真っ白な砂浜と、青い空。
真夏の太陽に煌めく海は、きらきらと光りを反射して輝いて。
「いやーん、雄介くんのいじわる~ぅ♪」
「こらー、にがさないぞぅ!」
とか、
「やぁだぁ、みんなみてるわぁ♪」
「いいじゃんいいじゃん、夏だし海だし! 見せ付けてやろうぜー」
とか。
あちらこちらで、水着のカップル達がいちゃいちゃいちゃいちゃ。
人目もはばからずいちゃつきまくってラブ光線発しまくりで。
雨崎 荒太郎も最愛の恋人である
西野町 かなえと浜辺でゆったり幸せに浸っていた。
「海が綺麗だねー」
「せやなぁ。ここの水で豆腐を作ったら、どんな味になるんやろな」
「とうふちゃんが作ってくれるお豆腐なら、何でも美味しいんだよー」
「こーたろーくんったら、いややわぁ」
てれてれ、てれてれ。
思いっきりいちゃつくカップル達の中で、これまた幸せそうに笑いあう荒太郎とかなえ。
そんな二人を、憎々しげに見つめる人影が。
「……どいつもこいつも、夏だからって、海だからって、浮かれすぎじゃありませんの……?」
先日、振られたばかりの古手川麗子だ。
寝子島高校3年2組。
正真正銘のスレンダー美人である。
麗子は木陰から憎々しげに周囲のカップルに「あんた達うっぜぇのよ!」な冷たい目線を送るものの、あつあつカップル達にそんなものは通じない。
とどめに。
「ねぇー。あの人美人なのに……」
「浜辺に一人とかマジありえないー!」
誰が言ったか幻聴か。
麗子の耳に、嘲笑うカップル達の声が聞こえたからもう最悪!
「あんたたち! 一体どこからそんなに湧き出すのよ!!! うっぜぇんですのよーーーーーー!!!」
怒り、大爆発!
麗子の怒りに呼応して、びゅおーーーーーーっと、あたり一面に吹雪が舞い起こった。
独り身ブリザード、略してヒトブリ炸裂!
カップル達が幻覚でなくぶっ飛んだ。
麗子の瞳はもう完全にいっちゃって、我を忘れて叫びまくる。
「カップルなんか、カップルなんか、凍り付いちゃえばいいのよおおおおおおおおお!!!!」
真夏の浜辺は一瞬にして真冬の雪原と化した。
そしてそれを見ていた
山田 与太郎は即座に神の啓示と判断した。
「おお、神よ。あっしにリア充を倒せと仰るのですね」
アフロで渋いサングラスの彼に、神の声が降り注ぐ。
麗子に協力せよと。
「あっしのライジング・サンがいまこそ炸裂する時です。神よ、迷えるリア充共を撲滅してください!」
ぴかーっと輝く彼の股間は、もう、いつ爆発してもおかしくない!
どうなる、この浜辺?!
はい、こんにちは?
夏といえば海!
そしてラブラブカップルですよね♪
でもそんな幸せをぶっ壊したくなるのもまた真理。
暴走した元凶をうまく止めるか、カップル達の熱いパワーで氷を溶かすか。
通りすがりで海の家から事態を見守るか。
真夏の浜辺in吹雪、開幕です♪
なお、リアクションの文字数は『らっかみ!』では参加人数によって変わります。
人数が多ければ多いほど、文字数は増えますので、皆様お気軽にご参加くださいませ。