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怪奇! 商店街の幽霊ッッ!!
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第四章「ヒトカタノオモイ」
~参道商店街~
商店街を歩く二人組。
女性の方はそうでもないのだが、男性の方がどうもぎこちない。
場馴れしていない動きといえばいいのだろうか。ロボットの様にカクカクした動きである。
それもそのはず。男性の方――斗南はそういう場面に慣れていないからであった。
加えてその豊満な身体を惜しげもなくくっつかせる市子の未知の感触に
斗南の心臓の鼓動は早くなるばかり。
(わっわっ、偽装カップルの恋人役ていっても、ここまでするもんなのかっ)
斗南の異変を察知したのか、市子が斗南の顔を覗き込む。上目遣いの実にベストなアングルである。
「なに、固まってんの?」
「いやいや、その別にっ……なんでもないっ」
顔を赤面させる斗南の様子に市子が溜め息をつく。
「はぁ……まったく、しょーがねー」
斗南の顔を引き寄せ、彼の唇に彼女の唇が近づく。
(なっ――これはアレか、デートにはつ、つきものという……あの!)
目を瞑り覚悟を決めた斗南の口に何かが触れた。それはゆっくりと彼の口の中に入り、甘い香りを伝える。
舌の上でその味を堪能し――――と、ここでその固形物の正体に気づく。
それは甘い甘い、飴玉であった。
「どーよ? 落ち着いたか。頼むぜ、オイ」
そのタイミングで二人に連絡が入った。ニャカイプのチャットのようだ。
八神からのチャットで二人に幽霊の場所が知らされる。
お互いの顔を見て頷いた二人は急いでその場所へと走った。
幽霊と真央、七星が対峙してからどのくらい経っただろうか。
八神が合流し彼の指示で戦う様になって幾分か危険は減ったが、今だ油断ができない状況なのは変わりない。
跳躍して後方に下がり、真央は肩で息しながら水鉄砲のカートリッジを交換する。
七星に比べ、跳んで、走って、跳ねてと動き回りながら戦う真央の消耗は激しかった。
更に七星も持ってきた矢の三分の二は撃ち尽くし、そろそろ矢が切れそうな状態である。
「なかなかに、はぁはぁ……きっついのだっ」
「そうですね。此方の矢も底が見えてきてしまいましたし、もう無駄撃ちはできません」
「あと少し、あと少しできっと彼らが到着する……それまで何とか持ち堪えてくれ」
「はい。あと少し……もうひと頑張りですね!」
二人が気合を入れ直したのも束の間、幽霊は言葉を放った。
「マッテ……イカナイデ……オイテ、イカナイデエエエエエエエエエエッッ!」
放たれた負の感情の波が三人を襲う。
「あ、あああ……」
「く、これ、は……」
深い悲しみが次第に心を支配し、立っている事すら難しくなっていった。
膝を付き、武器を持つ腕に力が入らない。幽霊の自嘲にも思える悲しい笑い声が頭に響く。
微笑を浮かべた幽霊がゆっくりと近づいてくる。
このままではまずい、そう思った時――三人の間を何者かが走り抜けた。
「あとは任せろっ!」
斗南が放たれ続ける負の波に突っ込んでいく。
三人と同じように悲しき負の感情が彼を襲うが……その反応は三人とは違っていた。
「置いていかれたのが悲しい、二人でいる奴がうらやましい。理由は分かった。
……だがな、それが無関係な人間を巻き込んでいい理由にはならない! ふざけるなぁぁぁーーッッ!!」
走りながら彼は念じて自らの掌底に炎を生じさせる。そのまま捻る様に掌底を打ち込んだ。
掌底は打ち込まれたのと同時に激しい炎が幽霊を包む――が、致命傷には至らなかった。
跳躍して距離を取った斗南は舌打ちする。
「ッ……浅いか。なら――」
「炎の。策がある……黙って乗れ」
後から到着した市子は斗南の炎の効果を見て、ただの炎では焼き尽くすことはできないと判断した。
「いいか。あたしの炎は浄化の力を持つ。だが残念なことにそこまで単体の火力は強くない……
だから、お前の炎と合わせる。あたしの合図で火を付けろ……いいな?」
「それは構わないが、そう大人しくしててくれるのか? あの幽霊は」
斗南は幽霊の方を見る。幽霊はこちらにゆっくりと近づいており、待ってくれる様子は微塵もない。
「それなら、こっちに任せるのだっ!」
「ええ、あと少しの時間稼ぎくらいやってみせます」
精神攻撃から立ち直った真央と七星が武器を構え、斗南と市子の前に出る。
幽霊に向かって走る真央を援護するように七星の矢が放たれた。
矢を避ける様に横に移動した幽霊を真央の強力水鉄砲の一撃が襲う。
攻撃の速度を上げた真央と七星の二人によって幽霊は一時的ではあるが、一切の行動を封じられた。
「よし、今の内だ。火を付けろ、炎の」
「わかった……」
斗南が念じると赤い炎が掌に生じる。
市子がその手を取り、目を閉じて静かに念を込めた。
赤く揺らめく炎が下部の方から次第に金色の炎へと変わっていく。
全ての色が金色へと変化した炎は眩い光を放つ。金色の炎……それは浄化の炎であった。
「あたしのできんのはここまでだ。あとは炎の、あんたに掛かってる――任せたよ」
「ああ……終わらせてやる。この事件も。あの幽霊の悲しみも……全部な」
金色の炎を右手に宿らせた斗南が幽霊と対峙する。
彼を近づけまいと放たれる不可視の衝撃を巧みに躱し、斗南はその距離を詰めていった。
幽霊が腕を振り被り一際大きな不可視の衝撃を放つ。
それをスライディングして躱すと斗南は即座に重心を移動させる。
狙いをつけ、金色の炎を下から突き上げる様に幽霊の胸へと打ち込んだ。
直後、金色の炎の柱が天を衝く様に幽霊の足元から吹き出す。
八神がその炎の中に人形を投げ入れた。人形は焼かれ、次第にその形を失っていく。
そして、浄化の炎に焼かれていく彼女の想いが……その場に拡散した。
彼女はある男の子に所持された人形だった。
物心がついた頃にプレゼントされ、男の子はとても大事に彼女を扱った。
寝る時も、ご飯を食べる時も一緒だった。
彼の成長と共に、彼のすべてを彼女は見てきたのである。
彼女はいつしか自我を持ち、大切に扱ってくれる彼に思いを寄せていった。
だが、報われない思いであることを彼女は知っている。自分は人形。彼は人。
声を届けようにも――その声は届かない。
だが、彼女は悲しまなかった。大切な彼に扱ってもらえるだけで幸せだったから。
そんなある日、彼女は彼が恋している事を知る。
自分とは違う人の女の子であった。
彼女は迷ったが、彼が幸せになるのならと応援することを決めた。
しかし彼の好きになった女の子は彼の部屋に彼女がいることを快く思わなかった。
人形を大切にしている、ということは年端もいかぬ少女にとっていい気分ではなかったのだろう。
彼女はこのままでは彼があの子に嫌われてしまうと思った。
自分を手放せばいいだけの話だが、優しい彼が自分を捨てられないことを彼女は理解していた。
それ故に彼女は一芝居打つことにしたのだった。
夜中、二時過ぎ。
彼女は自らの意思で歩き、彼の両親の枕元に刃物を突き立てた。
勿論当たらないように、怪我をさせないように細心の注意を払った。
その姿を見た両親は彼女の狙い通り悲鳴を上げたのである。
後日、両親は高名な霊媒師に依頼し、彼女を九夜山の木の根元に埋めた。
彼女の上には封印の呪が施された木の棒が突き立てられ、全てが終わるはずだった。
これでよかったのだ、彼が笑って過ごせるなら。それでいい。
だが、薄れゆく意識の中で……彼の悲しそうな顔を見た時、諦めていたはずの想いが溢れたのである。
もっと一緒にいたい。置いていかないでほしい。ああ、この声が聞こえるならば。どうか。どうか。
去りゆく彼とその傍らにいる女の子。その後ろ姿を見て、彼女の意識は闇に落ちていく。
待って。行かないで。待って待って。我慢できなくなった想いの声はいつまでも彼女の中に木霊した。
年月が経ち、彼女を封印する呪がその効力を失った。
長い封印の影響か、思念体となって顕現した彼女の意識には過去の記憶はほとんど残っていなかった。
あるのは大切な誰かを求める想い。だが、それが誰なのか思い出すことはできなかった。
そして今、全ての記憶を取り戻した彼女は浄化の炎に焼かれ本当の意味で終わろうとしている。
彼女は思う。あの人に……謝りたい。こんなことをしてしまった自分を彼は許してくれるだろうか。
誰かに呼ばれた気がして彼女は顔を上げる。
そこには彼がいた。彼は微笑みながら彼女を抱き締めた。
彼女の瞳から涙が溢れ、彼女もまた彼を抱き締める。
二人は金色の浄化の炎に焼かれ、静かに、安らかに消えていった。
「なんとか、間に合ったみたいだね」
長い木の板を小脇に抱えるいたごが八神に言う。
「ええ、やはり彼女は彼に会う必要がありましたからね。最後くらい安らかにさせてあげたかったんです」
八神に指示されたいたごは、彼女の持ち主であった男性の墓を訪れ付いて来てくれるように頼んだのだった。
一度会っているからか、霊感の無いいたごにも男性の姿を確認する事が出来たのである。
快く承諾してくれた彼を連れ、いたごは光る金色の柱目掛けて飛んできたのであった。
こうして参道商店街を襲った一連の事件は幕を閉じたのである。
終章「そして、これから」
~寝子島神社~
日が高く昇る昼時。
寝子島神社は集まった人々で賑わっていた。
神社の境内には屋台が並び、それは外までも続いている。
しかし人々の目当ては屋台だけではない。
境内で神社に奉納される神楽舞。それも一つの見所となって人々を集めていた。
事態が収束を見せ、もう大丈夫であるという事と、建前上のお祓いと祈祷も兼ねて神楽舞は行われる。
境内の中心に特設された舞の舞台の袖で正二と
御鏡 聖
が話している。
「無事に事態が収束して良かったです。これで皆さんも安心して下さいますよね」
巫女服に身を包み、神楽舞用の装飾を付けた聖は正二へとそう言った。
正二はほっほっほと笑いながらそれに答える。
「そうですな。しっかりとこうしてお祓いと祈祷も兼ねて、神楽舞を奉納する事で商店街を訪れる
皆様も安心して下さいますでしょうな」
「ええ。精一杯舞わせて頂きますね」
「はい。お願いしますよ」
服装の乱れはないかと最終チェックをする聖がふと気になって正二に尋ねてみる。
「あの……一つ聞いてもいいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「行方不明になっていた方々は……どうなったんでしょう?」
柔らかい笑顔を作りながら正二はその問いに静かに答えた。
「人形の埋まっていた木の近くで行方不明者は全員無事、命に別状なく発見されたそうですな」
それを聞いた聖は安堵し、顔を緩ませた。
「良かった……。なら、もう心配は何もありませんね。あとは神楽舞を成功させれば」
「その通りですな。ただ……」
「ただ……?」
正二は聖の肩を軽く叩く。
「肩に力を入れ過ぎないようにしてください。楽しんで舞う事、それが重要ですよ。
きっと神様も楽しい舞の方がお好みでしょうからなぁ」
くすっと笑いを零しながら聖は舞台へと上がっていく。
観客の歓声を一身に浴び、彼女は舞う。
舞う度に装飾が揺れて日光に照らされ、煌びやかに輝いた。
しゃん、しゃん、と不思議な音色が神社の境内に木霊していく。
聖は一生懸命に舞った。
人々の不安を払う様に。そして参道商店街の安全と繁栄を祈りながら。
これ以後、件の幽霊騒ぎがネット上でも言われることは無くなった。
一時期、男の幽霊に追い掛けられた、幽霊が自治会員と追いかけっこをしていた。
幽霊はマンホールの中へと消えていった、等とよくわからない情報が噂されたが、それも一時の物。
時と共に次第に薄れ消えていく。
噂とはそういうものなのかもしれない。
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あとがき
担当マスター:
ウケッキ
ファンレターはマスターページから!
お初の人もそうでない人もこんにちわ、ウケッキです。
まだまだ未熟な所はあるかと思いますが、
どうか生温かい目でぬるーく見守っていっていただけると助かります。
そしてシナリオについてです。
今回は幽霊騒ぎを書かせて頂きました。
自分なりにホラー要素などを初めて入れてみたのですが、
いかがだったでしょうか。
楽しんで読んでいただけたら幸いです。
では、今回はこの辺で。
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月06日
参加申し込みの期限
2014年03月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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