夏だ！　海だ！　大雪だ？！｜リアクション

夏だ！　海だ！　大雪だ？！

「ワレなに人のカップルに断りなく手ぇ出しとるかー！」
　どっかぁああああんっ！
　瓢が思いっきり特大の竜巻を麗子目掛けて撃ち放つ。
　こんな吹雪の海辺でも、ろっこん発動に必要なカップル達のイチャイチャは健在なのだ。
「そう何度も何度も、ぶつかってたまるもんですかーーーっ！」
　だが麗子も負けてない。
　竜巻を吹雪で凍らせて、その場に押し留めるという荒業を披露した。
「ほう、やるねぇ。じゃあ、こいつはどうだい」
　瓢はひゃっひゃと笑いながら、両手から竜巻二連射！
「独り身のあなたに恨みはないわ。やめてちょうだいっ！」
　必死で迎撃する麗子。
　吹雪と竜巻はぶつかり合い強め合い、軌道を逸れて無実のカップルたちを次々と巻き込んで吹っ飛んでいく。
（こいつぁ、あれかい？　カップルに私怨で八つ当たりってセンかねぇ）
　ふっと笑い、瓢は麗子が氷のオブジェにした最初の竜巻に向かって、新たな竜巻をぶつける。
　衝撃で麗子のほうに倒れこむ氷の竜巻。
　悲鳴をあげながら、それでも麗子は何とか避けきった。
　粉々に砕け散る氷の竜巻は、美しくも凶悪。
　まともに浴びれば全身ただでは済まなかっただろう。
「憂さ晴らしなぞ解決にもならんし、悲しなってくる。邪魔するなら面白おかしくやらないとねぇ」
　けけけっと笑って、瓢は麗子ではなく今度は浜辺のカップルに竜巻発動！
　竜巻に巻き込まれたカップル達を、心底楽しげに笑う瓢。
「どうよ？　どうせやるなら楽しまねぇかぃ？」
　楽しむなら、手を貸すぜぃ？
　そう言って片目をつぶる瓢に、麗子は苦笑する。
「……そうね。楽しいほうが良いに決まっているわ」
「そうこなくっちゃ張り合いがねぇってもんよ。さぁ、思う存分カップルぶっとすぜぃ」
「ええ！」
　瓢と麗子、嬉々としてカップルに吹雪と竜巻を！
　猛吹雪だけでも凶悪だったのに、竜巻まで加わってその威力たるや筆舌に尽しがたく。
　積もりに積もった浜辺の雪をも巻き込んで、カップル達をぶっ飛ばす。　
　　