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おうちに帰る前に
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秋の帰り道。
まだ夕暮れには少し早い時間。秋の高い空の下を、帰路につく学生たちが歩いている。
「もうすっかり秋ですねー」
ほら、うろこ雲。天を仰ぎながら歩く
薄野 五月
は、隣を歩く幼馴染の
畑中 華菜子
に語りかける。
「そうアルねー。五月ちゃんは秋といえば? スポーツ? 芸術? それとも――」
食欲?
続けようとした畑中の言葉と、幼馴染の問いに答えようとした薄野の声とが見事に重なる。このへんやっぱ付き合いの長さだよなあとお互い目を見合わせて笑った。
「そりゃあ食欲ですよ。スポーツも芸術もいいですけど――今はとにかく、はらぺこですから」
「私もアルヨ! せっかくだから何か食べて帰りたいアル!」
そんな2人の耳に折りしも届いたのは、石焼き芋を売り歩くおじさんの声。
これしかない、と再び2人は目を見合わせると、小走りにその声のする方へ走っていった。
「石焼き芋かー。ちょっと惹かれるけど、今日は駅の方まで行ってみたいしなあ」
ぱたぱたと石焼き芋の屋台へと駆けてゆく2人の女子生徒の背をぼんやりと眺めつつ、
緑野 毬藻仔
はシーサイド駅へと向かう道を歩いていく。お財布の中身は限られている。無駄遣いはできない。
そんなことを考えていると、おーい、とどこからか声をかけられた。
え? 私? と緑野が顔を上げてきょろきょろと辺りを見回すと、少し離れたところでこちらに向かって手を振っている人影が目に入った。
茶色の長い髪、気だるげだけどどこか柔らかな顔立ちには見覚えがある。ええと、あれはたしか――
「酒浸……さん、でしたっけ?」
前に彼女が介抱した女の子――
酒浸 朱蘭
は緑野の言葉に嬉しそうにうなずいてみせた。
「あたしのこと覚えてくれたんだ、えーとあんたは……毬藻仔だったよな」
どうやらお互い寝子島高校の学生だったようだ。
せっかく偶然再会したんだし、と酒浸は人懐っこい笑顔を見せる。
「なーなー、どうせなら一緒に遊んで帰ろうぜー! 飲む? 飲む?」
「飲むって……えーと、まだお日様も出てることだし、ご飯もまだ早いし、ていうか私たち高校生だし……あ、そうだ」
そこまで言って、緑野は本来の自分の目的をはたと思い出す。
「私、今からシーサイド駅の方でお買い物したりしようと思ってたのだけど」
一緒にどうかな? と首を傾げて彼女の方を見ると、酒浸はノリの良さそうな笑顔を浮かべてみせた。
「もちろんオッケーオッケー! いろいろ見て回ろうぜ!」
「あ、ねえねえ焼き芋食べない?」
焼き芋を片手に楽しそうに談笑する女子生徒の姿に、
ロベルト・エメリヤノフ
は一緒に歩く友人たちにそう言った。
「ふむ、焼き芋か……嫌いではないが、今はもっとこう――がっつりとしたものが食べたい気分だ」
ロベルトの問いにそう答えたのは
内藤 武諭
である。あくまで謙虚な姿勢を取りつつも、成長期の食欲は正直だ。
「たとえば?」
「やはりここは粉ものだな。たこ焼きとか――お好み焼きとか」
「ああー、いいねぇ。がっつりソース系! 神嶋はどっちがいい?」
ロベルトは会話に入ってこないもう一人の友人、
神嶋 征一郎
の方を見て話題を振る。たこ焼き? それともお好み焼き?
そんなごくごく日常的な問いかけに、神嶋は軽く息をついた。
「なんでお前らと寄り道しなきゃなんねーんだよ」
そもそも今3人で帰っているのも、約束があったわけでもなんでもない。
たまたま一緒になっただけだ。だというのに――
「付き合いが悪いぞ神嶋。いいからたこ焼きかお好み焼きか選べ」
空腹のせいなのか、少しイライラした様子で内藤が選択を迫ってくる。
「選べって言われても……お好み焼き? んなもん食った事ねえし」
食べたことのないものは選びようがない。
きっぱりと断るつもりで言った神嶋の一言に、内藤とロベルトは思わず目を丸くした。
「お好み焼きを……」
「食べたことがない……だと?」
2人は思わず顔を見合わせたが――ごほん、と咳払いとともに先に口を開いたのは内藤だった。
「まあ、食ったことがないのなら仕方ない。前々から思っていたが、神嶋はどうも庶民ぽくない感じだったしな――いいだろう」
ここはこの俺が庶民の味というものを教えてくれよう。
びしっと言い切る内藤。いいねえとうなずくロベルト。
そして思い切り眉根をひそめる神嶋。
「ちょ、何を勝手に――」
「いいからいいから」
「俺に任せておけ、いい店を知っている」
2人に引っ張られ、こうして神嶋は思いがけずお好み焼き屋デビューを果たすこととなったのだった。
そんな男子3人組の様子を、
黒依 アリーセ
はほほえましげに眺めていた。
放課後はいろんな学生たちのいろんな様子を見ることができる。
あの子とあの子って意外と仲良しだったのね、とか。
あの人ってあんな顔してみせるのね、とか。
友人とわいわい騒ぐ見知った顔――神嶋の様子に思いがけず笑みをこぼしていると、ちょうどばっちりとその彼と目が合った。
「あ……黒依か」
「神嶋くん、お疲れ様ね」
彼とは顔見知りである。軽く会釈をすると、向こうも友人2人に引っ張られつつ頷くような挨拶を返した。
「なに? 神嶋の友達?」
「今からお好み焼き屋に行くんだが……せっかくならいっしょにどうだ?」
どうやら友人たちも彼女の存在に気づいたようだ。内藤の言葉に黒依は少し心が揺らいだが、小さく笑って首を振る。
「せっかくだけど、今食べたらお腹いっぱいになっちゃいそう」
「きわめて女の子的な意見だね」
「ふふ、晩ご飯前には少しきついわ。でも、また機会があったら誘ってね」
お好み焼き、きっとおいしいだろうな。
とても魅力的ではあったけれど、実家暮らしなので帰れば夕飯が待っている。
3人に別れの挨拶をすると、黒依は再び歩き出した。
今日はゆっくりと物思いに浸りながら帰りたい気分だ。芸術の秋とはよくいったもので、秋の心地いい空気は創作意欲まで解放的にしてくれる。
(ちょっと河原の方までいってみようかしら)
人気のないところで、ゆっくり川を眺めるのもいいかもしれない。
そう思って川沿いの道へと歩いていると、黒依は見慣れない小さな後姿を目に留めた。
ランドセルをからったその背中は、どうみても小学生の女の子だった。頭のてっぺんで髪をお団子に結い上げているのが可愛らしい。
何気なくそのぴょこぴょことしたお団子頭に目を向けていると、ふいにどこからか小さな歌声が聞こえてきた。
(……ん?)
幼い女の子の声だ。あたりを小さく見渡してみるが、近くには自分と女の子の姿しかない。となれば……
とぎれとぎれの歌声は、お世辞にも上手とはいえないものだったが――ちょっと外れた音程が逆に愛くるしい。どうやら目の前を歩くこの女の子が一生懸命歌っているのだろう。
歌――それは黒依が何よりも愛するもの。
だからこそ、かわいらしいこの女の子の歌声がとてもに愛おしく耳に響いて、思わず顔をほころばせる。
この辺りには誰もいない……。
勇気を出してお腹から声を出してみたけれど、やっぱり歌をのびやかに歌うのは難しい。
歌詞の途中ではあ、と大きなため息を着いて、
椎名 あさひ
はランドセルを背負った肩をがっくりと落とした。
(うたうの、やっぱりむずかしいなあ……)
明日は音楽のテスト。音楽は好きだけれど人前で歌うとなれば話はまた別だ。椎名の頭の中は、みんなの前で歌うことへの緊張と不安でいっぱいだった。
「誰もいないのに歌えなくて、みんなの前でちゃんと歌えるかなあ……」
はああ、とため息は途切れない。このまま家に帰ったら、お母さんを心配させてしまうだろう。秋の空はとてもきれいだ。そんなせっかくの青空を見上げてみるものの、椎名の心はいまいちきれいに晴れてくれない。
どうしよう、と思わず川原の土手に座り込んだときだった。
「歌の練習?」
唐突に話しかけられ、椎名はびっくりして顔をあげた。
振り向いた先にいたのは、長い黒髪を伸ばした女の人だった。寝子島高校の制服を着ている。高校生なのだろうか。
「……きいてたの? お姉さん」
きっと聞かれていたのだろう。へたくそだなって思われたのかな。そう考えると恥ずかしくて、思わず泣きそうになってしまう。
「ごめんね。とっても気持ちのいい歌声が聞こえてきたから、つい」
困ったような笑顔を見せると、女の人は椎名の隣に腰掛けた。
「気持ちのいい? あさひの歌が?」
「ええ。とてもいい声だったわ」
不安そうな顔をみせる椎名に、女の人――黒依は優しくほほえんでみせた。
「でも、あさひぜんぜん上手にうたえないよ? 声も出ないし、音もずれちゃうの」
うつむきながら言う椎名。
「明日テストなのに、これじゃみんなの前で恥ずかしい思いしちゃうよ」
なるほど、としょんぼり沈むそのお団子頭を見ながら黒依は思った。
小学生には小学生なりの悩みが、世界があるのだ。この時期の子どもたちが、能天気そうに見えてどれだけ繊細か――自分も通ってきた道である。
ありのまま歌えば大丈夫、思いを込めればきっといい歌になる。
たとえ小学生相手とはいえ、そんな適当でなんの根拠もない慰めを口にするほど黒依は感情的な性格ではなかった。
椎名に向き直ると、ごほん、と咳払いをひとつ。
「じゃあね、私が上手に歌を歌えるコツを教えてあげる」
「え? ……ホント?」
希望を見つけたような椎名の顔に、黒依はうなずいてみせた。
「ええ。実はね、私もずっと歌の練習をしているの。歌を上手に歌うコツ――それはまずしっかり声を出すことよ」
あー、と黒依は発声練習のような、よく通る声を出した。
「で、でも……あさひ、声もうまくでないの」
「そうね。ほとんどの人はそうなの。だから、まずは声を出す練習から始めるのよ」
大きく息を吸って、お腹から声を出す。
「……こんな感じ?」
「ええ、うまいわ。まずはそうやって喉を慣らすの」
何度か続けているうちに、たしかに喉が開いたような感覚になる。
誰もいない川原で声を張り上げる2人。
(ひとりだったら恥ずかしかったけど、お姉さんと一緒ならへいき!)
しだいに声が通るようになってからは、あれほど沈んでいるようだった空もきれいに見えた。
これで明日のテストも大丈夫かな。きれいになった空を見上げて、椎名は更に声を出すべく大きく息を吸い込んだ。
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3人まで
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日常
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30人
参加キャラクター数
30人
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2015年02月02日
参加申し込みの期限
2015年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月09日 11時00分
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