this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
『跪いて、崇めよ』
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
15
つぎへ >>
ロベルト・エメリヤノフ
は去っていく
獅子目 悠月
の背を眺めて、ひっそりと愚痴をこぼした。
「僕に歌の才能があればよかったのに!」
歌の才能があれば、きっと悠月を引き止めることができただろう。彼の隣に立つハスキーボイスの彼を妬みながら、今日の寝床へと向かった。
ロベルトは毎晩毎晩知り合いの家を転々としている。当然他人の家に上がり込むことに慣れているが、彼の親しい友人もまた、彼を家に上げるのに慣れていた。
今日、彼を泊めてくれる友人は、ロベルトがやってくるなりどこかへ出かけていってしまった。
だからといってロベルトに留守を任せたわけでもなく「外に出るなら鍵を閉めていって欲しい」という伝言と予備の鍵を残して去っていった。
ロベルトは知人を見送ってからしばらくは大人しく暇をつぶしていた。
(悠月は練習で忙しいし、昔理想だった智也も成長しちゃって……)
けれど鬱々とするばかりで、時間はちっとも経ってくれない。
(はぁ……でもなんか、今日は昔の夢に浸りたいかも)
絵を描く気にもなれない。
そうして気晴らしのために、ロベルトはドレスと――電話に手を伸ばした。
それから三十分ほど経過して、その家に来客があった。
インターフォンのモニターで誰が来たのかを確認してから、ロベルトは玄関に向かう。
そして扉を開けるのとほぼ同時に、来客者に不満をぶつけた。
「遅い、コルセット締めんの手伝って」
出会い頭にそんなことを言われては来客者――
千種 智也
が溜め息をつきたくなるのは仕方がないことだろう。
鮮やかな紅瞳にはハッキリと呆れが浮かんでいて、喚び出した本人でさえ、他人にこんな風に呼び出されれば呆れるか怒るかの二択だろうと思う。
だからといって智也はそこで踵を返したりはしない。呆れを隠さずともそのまま部屋に上がり、ロベルトの望むようにコルセットを閉めてくれた。
コルセットさえ手伝ってもらえれば後は自分でどうとでもなる。
「ありがと」
と素っ気なくお礼を告げて、ロベルトはいそいそと服を着替えて、化粧を施す。
その間中、智也は帰ることもちょっかいを出してくることもなく、ただじっとロベルトを見守っていた。
ロベルトが仕上げにウィッグを被ったところで、ようやく智也は口を開いた。
「ゴスロリにその髪……原宿とかに居そうだな」
雑なお礼に対してのコメントはない。智也は自らも手伝っておいて、他人事のように感想を述べるだけだった。
ロベルトはそれについても別に何も思わない。
ただ気怠そうに話す今の智也の中に、ロベルトにとって生きた理想だった頃の面影を探していた。
「はぁ……それにしても」
乾いた空気に、智也のじっとりとした溜め息が紛れ込む。
彼の視線の先にあるのは、ロベルトの太腿。
「どうかした?」
「……なんでもねぇよ」
なにかおかしなところでもあったのだろうかと思って首を傾げるが、智也はまともに答えてはくれなかった。
それでもいい。今日智也を呼んだのは、退屈を紛らわせるためなんてつまらない理由ではないのだから。
「智也、いいだろ?」
「またか? もうやめろよ……」
ロベルトが本題を濁して伝えると、智也はすべてを察したようだった。
一応形だけの抗議をして見せるが、そんな言葉だけでやめるほどロベルトが『軽症』でないことは彼もよくよくわかっているはずだ。
だからこそロベルトはわざわざ返事はしない。
「はぁ……」
何度めかわからない溜め息が、智也の口からこぼれ落ちた。それがひどく消極的な肯定だと、ロベルトは知っている。
ロベルトはにっこりと微笑んでから、智也の頬に手を伸ばした。
(僕の理想の美少年に……)
ロベルトが白い五指を伸ばしても、智也は逃げもせず、目を瞑り耐えるよう唇を結んだ。
触れた頬には思春期らしい油分が滲んでいた。けれど次第にふっくらと柔らかい、幼い肌へと変化した。
「できたよ」
声を掛けると、智也の肩がびくりと跳ねる。背の高さも肩の高さはあまり変わらないが、いくらか線が細くなっていた。
恐る恐る開かれた目も硝子のように透き通っていて、ロベルトは満足げに頷く。
「……じゃ、買い物に行こうか」
まだ表情の硬い智也の手を取り、外へ向かう。
「ロベ――」
「違うよ。今はスカラムーシュ」
訂正すると、それ以上智也は何も言ってはこない。
けれど赤みがかった柔らかい髪が、生命力に溢れた赤い瞳が淋しげに何かを訴えかける。
それらすべてを都合の良いフィルターに掛けて、ロベルトはスカラムーシュの夢を見る。
駅前は仕事帰りの人間や学校帰りの人間で溢れかえっていた。そんな中にロベルトは気にせず足を踏み入れる。
あちこちから視線を感じた。奇異の眼差しを向けるものもいれば、羨望の眼差しを向けるもあった。
そのどれもを気ままに楽しみ、ロベルトは黒いスカートを翻す。
智也はまわりの視線から逃げるように俯いたり、ロベルトに時折心配そうな目を向けたり、なかなか忙しそうだった。
そのくるくると変わる表情さえも、ロベルトにとって堪らない。
正面から堂々と眺めたかと思えば、今度はショーウィンドウ越しに眺めてみたり。
買い物はついで。存分に今の智也を愛でていると、向かい側から歩いてくる男性がぶつかってきた。
「す、すみません」
(あ……)
鴻上 彰尋
は平謝りをしているが、どうやらロベルトの正体には気が付いていないようだった。
(あーそういえば、この格好で会うのは初めてだっけ。
正体バレないようにしないと)
そうは思うものの、遠慮がちにけれど大胆に足に注がれる視線に気が付いてしまった。
ロベルトの嗜虐心に火がついた。
「……こういうの、好きなの?」
意地悪く微笑むと、スカートの裾を掴みそのままひらりとめくり上げた。
「な、だッ!」
彰尋は言葉にならない悲鳴を上げて、慌ててロベルトの手を取り押さえる。
「す、すみません。でもそういうのはその、刺激が強いので……」
目も合わせず、足もできる限り見ないようにして必死に説明する彼は――言ってしまえば面白かった。
自分の姿を見て、耳まで、マフラーから覗く首筋までを赤くしているのだ。
ロベルトの脆い自尊心が満たされていく。
「あの、弟さんも、す、すみません」
「あ、いえ……大丈夫なんで」
彰尋は隣に立つ智也にも頭を下げた。『弟』と呼ばれた智也は何食わぬ顔をして対応しているが、その後に向けられた視線が彼の不満を物語っている。
(……ふーん、弟って言われると不満なんだ)
ロベルトは二人を煽り立てるように微笑んで見せる。
思惑通り、彰尋は慌てふためいて去っていき、智也は苛立った様子で目を逸らした。
「行っちゃったね」
「……そりゃ、そうだろ」
智也はそっぽを向いたままつれない返事を寄越した。
その態度さえ可愛らしいと思ったが、彼の横顔には、ただ可愛いと愛でる心よりも意地悪心を増幅させる魅力があった。
「ね、僕の足って綺麗だと思う?」
智也にも聞こえるように、少し大きな声で尋ねる。
するとその声に釣られてロベルトの足を見た通行人の男が「あ、綺麗だな」と呟き、そしてその場に跪き、ロベルトの足にすがった。
「はぁ!? キモい……!」
「へッ?」
思わぬ変態の登場で、ロベルトの夢は脆くも崩れ去ってしまう。
せっかく満喫していたというのに――不満をぶつけるように、尖ったヒールで男を踏みつける。
「ぎゃッ!」
男の汚い悲鳴を聞いて、ますますロベルトは不満を募らせた。
そんなものいらない。求めているのは夢なのに……。
とても二度蹴りつける気になれない。
男の手が緩んだところで、そそくさとその場を立ち去り、しっかりと離れたところで智也をまじまじと眺める。
髪も目も肌も造形も。すべてが理想で美しい。
取り戻した平穏を前に、ロベルトの表情がだらしなく緩んでいく。
「……お前はああなるなよ」
虚を突かれた。思ってもいなかった鋭い言葉にロベルトは口をつぐむ。
平静を取り戻すのにはあまり時間はかからなかった。
けれど落ち着いて考えたところで智也が発した言葉の真意はわからない。切実なようにも、冗談半分のようにも聞こえた。
しばしの睨み合いの末――
「さて、買い物の続きをしようか」
結局ロベルトは質問には答えず、夢を続きを見るだけだった。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
15
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
『跪いて、崇めよ』
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月13日
参加申し込みの期限
2017年01月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!