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第二章「彼女の居場所」
~参道商店街~
腕を組み、仲睦まじそうに歩く二人。
その雰囲気は温かなものであり、夜の冷たさなど吹き飛ばしてしまうかの様に見えた。
「へっへー、完璧なかっぽぉだよねっ」
腕に引っ付き、笑顔で見上げる
桜庭 円
の顔を見て
御剣 刀
は少し可愛いなと思ってしまう。
「そ、そうだな……これならきっと誘き出されてくれるかもしれないな」
円の胸が彼の腕に触れ、意識しないようにしているのだが、微かに香る円の香りがそれを許さない。
(い、いかん。幽霊を探さなくては……色んな意味で持ちそうにないな)
周囲の気配を探ると、ふと人の気配がある事に気づく。
最初は同じく幽霊を探している者達なのだろうと思ったのだが、そうではないようだ。
少し異質な気配が混ざっている、とでもいえばいいのだろうか。
「桜庭、向こうに妙な気配を感じる。行ってみようっ!」
「あ、うん。わかったっ」
円の手を引いて、刀は路地の奥へと入っていく。
そこは薄暗く、人が好んで通りそうな場所ではなかった。
夜の暗さも手伝って、寒い風が通るその場所はこの世ならざる場所のようにも感じる。
二人の視線の先に霊に組み敷かれている真理が見えた。
首を絞める腕を必死に引き剥がそうとしているが、力の差があるのか一向にその手が離れる気配はない。
「あれはっ! まずい、助けるぞ!」
刀は持っていた木刀を抜き放つと、脳裏に撃鉄が落ちるイメージを描く。
それが落ちると同時に彼は撃ち出された銃弾の様に加速した。
高速で真っ直ぐに放たれた刀の突きが霊の横っ腹にめり込む。
その衝撃で霊は吹っ飛び、腕の攻めから解放された真理は咳き込んだ。
「げほっげほっ……」
「……大丈夫か?」
何かを言おうとする真理であったが、体力の限界だったのかそのまま意識を失ってしまう。
彼女を優しく横たえると刀は幽霊に向き直った。
「ねぇ、何があったの? その眼は……どうしたの? よければはなし――」
会話を試みた円の方を見詰める霊。
霊は急激に距離を詰め、彼女に手を伸ばして――――その首を絞めた。
「がっ、うっ……」
ぎりぎりと締め上げるその手はとても力が強く、円が必死に腕に力を込めても引き剥がすことは難しい。
意識を刈り取られそうになりながらも彼女は必死に問い掛けた。
「こ、んな、なん……で?」
その問いかけに霊は答えない。ただ空虚な瞳でじっと円を見詰めているだけ。
その瞳には何もない。悲しみも。怒りもない。ただの空虚な穴。
首を絞められ、その恐怖の表情で見つめられているのに円には恐怖心は不思議となかった。
(どうして、聞いてくれないのかな……? どうしたらこの人にぼくの声が届くんだろ)
そうしている間にも彼女の意識は朦朧とし、思考が鈍化していく。
なぜ聞いてくれないの? なぜ、首を絞められてるの……?
問い掛けても空虚なその瞳は答えない。
ただ、ただ、じっと円の瞳を見つめ……その首を締め上げている。
「……桜庭を離せっ!」
振り被った刀の木刀が加速し、霊の腹部を打ち払った。くの字に曲がった霊は少し後方に跳んで着地する。
霊から守る様に刀は円の前に立つ。木刀を中段に構えると、背中を向けたまま言葉を放つ。
「桜庭、大丈夫か?」
「ごほっ……ん、なんとか……」
「あの状態じゃ、話し合うのは……」
「うん。残念だけど……そうみたいだね。あ、よかったらこれ使って」
咳き込む円から手渡されたのはペットボトルに入った水であった。
それを刀は手に取り眺めた。何の変哲もない水に見える。
「これは?」
「えとね、朝に落神神社で汲んできたお水だよ。神社のお水だし、効果あるかなって思って」
――なるほど。それならば効果があるかもしれない。
そう思い、彼はペットボトルの蓋を開け中の水を木刀に振りかけた。
(先程からダメージは与えているが、どうにも効果的とまではいっていない……少しは効果が出るといいが)
下段に木刀を構え、霊に向かって刀は走り込む。加速した彼の動きは霊が反応する前の攻撃を可能とした。
放たれた打撃を右腕で受けると、霊はぎろりと刀を睨み付ける。腕からは煙が立っていた。
(効いているっ! これなら――ッ!)
直後、不可視の打撃が彼の身体を襲う。咄嗟に木刀を盾代わりにして彼は踏み止まった。
霊の腕から続けざまに放たれた数発の不可視の打撃を刀は辛うじて木刀で捌く。
高速で動く木刀の打撃と不可視の打撃が衝突し、辺りの空気を振動させた。
(空間の揺らめきを見極めれば防げないことはないが、これでは近づけないな)
「じゃあ、攻撃は私に任せてよー。御剣くん、防御の方はよろしくー」
そう言って霊に向かったのは
三ヶ島 葵
。彼女はデジカメを構えると、霊に合わせる。
距離を上手く計りながら彼女はまずは一枚と撮影。フラッシュの光と共に霊は怯んだように後ずさった。
「おお、効いてるねー。この調子で撮影会しちゃおうかなー」
霊はターゲットを葵に切り替えたようで、刀や円には見向きもせず不可視の打撃を葵に放った。
その間に割り込んだ刀はタイミングを合わせる様に木刀を振るい、その打撃を無効化する。
「悪い、撮影の邪魔をさせるわけにはいかないんだ」
攻撃に対する心配を完全に意識から除外した葵は霊の撮影に集中、即座に数枚を激写した。
苦しむような素振りを見せた霊へ着実にダメージを重ねていく。
確実にその体力を奪っている様ではあるが、まだ足りない。
「しぶといなー、もう、大技狙いでいくしかないかー」
そう言って刀に下がる様に言うと、葵は霊の攻撃のタイミングを狙った。
霊が攻撃を放つ瞬間、彼女は撮影する。フラッシュの光が放たれ、大きく後ろに後ずさった霊に対し、
追い打ちをかける様に一枚、また一枚と撮影する。
撮影され続けた霊は一際大きくもがき苦しむと、地面に吸い込まれるようにして消滅した。
辛くも霊を退けた三人は倒れた真理を助け起こし、その場を後にしていく。
真理は刀に背負われ三人の話をおぼろげに聞いていたが結局、最後まで誰に助けられたかは
わからずじまいであった。
夜の闇に支配された町中に一人の青年と一人の年配の男性が立っている。
二人は飲み物片手に何か話し込んでいるようだ。
「商店街の入り口の封鎖、人の誘導などは粗方完了いたしましたな」
「そうですね、これで無関係な人が巻き込まれる心配はありません。ご尽力ありがとうございます」
そういう青年――
八神 修
に対し、
立井 正二
はほっほっほと笑って返した。
いかにも温厚そうなお爺様である。人のいいオーラが滲み出ているというかそんな感じである。
「いえいえ、私は自分にできることをしたまでです。これ以外は取りえのない爺ですから」
一口持っていた缶コーヒーを口に運ぶ正二は笑顔を絶やさない。
謙虚な所もまた彼の魅力と言える所なのだろう。
八神は缶ジュースを飲むと視線を落とし、思案する。
(……各所からの報告によると霊との遭遇は起きているらしいが、件の幽霊の姿を見た者はいない……
となると、隠れているのか……それとも、こちらの出方を窺っている……?)
「どうされましたかな? 何か心配事でも?」
そう正二に声を掛けられ、はっとする。自分でも気づかない内に険しい表情をしていたのかもしれない。
八神はできるだけ平静を保ちながら、正二の問いに答えた。
「ええ、まあ。あと一手……一手さえ動けば、事態は直ぐに収束できるのですが、それがなかなか」
「焦らぬが吉、と言う事ですな」
「え?」
「将棋では焦って一手先を読み違えると、どんなに優勢でも覆されてしまう事があります。
物事や状況もそれと同じ。焦ってもいい結果は得られません。待つ事も、時には重要だと思いますよ」
正二の説得力のある言葉を聞いて、幾分か気持ちが落ち着いた八神は報告を待つことにした。
「そうですね……焦らず、待ってみましょうか」
そういって八神は缶ジュースの残りを口へと運んだ。
商店街の路地裏を手を繋いで仲睦まじく歩く二人組。
その様子はお化け屋敷に入ったカップルの様なそんな若々しい印象を受ける。
「ねぇ、なぎさ。幽霊って信じるかい?」
新井 いたご
はしっかりと自分の手を握る妻、
新井 なぎさ
へと問いかけた。
懐中電灯を道の先へ向けながらなぎさはその問いに答える。
「そうね、いるとは思うわ。怖い人ばかりじゃなければいいなぁって思うけど……」
いたごの手を握るなぎさの手が微かに震えた。口調は平静だが、怖いのだろう。
無理もない。時刻は夜中の二時過ぎ。いつも通りの風景とはいえ、人通りのない路地裏である。
少しも恐怖心を持たないという方が無理というものだ。
いたごは強くなぎさの手を握りなおす。その感触に安心したのかなぎさもその手を握り返した。
「うん、大丈夫。怖い人ばかりじゃないさ、きっとね。それに……ボクだって死んだらなると思うから」
「え、どうして……?」
「だって、なぎさと子供達を置いていけないからね、すごく心配で毎日でも様子を見に来ちゃうよ」
なぎさの方を見ていたごは柔らかな笑顔のまま答える
「でも、大丈夫……なぎさと子供達を置いて先に逝ったりはしない。だから、安心してね」
強く手を握り締め、ウインクを飛ばす最愛の旦那様になぎさは柔らかな笑顔を返した。
懐中電灯の二本の光が路地裏を照らす。
何もいない……ように思われたが、光は揺らめく何かを捉えた。
「ね、ね。いたごさん、あれ何かしら……?」
なぎさが服の裾を引っ張りながら妖しい場所を懐中電灯の光で指し示す。
そこには男性の霊が立っていた。
悲しそうな表情をしており、見た感じでは敵意があるようには思えない。
意を決して近づいてみると二人に声が聞こえてくる。
喉や口から発せられた声ではない。二人の脳裏に直接響いていくるようだった。
「捨てたんだ……捨てたんだ……ボクは、ボクは……あの子を……」
次の瞬間、二人の脳裏に情景が浮かぶ。
深い森の中……大きな木、そして悲しき男の子の表情……色んなイメージが二人に流れ込んだ。
深い後悔、深い悲しみ、取り返しのつかないことをしてしまったという罪の意識。
すべてのイメージが終わった時、二人は自然と涙を流していた。
「あ、れ? さっきの……男の人は?」
先程までいたはずの男性が目の前から消えている。
懐中電灯で辺りを照らしてその姿を探すが、ついに男性を見つけることはできなかった。
「今のは……なんだったの?」
「あの人の、想いってやつだったんじゃないかな……きっと誰かに聞いて欲しかったんだよ」
「とても、悲しい……想いだったね……」
少し時間が立ち、落ち着きを取り戻した二人は携帯を取り出して連絡をする。
携帯を操作し、程なくしてどこかへと電話が繋がった。
「あ、はい、なぎさです。八神さんですか? ええ、ええ……こちらは大丈夫です。実は今――――」
――参道商店街の夜道。
街灯があるとはいえ時間も手伝って辺りは薄暗く見通しもあまりいいとは言えない。
そんな場所を一人の女性が歩いていた。特に周囲を警戒している様子はない。全くもって不用心である。
ふっと彼女の足元に影が落ちた。それに反応して彼女は足で対象物の飛来するであろう方向を蹴り上げた。
「がぁっ!?」
小さな呻きを漏らし、ソレは地面へとべしゃりと落ちた。
女性――
獅子島 市子
はソレを地面に縫い止める様に容赦なく踏みつける。
足に体重を掛けると仮面を付けたソレ――
灯 斗南
は呻きを上げながら弁解を始めた。
「幽霊の前に通り魔すか、あーめんどくさい……」
「ま、待ってごふっ……ぐぅあ、ちが、違うん……だっ!」
「……ちげーの?」
「ちが、うっ! と、とりあえず……足をどけ、て……ッ」
市子が足をどけると襲撃者である仮面の男……斗南は事情を説明し始めた。
彼によると幽霊と間違えて攻撃してしまったらしい。
一生懸命謝る彼の姿を見て彼女は一つ提案を申し出る。
「……いい事思いついたんだ。勘違いした落とし前に手貸せ、ピエロ野郎」
そのやり取りを影から身を隠してみている者がいた。
カメラを構えたその人物――
雨垂 ミゾレ
はほくそ笑みながらシャッターを切る。
「へへっ……張り込んでたら上手く引っかかってくれたな。あいつらの後をついていけば、
苦労せずとも商店街の奴らに恩を売るネタを掴めそうだ……くっくっく」
下卑た笑いを浮かべ、いかにもな悪だくみを想定するミゾレ。
「しっかし、あの姉ちゃん……体つきはいいが実におっかねぇ。口説かなくて正解だぜ」
カメラのフィルムを交換しながらミゾレは市子に対する感想を述べる。
そんな彼の肩を誰かが叩く。ミゾレは肩を軽く振ってそれを振り払う。
「商店街ってのは情報の行き交う場所だ。そこの連中に恩を売っておくのは悪い事じゃねぇ」
再び肩が叩かれる。振り払う。叩かれる。振り払う。
そんな事を数回続けた頃、どうやらそろそろ我慢が出来なくなったらしく、ミゾレは振り向いた。
「さっきからァなんなん――――ッッ!?」
彼は戦慄した。目の前には四つん這いの体勢で彼の肩に手を乗せる女性がいたのだ。
腰は悩ましくくびれ、少し開かれたシャツの隙間からは魅惑の果実。
しかし、彼はその何所にも視線はいかなかった。なぜなら。
彼女には瞳がなかったからである……暗い穴が顔にに二つ空いている。ただそれだけ。
それを見るミゾレは見る見るうちに顔が青ざめ、嫌な汗が額に滲み出る。
「う、う、うああああああああああああッ!!」
肩に置かれた手を振り払い彼はすぐさま立ち上がって走り出す。
カメラを落とし、ぐしゃりと踏みつけたのも気づかずに。
後には首を傾げて壊れたカメラを不思議そうに見つめる霊が一人残された。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月06日
参加申し込みの期限
2014年03月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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