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たんぽぽ畑でさよならを(笑)
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◆心の在り処
ふと目を開けた。
ゆっくりと顔を上げた月(
桜 月
)は、部屋の中を見回した。
頬を撫でて、さらさらと白い髪が滑る。
カーテンの隙間から、一筋、忍び込んだ光が壁に線を描いている。
月の手元には、描き掛けのファッションのデザイン画。
どうやら描いている途中で、転寝をしてしまったようだ。
「寝ていたか。夏だから良かったけれども。繰り返していると風邪をひいてしまう」
彼女は余り丈夫では無かった。
気をつけよう、他の人に迷惑をかけられないしな……。
そう考えて、月は首を傾けた。
――あれ? 他の人って誰だ、ここは私の家なのに
薄いベールに包まれたような、不確かな中を心だけが漂っているような、そんな奇妙な感覚に襲われて。
月は掌で頬を覆った。
だが、くぅと胃が空腹を主張する。
朝餉の支度中なのだろう。
さっきから炊飯器で、ご飯の炊ける匂い。それから、出汁の香りが鼻腔をくすぐっている。
立ち上がると、月は誘われるように台所へ向かった。
台所には、父しか居なかった。
「おはよう、お父さま。お母さまは?」
怪訝に思い尋ねたところで、またお腹が自己主張。
「おう、おはよう月! もう出来たぞ、夏朝と柊斗も呼んで来てくれ!!」
「はい」
妹の夏朝(
恵御納 夏朝
)は中学生だ。
黒い髪に黒い瞳。月とは、まるで違っている。
弟の柊斗(
五十士 柊斗
)は、8歳ほど。
金髪に、菫色の瞳をしていた。これも、月とは違う。
「おはよう、お姉ちゃん」
ほんのりと笑顔を向ける妹に、挨拶を返した所で、脇を柊斗が駆け抜けて行った。
「こら、柊斗!?」
元気な盛りの少年は、言ったくらいでは聞かない。
「走っちゃ危ないよ……」
そんな姉の声も、柊斗は知らん振り。
何故だろう、姉妹には気後れして距離を取りたかった。
だが、案の定。
余所見をしていた柊斗は、テーブルに味噌汁を配膳していた父と、ぶつかりそうに。
「柊斗、火傷するぞ!」
「わ、ごめん」
「お姉ちゃんたちにも、ちゃんと挨拶をするんだ! お前の、家族なんだからなっ!!」
「……、うん」
追いついて来た、月と夏朝にも「おはよう」を言って、柊斗は席に着いた。
「いただきます」
揃った所で、手を合わせてから食事が始まった。
「柊斗、そんなに一度に口に入れたら、喉に詰まるぞ」
「このくらい、ヘーキだよ!」
得意げに答えたら、その拍子に本当に喉につかえそうになって、柊斗は焦った。
夏朝が優しく、背中を叩いてくれる。
どうにか飲み下す事が出来たが、やっぱり優しくされるのが居心地悪くて。
「全然なんともないってば、お姉ちゃんは心配性だな!」
乱暴に突っぱねる柊斗の頭を、父は小脇に抱え込んだ。
「ははは! まあ、男の子は元気すぎるくらいが丁度いいよな!!」
「痛い、痛いってばー!」
「よし、後でパパがプロレスごっこしてやるぞ、柊斗!!」
「えっ!!?」
びしっと硬直する柊斗に、姉妹は顔を見合わせて笑った。
「あふっ……」
月が小さな欠伸をした。
「寝不足か? 月」
「え、ああ。絵を描いたまま寝てしまったせいか、十分に寝られていなくて。うつぶせに寝たせいで、体も痛いし」
「そうか。寝不足は美容と健康の敵だぞ? なんならパパが、腕枕してやろうかっ!?」
父が袖を捲って、力瘤を誇示した。
夏朝は必死に顔を背けて、聞き流そうとしている。
――何だろう、今日のお父さん違う……何か違う……すっごい違和感が……!
月も丁重に辞退した。
「だ、大丈夫ですよお父さま、心配し過ぎです」
そして動揺を隠すように、取り澄まして食事の続きをした。
――あれ? なんでこんなに、他人行儀なんだろう?
違和感に月は首を捻った。
普段はこう、もっと……あれ?
普段って、どうだったんだっけ?
疑問が頭の中で渦巻く。
だが何故か、月はとても幸せな気分に浸っていた。
家族との団欒の時間。
無闇に触れると、壊れそうで怖くて……今は、この時を楽しもうと月は決めた。
午後は家族でショッピングに出かけた。
そこでも腕白ボウズの柊斗は、フェンスや設備によじ登って、走り回って居た。
身の軽さを生かして、高いところから高いところへ。
ただ楽しくて仕方が無くて、よく喋ってよく動く柊斗には、父ですら抑え役に回らざるを得ない程だ。
「柊斗!!」
柊斗の前に腕を広げて、有無を言わさず捕まえる。
「ここは走り回る場所じゃないだろう? 静かに出来ないなら、パパと公園へ行ってプロレスごっこするか!?」
「えー、プロレスごっこはいいよ」
柊斗の不服そうな顔を読んで、父は大きな掌を頭に置いて諭す。
「柊斗が元気で、パパも嬉しいぞ!! でもここは遊ぶ場所じゃないから、騒ぐと他の人が迷惑するだろう?」
(父さんは、いつもこんなだよなー。母さんみたいには、叱らないけど……)
柊斗は、ハッとして辺りを見回す。
(あれ? そう言えば、こういう時は母さんが先に叱るものだったのに……)
――母さんが、いない?
菫色の瞳でいつも家族を見守る、母の姿が見当たらない。
どうして気付かなかったのだろう?
「柊斗が誰かに怪我をさせて、悲しい思いをしたら、パパも悲しいぞ?」
「……!」
目の前に星が散るような、ショックを受けて柊斗は我に返った。
無謀で妹に怪我をさせて、それ以来、心を閉ざして生きて来た自分を思い出して。
「父さん……」
「ん?」
急にかしこまった柊斗に、父は不思議そうだ。
そんな父に、柊斗は心からの感謝と別れを告げた。
父が一人で戻ると、姉妹は水着を手に取っていた。
「わあ、この水着……かわいいなあ」
「ああ、夏朝の雰囲気によく似合っている」
夏朝が手に取ったワンピース水着に、月も太鼓判。
「本当? 去年のは少しきついし、買っちゃおうかなあ……でも、こっちもかわいい」
悩む夏朝に、父はド派手なビキニを引っ張り出してきた。
「せっかくだし、ビキニはどうだっ!?」
「ちょ、ちょっと待ってー!?」
「ビーチの視線を独り占めだぞ!!」
「そんなの、出来なくていいよ!」
月は元々、服に対する関心が高いので真剣に夏朝と見比べて吟味しているが、夏朝は父の勢いにドン引きした。
というか、許容出来る違和感の限界を越えていた。
「違う……僕のお父さんは、こんなにハッスルしてない!」
「ん、夏朝? どうした?」
「……違うよ」
夏朝は後ずさった。
僕の「本当の」お父さんは 黒髪黒目で高身長
雰囲気は……
津止先生
に少し似てる?
無表情で寡黙だから 誤解されやすいけど
実は優しくて不器用で 僕やお母さんの事を大事に思ってくれてる
それらの真実を手繰り寄せた夏朝の脳裏に、とあるシーンがフラッシュバックした。
深夜。
独り、自室で悔やむお父さんの姿を、中学生の夏朝は記憶の戸口に佇んで見つめていた。
辛そうな背中。
机に叩き付けた拳から、血が滲む。
「私は……妻も――……も、守ってやれなかった……!」
お父さん、今、なんて?
悔やませているのは、僕……?
「違うって、何の話だ? もっときわどいやつのが、良かったかっ!?」
能天気な父の言葉に、我に返る。
「……ごめんね、『この世界の』お父さん」
僕は、本当の世界に帰ります。
「……というか、ハイテンションっぷりについていけない、ごめんなさい!!(泣)」
月の赤い瞳は、半ば呆然とそのやり取りを映していた。
――ああ、これは夢だったんだ
そうだ、私の両親は今も変わらず、私を遠ざけている……。
生まれつき体の色素が薄い月を、両親は気味が悪いと敬遠した。
だから月は、祖父母の屋敷で育てられたのだ。
「お祖父様、お祖母様……」
両手で顔を覆った月を、誰かが呼ぶ声が聞こえてきたのは、そのしばらく後だった。
現実に戻ってきた月は、夢の中では やんちゃな弟だった柊斗が、物静かで優しげな青年だった事を知った。
彼は泥酔して眠る大吉に集る蚊を、手を振って追っ払っていた。
「声を掛けたら、また同じ事を繰り返してしまうかもしれないから……少し様子を見た方がいいかもしれないね」
夢の中では、中学生だった夏朝が言った。
「うん……」
生返事をしながら、柊斗は夢の中での出来事を反芻していた。
月は祖父母に電話をかけた。
遅い時間に電話をかけて、しばし黙り込んだ月に、受話器を取った祖母は心配した声を掛けた。
「……すみません、どうしても声が聴きたくて」
それだけをようやく搾り出すと、月は白い指先で目尻を拭った。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月20日
参加申し込みの期限
2014年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月27日 11時00分
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