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親父の気まぐれ鯛焼き ロシアンルーレット風味~潮風を添えて~
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【鯛焼き職人の苦悩】
真正面に寝子ヶ浜海岸を臨む、潮風香る一角に。いつものように、その鯛焼き屋はあった。
神無月 ひふみ
にとっては、幾度も目にして馴染んだ店構え、ではあったが。
「うわぁ……本当に混んでるわね」
今日の店先は、これまでに彼女が見たことの無い賑わいを見せていた。老若男女、様々な年代が店先に集い、こぞって鯛焼きを買い求め、ぱくりとかぶりついては……一喜一憂。実に、十人十色のリアクションを披露している。
「やっぱりみんな、気になってたんだねー。同じように作ってるのに、毎回違う味の鯛焼きなんて、すっごいもんね」
「うん、ぼくも興味津々だよ。楽しみだなあ」
ひふみと連れ立ってやってきた
岡野 丸美
、
神野 マキナ
もまた、噂を聞きつけてやってきた口だ。
店の中を見てみれば、老年の店主が何やら苦悩の表情を浮かべつつ、いつにない繁盛にてんてこまいになっている。
主にねこったーを通じて、広く拡散したその噂。この店の主である職人、板谷 喜三也の焼く鯛焼きの味が、キャリア55年の今となって、突如として変化したというのである。それも、そんじょそこらの変わりようでは無い。
見た目はごく普通の鯛焼きである。長い年月を経てもこだわり続け、そして愛され続けた、変わらない逸品。しかし、ひとたびそれを齧ってみれば……口の中に広がるのは餡子の優しい甘みでは無く、なぜか、容赦の無い激辛カレー味なのである。
毎度同じ作り方、同じ材料で、毎度激辛カレー味になるのならば、まだ良かった。板谷も、
「……解せぬ……」
なんて嘆きつつ、あれほどの苦渋を表情に滲ませずに済んだに違いない。だが、事はそうは収まらなかった。
変わってしまうのである。味が。毎回。同じ材料、同じレシピで、55年間に渡って焼き続けた同じ鯛焼きであるはずなのに。
そのバリエーションは挙げればまさにキリが無く、マンゴー味、巨峰味、にんにく味、沢庵味に鯖の味噌煮味など、そのあたりはまだいい。味はともかく、誰でも食べられる。が、時には先の激辛カレーや、思わず口をすぼめる超すっぱい梅干味とか、あまりにも苦い100%ビターチョコレート味とか。人によってはちょっとごめんなさい、遠慮しておきます。といった具合のものが前触れ無く、ガツンと客の味覚を強襲するものだから、板谷はすっかり困り果てているらしいのだ。
「こんにちは、お爺さん。何だか大変そうだって聞いて、来てみたわ」
「ああ、こりゃ、お嬢さん……せっかく来てもらって悪いんだが、ご覧の有様でしてね」
常連客であるというひふみが声をかけると、板谷はいつものように笑顔を浮かべることもなく。年季の入った皺だらけの顔は、いつもの三割り増しくらいに険しく見えた。
味はさておき、あたりに漂う匂いは、まさしく鯛焼きの匂いだ。ほんのり甘いいい香りに、もう辛抱たまらないといった様子の丸美が、
「とりあえずおじさん、鯛焼き三つください!」
「まずは、試食をしてみないとね。できれば、甘いのが当たると良いんだけど」
甘い物には目が無いマキナも、期待に胸を膨らませつつ言う。
注文を受けた板谷は複雑な面持ちながら、うなずき、鯛焼きの金型へ生地を流し込む。じゅう、と食欲をそそる音。その上に、これでもかと特製の餡子を乗せ、生地がある程度焼けてきたら、もう片方の生地でぱたんと挟み込む。板谷がこれまでに、数え切れないほどの回数をこなしてきた、身に染み付くほどの慣れた手捌きだ。
「……どんな味でも、悪く思わんで下さいよ、お嬢さんがた。私にももう、こいつが何味に変わるのか、分かりゃしねえんで」
出来上がり、白い半紙に包まれたほかほかの鯛焼きを、三人娘へ、それぞれに手渡す。一人は馴染みのひふみとあって、板谷の表情は、いよいよもって複雑である。
「それじゃ……いただきまーす!」
元気な丸美の声と共に、ぱくり、一口。
口の中へと広がる味は、餡子の甘さ……では無く。
「あら。これは……生クリームに、ほんのりイチゴの酸味。ショートケーキね! 丸美、そっちは?」
「えっと、何だろ、この苦味。あ、ゴーヤチャンプルー味かな? 神野さんのは何だった?」
「これは、あはは、卵かけごはん味かな! 本当に味が変わるんだね、面白いなあ」
三者三様、実にまとまりのない結果であったが。好みはさておき、そこそこに食べられる味ではあり、ほっと一安心。
が、相変わらずの不本意な味の変化に、
「……やはり、解せぬ。こんな次第でしてね、お嬢さんがた……鯛焼き一筋で、ここまでやってきたが。私ゃもう、店を畳もうかと思って……」
「それはダメよ!」
がっくりと肩を落とす板谷へ、ひふみは強く言う。
もとより、三人娘。にっこりと微笑む彼女らが今日ここへやってきたのは、そんな板谷の力にならんがため、なのである。
「諦めるのはまだ早いわ。まずは、原因を突き止めましょう? 私たちも手伝うし、きっとお爺さんの力になってくれる人は、たくさんいるはずよ。何より……私、このお店のファンなんだもの。無くなってしまったら、寂しいわ」
「お嬢さん……」
力強い言葉に、丸美もうなずく。
「おじさん、試食なら私に任せて、どんどん焼いて! もしかしたら、思いがけないヒット作が生まれるかも知れないわ」
ちょっぴりぽっちゃり、ころころと可愛らしい丸美の意気込みが、実に頼もしい。
「そうだね、食べるのは岡野さんに任せて、ぼくとひふみは調理を手伝おう。親父さん、まずは焼き方から教えてくれるかな?」
持参したエプロンを身につけ、マキナとひふみが横に並ぶと、板谷はそんな彼女らの気遣いと申し出に、じいん。と胸を打たれた様子。
降って湧いたようなこの事態。思いもかけず繁盛してはいるが、鯛焼き一筋55年、鯛焼きに全てを捧げてきた板谷である。そんなイロモノのような扱いは、決して本意では無かった。
諦めかけていた板谷だが……確かに。この若人たちに助けを求めてみるのも、案外悪く無いという気もする。
「……分かったよ、お嬢さんがた。こうなりゃ、とことん付き合ってもらいましょうか。頼りにしてますよ」
「任せて!」
と、話している間にも、引っ切り無しに客はやってくる。
「……あっ、おじさん! 味が変わるのは中身だけよね? だったら、皮だけっていうのはどう? 私、餡の無い生八つ橋とか、好きなんだ~。エアーイン鯛焼き、ミント風味! とか、夏っぽくていいんじゃない? ねえ、これってすごい思いつき!?」
板谷は、がっくりとうつむいた。丸美のせっかくの提案だが、残念ながら、どうやらお気に召さなかったようである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
青丹 よし乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月11日
参加申し込みの期限
2014年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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