this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
おうちに帰る前に
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
シーサイドタウンにある音楽会館の一室にて。
ひとつ、またひとつと聞こえてきた楽器の音が消えていき、いつの間にか音楽室にはバイオリンと自分の弾くピアノの音色しか響いていない。
もうみんな帰っちゃったのか、と
花厳 望春
は弾く手を止めた。響く音はついにヴァイオリンだけになった。
「残ってるの、俺たちだけみたいだね」
窓の外を見ると、もうゆっくり陽が傾きかけている。暖かい色のはずなのに、そのオレンジを見ているとなぜかほんの少しだけ物寂しい気持ちになって、花厳は思わずそう声をかけた。
花厳の声に、そこでようやく篠崎は演奏の手を止める。
「あ……ごめん、つい。ジャマしちゃったかな」
「いや、いいよ。ちょうど煮詰まってたところだし」
そう言うと、篠崎は深呼吸のような、あるいはため息のような長い息を吐いた。
「最近よくその曲練習してるよね」
じゃーん、と意味もなく和音に指を置きながら花厳は言う。
「ああ。友人が俺のために作ってくれたんだ。だいぶ弾けるようにはなってきたんだけど……」
篠崎が練習している曲は、同じくクラシック同好会に所属している友人、
神嶋 征一郎
が作ったものだ。譜面どおりに弾くことはできるのだが、どうもそれだけでは味のない演奏になってしまう。
はあ、と息をついて篠崎は言葉を続けた。
「スローテンポなんだけど、だからこそ難しいっていうか……。そうだ花厳、ちょっと聴いてみてくれないか? 感想を聞かせてほしい」
「俺でよければ、もちろん」
ピアノ椅子に腰掛けたまま、花厳はうなずいた。
篠崎はゆっくりとヴァイオリンの上で弦を動かし始める。静かな夕方の音楽室に響くその音はとても正確で、音楽に対する妥協を許さない篠崎らしい演奏だ。
(だけど……いや、だからこそ)
4分ほどの短い曲が終わると、篠崎はゆっくりと花厳の方を見た。
どうかな、と尋ねるその表情はどこか物足りなげだ。
「うーんと」
花厳は一瞬だけ考えをめぐらす。篠崎の演奏は一切のミスのない完璧なものだった。たぶん、楽器を演奏しない人なら「すごかったよ!」と手放しに褒めるのだろう。
けれど篠崎が求めているのは賞賛ではなく成長だ。今の彼の演奏に必要なもの――花厳は口を開いた。
「すごく正確でよかったと思う。ある意味篠崎くんらしい演奏だけど、もう少し音に感情をのせてみても……」
ああ、俺、芸術科でもないのに何を言ってるんだろう。
そんなことを心のどこかで考えながらも、しゃべる言葉はとめなかった。
「いや、これが篠崎くんのために作られた曲なら、尚更感情をのせて演奏するべきだと思うな」
花厳のありのままの意見を、篠崎は真剣な顔をして耳を傾けている。
「感情……か」
「あ、うん……ていうかごめん、俺より篠崎くんの方がよっぽど音楽に詳しいはずなのに!」
「いや。さんきゅ、花厳。そんな風にまじめにアドバイスしてくれる人ってあんまりいなくって」
音楽に関しては才知あふれる篠崎のことだ。きっと普通の人なら、気後れしてしまって当たり障りのない褒め言葉しか口にしないのだろう。
篠崎の言葉に、花厳もほっと胸を撫で下ろす。
「気を悪くしてないんならよかった……」
やっぱりこういうの、友達の力になりたいって思うじゃん。
気恥ずかしそうにはにかみながら花厳が言うと、篠崎もそこでようやく笑顔をみせた。
キャットロードは学生たちでにぎわいを見せている。
ある画材屋の一画。どれがいいかなあ、と真剣な目つきで小山内が手に取っているのは絵の具の入った小瓶だ。
色は彼女の瞳と同じきれいな青色。小瓶の中でその少し濃い目の色がちいさく揺れる。
(正直、俺から見ると同じ青に見えるんだけど)
その少女の様子を横目で見ながら、
御剣 刀
はちらりとそんなことを思う。
しばらくすると小山内は買う色を決めたようで、レジに持っていった。身振り手振りで画材を購入すると、とと、と小走りに御剣のもとへ戻ってきた。
小山内がじっと御剣を見る。待たせてごめんね、とその瞳が言っているということは、スケッチブックに頼らなくても充分に御剣に伝わってくる。なので彼は、いいよ、と小さく笑う。
ほしいものがあるからと買い物に誘ってきたのは小山内の方だ。その彼女の買い物が終わったのだから目的は達成されたのだけれど……。
『刀くんはどこか行ってみたい所はある?』
スケッチブックに書かれた文字に、うーん、と御剣は考えをめぐらせた。
「そういえば運動用の靴がほしいかも。最近ぼろぼろになってきたし」
じゃあスポーツ店だね、と小山内は向かいの店を指差した。ちょうど建っていたその店は、先日オープンしたばかりの真新しいスポーツショップだ。
まだどこか新築の匂いのする店内。やや白すぎる照明の下で、御剣は運動靴を手にとって見ている。そしてその様子を小山内はじっと見ている。
(足のサイズ、これかな……)
自分のものよりだいぶ大きめの靴が並ぶ棚を眺め、表示されているサイズ札をチェックする。ついでに料金も。
「んー。これがよさそうだけど……今月けっこう食べちゃったしなあ」
ぎりぎり買えないこともないが、そこは一人暮らしの学生、少しでも節約しておきたいところ。もう少し貯金をがんばって、買うのは来月かな、とちらりとのぞき見た財布を御剣はぱたんと閉じた。
買わないの、と小首を傾げる小山内に、御剣は困ったように笑ってみせた。
「いや、もうちょっとお金貯めてからにしようかなーって。今のままでも使えないことはないしな」
御剣の言葉に、ふーん、と小山内は小さくうなずいて、あとはさも興味なさげに店内を見て回るのだった。
こっそりと、自分の財布の中身を確認しつつ。
御剣と小山内がスポーツ用品店から出てきた頃。
音楽の話題からいつのまにか音楽ゲームの話に飛躍した
花厳 望春
と
篠崎 響也
は、キャットロードのゲームセンターに足を運んでいた。
「今日こそは負けないからね! けっこう練習してきたんだし」
ぱんぱんぱんとパネルを叩く花厳の手つきは確かに前よりしっかりとしていて、篠崎は内心で焦りを感じる。
「げ、花厳……マジで上達してるじゃねーか」
自分の方がうまいと思って油断していたせいか、いつのまにかスコアが追い抜かれている。慌てて集中しなおすも、焦りが加わって手がいつものように動かない。
そして曲が終わる――結果は、花厳の勝利。
「やったぁーっ! 篠崎くんに勝ったぞ!」
「た、たまたまだろ! ちょっとぼーっとしてただけだから!」
いつもはクールに構えている篠崎であるが、勝負事となれば話は別だ。同級生からはどこかとっつきにくいと思われがちな彼の年相応な様子に、花厳は思わず笑ってしまう。
「よし、じゃあ篠崎くん! 俺の言うことひとつ聞いてくれるかな」
「はぁ!? そんな約束してないし――」
ぶつくさ言う篠崎の背中を、まーまーとなだめながら花厳は押していく。
ふたりが進んでいった先にあったのは、クレーンゲームの筐体。
「ほら、これ。篠崎くん得意でしょ? とってほしいなって」
クレーンゲームはたしかに得意だ。そして花厳が苦手なのも知っている。
仕方ないな、とため息をつきつつ、花厳がずいと差し出してきた硬貨を導入口にねじこんだ。
「分かったよ。ほら、どれがほしいんだ?」
「えーっと……じゃあ、これ。お願いします!」
「お前……わざと取りにくいヤツ選んだだろ」
花厳が選んだのは、がんばれば取れそうな位置に引っかかっている鷹のぬいぐるみ。また絶妙なの選びやがって……と友人に呆れた視線を向けるが、彼は気にした様子もなくがんばれー、と呑気な顔で笑っている。
(さっき音ゲーに負けたのは事実だしな……ここは一発、とってやるか)
篠崎は真剣な様子でレバーを動かす。
始まったクレーンゲームに、花厳も笑顔をひっこめて篠崎の操るクレーンを見守った。
クレーンのアームがうまく鷹の頭をつまみ上げる。そのままゆっくりと投入口まで引っ張っていくが――あと一息のところで鷹はぽてりと落ちてしまった。
「ああー……」
「まだだ、まだあと一回残ってる」
ぎゅっと残念そうに眉根をひそめる花厳とは対照的に、真剣な表情を崩さないまま篠崎は再びレバーを操作する。
アームはまたも的確に鷹の頭をつかみ――今度は確実に、穴の中へぬいぐるみを落とした。
内心で小さく安堵の息をもらしつつ、ほら、となんでもないような表情で篠崎はぬいぐるみを手渡した。
それを受け取った花厳は、子どものように顔を輝かせて口を開いた。
「おおー、すごい!クレーンゲーム上手いんだな。ありがとう――響也くん」
自然と出た友人の名前はいつもと違う響きだった。
「あ、ああ。別にそれくらいどうってことないし」
篠崎がきょとんとしたのはほんの一瞬だった。すぐになんでもないように返事をする。
思いがけず口にした、初めて口にした友人のファーストネームに驚いたのは花厳の方だった。
「あ、なんか自然に下の名前で呼んじゃった――俺、仲良くなった人は下の名前で呼びたいんだよね」
少し気恥ずかしそうに言う花厳に、篠崎は首を傾げる。
名前の呼び方など特に意識したことはなかった。しかし、彼にそうやってファーストネームを呼ばれるのは嫌ではない。
「ああ……別に構わないよ。えーと、望春」
みはる、みはる、と言い慣れないその単語をなじませるように口で何度かつぶやく。
「じゃあさ、望春。今度はお前がぬいぐるみ取ってみろよ。コツ教えてやるから」
なんとなく改まった空気をあえて何気ないものに変えるように、篠崎は財布からコインを取り出しながら言う。
そんな篠崎の様子に、花厳も次の瞬間には何事もなかったように声を上げてみせた。
「できるかなあ、俺……響也くんみたいにうまくないんだけど」
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
おうちに帰る前に
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月02日
参加申し込みの期限
2015年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!