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親父の気まぐれ鯛焼き ロシアンルーレット風味~潮風を添えて~
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【つくってたべましょ?】
手伝いに入った面々が板谷に一通りの調理を教わり、自分たちで鯛焼きを焼いてみたところ、分かったことが一つある。
彼女たちが焼いた鯛焼きは、いずれも普通の餡子味だったのだ。職人、板谷が55年かけて培ってきた極致にはちょっとばかり及ばないものの、悪く無い味である。というより、前衛的すぎる板谷の鯛焼きに翻弄される客たちに、その普通の餡子味は、口直しとして大変にありがたがられたりした。
味のギャンブルことランダム鯛焼きと、女の子たちの焼くノーマル鯛焼きとの二本柱で、本日の店の売り上げは、まさにウナギ上りであった。
それはさておき。つまりは問題は、機材やら材料やらではなく、板谷本人にこそあるということだ。
そんな推測がひとまず成り立ったこともあり、
恵御納 夏朝
は、悲壮なくらいの面持ちで必死に焼き続ける板谷の、その手元。一通りの作業工程に注目し、じっと観察を続けていた。
友人と気ままに散歩していたところ、見かけた鯛焼き屋さん。その繁盛振りに、ねこったーで密かに話題となりつつあるお店と分かり、興味を惹かれて立ち寄ったのだが……目の前にあるのは、ちょっとフツウではない光景と、がっくりと肩を落とした店主の、この痛ましい表情である。
夏朝が、板谷と、彼の焼く鯛焼きのフツウを取り戻すため、協力したいと願い出たのも、当然の流れだったのだろう。
「はいよお嬢さん、お待たせ……何が飛び出すか分かりゃしねえんで、気をつけてくださいよ」
「ありがとう、おじいさん……あ。ひとつ、聞いてもいい?」
「何だい?」
疲れた表情の板谷に、夏朝は尋ねた。それは唐突に聞こえて、後々のため、とても重要な質問なのである。
「おじいさん……猫は、好き?」
「たっだいま~なのだー!」
「おかえりなさい、後木さん。あっ、八神君に……こんにちは」
優しい甘口カレー味の鯛焼きを頬張る夏朝の元へ、買出しに出ていた
後木 真央
が戻ってくると。その後ろから姿を見せたのは、
八神 修
と
常闇 月
だった。道すがらに出会い、行き先が同じということで、一緒にやってきたらしい。
「なるほど、これは、噂どおりの混み具合だな」
周囲を見回し、ほう、と嘆息の声をもらす修。意外に甘味好きな彼としては、老舗の鯛焼き屋さんのピンチは人事ではなく、やはりねこったーで噂を確認し、こうして解決のためにやってきたのだという。
「ええ。どうやら、相談できる空気ではありませんね……これを使ってたい焼きができるかどうか、試していただきたかったのですが」
一方、傍らの月が手に提げた袋の中には、果物のジャムがいくつか。果物が好物な彼女は、それらを使った変り種たい焼きを試作し、世話になっている知人にも献上したい。とのことだ。
「まぁ、それは問題が解決できた後で、ゆっくりお願いしてみればいいさ。まずは、原因の特定だな……真央?」
「おっけーなのだこの食キング(しょっきんぐ)に任せるのださっそく試してもらうのだー、おっちゃーん!」
修に促され、どどどどどー、と元気に駆けていく真央。夏朝と共に店を訪れていた彼女が、わざわざ遠くへ買出しに出ていたのは、その手にあるものを板谷に試してもらうためだ。
「おっちゃん、これをたい焼きだと念じて作ってみて欲しいのだッ!」
「そ、そりゃ何だい、お嬢さん?」
びくりとして身をそらした板谷へ、ずいと掲げてみせるのは……何やら、カラフルで可愛らしいパッケージのお菓子。
『つくってたべるニャン♪ たいやきやさん』だった。
小さい子のためのお勉強お菓子なのだ! という真央の言う通り、いわゆる知育菓子というやつで、プラスチックのたい焼き型に、生地のもとと水を適量入れて練り練りした後、付属の餡子を包んでやれば、あっという間にプチ鯛焼きの出来上がり! という代物なのだ。
まぁ、焼き菓子ではないので、そもそもそれを鯛焼きと呼ぶにふさわしいかと言えば、少々疑問の残るところではあるが……要は雰囲気である。
「これを私が……作るんで?」
「うん、お願いおじいさん……これが、原因を突き止めるのに、役に立つかも知れない。僕たちも一緒に作るから……ね?」
夏朝もそう言って、ぺこりと頭を下げる。
モノは子供のためのお菓子であっても、形は鯛焼きには違いない。真央の目の付け所は、意外に鋭かったと言えよう。情報が多いに越したことは無いし、結果によっては、特に理論派の修あたりが、何らかの結論を導き出せるかもしれない。
「へえ……そこまで言うなら、作ってはみますがね」
一時休憩ということで、ギャンブル鯛焼きを焼く手をひとまず止めて、板谷は半信半疑ながらも、『つくってたべるニャン♪』の袋をぴりりと開ける。
「まずは生地を作るのだ月ちゃん、ねってねってねりまくるのだ」
「こう……でしょうか。これでたい焼きが出来上がるとは、不思議なものですね」
より多くのケースを調査するため、月や真央たち自身も作っていく。薄っぺらいプラスチックのたい焼き型に、粉末の生地のもと、水を投入し、ねりねりねりねり。
しばし、無言で練り続けること数十秒。今度は、水と餡子のもとを別の型へと投入し、ねりねりねりねり……。
「……懐かしい感じがするな、こういうのは」
「うん、本当だね……何だか、子供の頃に戻ったみたい」
などと、修と夏朝も、幼少の頃の思い出に浸りつつ練りまくった後。出来上がった餡子を、二つに分けた生地と生地で挟み込むと、
「ほれ。これでいいかい、お嬢さん」
「ばっちりなのだおっちゃん、完成なのだー!」
目の前には、出来上がった可愛らしいプチ鯛焼きがずらりと並んでいた。
真央の提案で、それらは練り匙で細かく分割した上で、全員で一口ずつ食べることにする。確かに、部位によって味に違いが出るかも知れないし、食べる側によって何らかの変化がある、ということも考えられるのだ。今日の真央は冴えている。
「それじゃ……いただきまーす」
「……いただきます」
いまひとつ気が乗らないらしい板谷を促しつつ、まずは真央の作ったプチ鯛焼きを、全員でぱくり。
「……普通、だね。美味しいよ?」
見回せば、夏朝の言葉は、板谷も含めて全員に一致するところのようだ。
その後も、修、夏朝、月のものを順に試食していくが、特に変わったところは見られなかった。普通に、ちょっと安っぽい餡子の味。これが、このお菓子の本来の味なのだろう。
そして最後に残ったのが、大本命であるところの、板谷の作ったプチ鯛焼きである。
ごくり。期待と不安が入り混じる中、意を決して、ぱくり。それを口の中へと放り込んでみれば……。
「……解せぬ!」
くさや味だった。ご丁寧に、あの独特の臭気までもが再現されているあたりがまた、板谷の嘆きに拍車をかける。
どうやら困ったことに、それが鯛焼きの形であるならば、何でも味を変化させてしまうらしい。
が、しかし、と月は言う。
「これで一つ、分かりましたね。この現象は、型や材料によるものではないのに加えて。板谷さんが、たい焼きである、と認識したものに対して起こりうる……ですよね? 八神さん」
「ああ。神魂が機材などに影響を与えている線も考えられたが、それでは、彼女らが焼いた鯛焼きの味が変化しないことの説明が付かない」
言葉を引き継いだ修は、ノーマル鯛焼きを焼くお手伝いの女の子たちを示して、断言する。
「これではっきりした。この現象は、板谷氏のろっこんに因るもの……つまり。板谷さん、あなたが」
「おっちゃんが、もれいびになったーってことなのだ!」
二人にヒントを与え、お手柄の真央が言えば、その場の全員が、うんうんと納得顔でうなずく。
しかし、その当人。神魂にろっこんに、そんな神秘の存在のことなど露ほども知らない、今やもれいび・板谷 喜三也はと言えば、
「もれ……何だって?」
眉間に深いしわを刻みつつ、大きく首を傾けた。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
青丹 よし乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月11日
参加申し込みの期限
2014年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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