝いに動く。勇がゴミの取りこぼしがないかチェックし、指差し確認。
「ゴミは分別して、袋に分けよう」
「撤収は速やかに行おう。勿論、掃除も忘れちゃいけないな」
　修がそういいながらテキパキ動けば、なんとなく学級委員長に見えてくる。思わずくすり、と笑う耀や納得するような羽衣と真央に修は思わず苦笑する。こうして、皆で動く事によって、直ぐに終わらせる事が出来た。

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