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たんぽぽ畑でさよならを(笑)
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◆とある思い出
「ただいま!」
帰ってくるなり、玄関に黒いランドセルを放り投げたのは、7歳になる息子の文貴(
神無月 文貴
)だ。
「おう、お帰り!」
振り返った父は、台所からニカッと白い歯を覗かせた。
その顔を拝むや否や、遊んでこようと文貴は背中をクルリと向けた。
「行ってきます!」
どしん!
出会い頭。
玄関を挟んで、向かい合わせにひっくり返ったのは、9歳になる兄の立樹(
檜山 立樹
)だった。
「痛ぇ……! 大丈夫か、兄……」
面を上げた、文貴の言葉が途切れた。
兄の睫が、涙で濡れていたから。
ぶつかったせいじゃない。
「またあいつらか!」
文貴の目つきが険しくなる。
「待ってろ、仇取ってきてやる!」
「文貴!」
兄の制止も聞かず、文貴は矢のように飛び出していった。
「おかえり、どうした?」
出てきた父に、立樹もまた立ち上がる。
「父さん。俺、文貴を止めにいってくるよ」
父は黙って送り出した。
肩で息を切らせ、立樹は走った。
案の定、弟は立樹をいつもからかう少年達と、激闘を繰り広げている。
「生意気なんだよ、お前!」
多勢に無勢、文貴は体格で明らかに劣っている。
足元に投げ出された文貴だが、負けじと少年達を睨み上げた。
「うおおおーっ!!」
弾かれるように立ち上がって、相手に襲い掛かる。
何度振り払われても、小さな少年は食らいついていった。
諦めるという選択肢など、無い。
「文貴、もうやめよう!」
たまらず介入した立樹が、突き飛ばされて転倒した。
「すっこんでろよ、泣き虫」
少年達の心無い言葉に、立樹は言い返せない。
母親譲りの中性的な顔立ちは、女の子達に人気があったが、少年達はそれが気に入らなかった。
だから、いつもからかわれていた。
それを立樹の代わりに怒るのが、弟の文貴なのである。
「野郎、もう一回言ってみろ!」
バカにした少年に、文貴が体当たり。
相手は尻餅をついて、すっ転んだ。
「い、いい加減にしろよ、しつこいぞ!」
「煩ぇ、てめえらこそ兄貴に謝れ!」
蹴られても殴られても屈服しない文貴に、少年達はとうとう音を上げた。
「おい、もう帰ろうぜ」
「……ああ」
退散する少年達。
オレンジの夕陽が目に染みる景色の中、砂塗れの文貴が薄い胸を誇らしげに張る。
「どうよ? 仇は討ったぜ、兄貴」
長く伸びる影法師。
足を挫いていた立樹を小さな背中に無理やり背負って、文貴は凱旋した。
「大丈夫?」
ふらふらと蛇行して歩く弟に、立樹は目を伏せた。
「弱いお兄ちゃんで、ごめんね……」
「気合で負けたら、それでしまいだぜ兄貴」
「……うん」
「気にすんな! 兄弟は助け合うもんだ。何かあったら、俺に言え」
「頼もしいね、文貴は」
ようやくクスリと笑みを落とした兄に、弟は安堵したように笑みを返した。
「ただいま」
帰宅した二人に、父はいの一番に尋ねた。
「勝ったか?」
「あたぼーよ!」
破顔一笑。兄弟の頭に、大きな掌が乗せられた。
「わんぱく坊主め!」
言葉とは裏腹に、満足そうな顔。
「さあ、じきに夕飯だぞ。手を洗ってきなさい」
「俺も手伝うよ」
台所へ向かう父に、立樹が従った。
台所は、とっちらかっていた。
「ちゃんと片付けながら、ご飯作らなきゃ駄目だよ」
「おお、そうか!」
立樹は話ながら、てきぱきと手を動かす。
汚れたボウルや皿をシンクへ移し、作業スペースを確保する。
余った食材は包んで、冷蔵庫へ。空になったトレイは洗って、水切りを。
「段取りがいいな、立樹!」
誉められて立樹も、はにかむ。
立樹の腕前は、家庭科の先生にも誉められた程。
同級生の少年達のからかいのネタにもなる反面、自信もあった。
(お兄ちゃんなんだから泣かないって決めてるのに、言い返せなくていつも泣きべそをかいてるけど……)
これだけは負けない。
三人で囲む夕餉、並ぶ料理に箸を伸ばす。
「お待たせっ! 育ち盛りだからな、食え食え!」
「お、これ兄貴が作ったんだろ?」
文貴は頬張るなり、言い当てた。
「よくわかるね」
「なんか、繊細な味がするぜ。切り方も細かいしな」
父の料理は食材がゴロゴロし味付けも適当だが、立樹は仕事が丁寧だ。
「さすがだな、立樹!」
父もジョッキ片手に、ご満悦だ。
「あー、それ俺の!」
「お? 文貴のだったか、悪い悪い!」
目の前で奪われた好物に、文貴は頬を膨らませたが、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべる。
お返し、と父のつまみを突き刺すと、口に捻じ込んだ。
「あー!? それパパの!!」
「(もぐもぐ)……もう飲んじまったぜ!」
大仰に嘆く父に、文貴が渾身のドヤ顔を決めて、立樹は可笑しくて噴出した。
そんな兄に、文貴はニヤリと笑って見せた。
デキがいい兄と比べられ、嫌な事もあった。
だが父は、兄弟に平等に接してくれた。
いい所を見つけて、褒めて伸ばそうとしてくれている。
でも、どこか違和感を拭えないのは、どうしてなのだろう?
夜、兄弟は二段ベッドに横になりながら、他愛の無い会話をした。
「ねえ、文貴は好きな子いないの?」
唐突な質問に、借りた漫画から目を離さないまま文貴は答える。
「好きな子? いねーよ、そーゆー兄貴こそどうなんだよ」
「俺?」
僅かな沈黙があって、立樹がクイクイと文貴を手招きした。
「お、何だよ。いんのかよ!?」
漫画を手放して、文貴は二段ベッドの上に上がる。
立樹の口元に耳を寄せれば、聞こえてきたのは。
「おしえなーい」
「期待させといて、何だよ!」
クスクス笑いながら、布団にもぐりこんだ立樹を問いただそうと、ふざけてじゃれあって。
弟は、梯子から転がり落ちて。
「うわっ!?」
「文貴!?」
立樹が慌てて顔を出す。
「大丈夫? どこ打った?」
「つあ~っ、いや……痛かったけど、大したことねーよ」
立樹は息を落とす。
(良かった。ケンカは文貴の方が強いけど、お兄ちゃんは俺なんだから、しっかりしなきゃ。俺が二人を守るんだ)
――二人? だって弟は文……
脳裏を過ぎった面影に、立樹は固まった。
そこへ父もやって来る。
「どうした、すごい音がしたぞ?」
なんでもねえよと、文貴が言えば父は肩を竦めて、くしゃりと顔をほころばせる。
――なんかヘンだ
ポカンと父の顔を凝視し、文貴も思い出した。
俺のホントの親父は、いっつもしかめっ面
笑ったとこなんて見たことねえ
すぐに手が出る足が出る、鉄火肌の癇癪持ち
でも筋が通らねえ事は大嫌いな、昔気質の任侠だった……
「ん、どうした二人とも。変な顔して」
能天気な父の声で我に返ると、自分を見つめる立樹の顔が目に入った。
先に父に向き直ったのは、文貴だった。
「おやっさん、アンタが誰かは知らねえ。でも俺が……一家の大黒柱が帰んなきゃ、娘と舎弟が寂しがる」
神無組
の四代目としての己を思い出し、文貴は唇を歪めた。
「あばよ、親父」
文貴についで、立樹も遠慮がちに口にした。
「これも素敵だけど……俺も帰らなきゃ、いとこが待っている。さよなら、父さん」
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月20日
参加申し込みの期限
2014年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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