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◆父親の像
なんですのこの家は、と虹子(
毒島 虹子
)は眉をしかめた。
庶民的で窮屈、大手アパレルメーカーを経営する彼女の実家とは、まるきり違っている。
更に虹子は、自分の手がふっくら小さくなっている事に気付いた。
元々小柄な虹子だが、これはどう考えても幼い子供のものだ。
「……夢?」
修(
八神 修
)も、違和感を覚えていた。
「
ひまわり畑
の時と同じだ……何所か不安定な空間には覚えがある」
目を向ければ、鼻歌を歌いながら料理をする「父」の姿があった。
「今度は父親と言う事か」
今回のケースがあの時と同じなら……。
政治家として八神一族を牽引する、絶対者の父。
「丁度、里帰りしようと思ってた所だ。いい予行演習になる」
この世界の父は似ても似つかないが、八神の父との接し方で何かを掴めたら。
立ち上がると、修は父に手伝いを申し出た。
「おお、修か。料理、得意なのか?」
「プロのようにとはいきませんが、家庭料理くらいなら」
父の手元をうかがえば、魚の鱗を剥がしているところだった。
「立派な鯛ですね、今夜は魚料理ですか?」
「おうよ! パパが釣った新鮮なやつだから、刺身にするぞ。修、お前アラで潮汁作ってくれ!!」
「潮汁……はい、やってみます」
食器棚からボウルを見つけ出すと、アラを受け取り、骨に気をつけながら真剣な面持ちで塩をまぶす。
「しばらく置いて、熱湯で洗うんでしたよね?」
顔を上げれば、父は思いのほか優しい目で修を見ていた。
「バッチリ、上出来だ!」
ぐっと親指を立てる父に、修は心から安堵した。
「ふうん」
よく分からないけど、面白い事になってますのね?
ソファに腰掛けたまま、脚をぷらぷらさせた虹子は、ふふりと笑った。
「私には理解しがたい世界、ですわねえ。でもまあ、楽しめればいいと思いますわ。ええ」
ぽんとソファを飛び降りると、虹子はとたとたと台所へ。
「パパ、お兄ちゃん何してるの?」
幼い虹子が声を掛ければ、父は満面の笑みを浮かべる。
「虹子か、待ってろ。今パパとお兄ちゃんが、美味いもんこさえてっからな!」
娘の前では格好をつけたいのか、柳刃包丁を構えて見せる父。
「ちょ、危ない……!」
修は冷や汗をかいたが、お調子者の父はひるまない。
「ハハハ、大丈夫ダイジョウブ!」
「パパって、いつも元気で面白いわね。ふふ、だーいすき」
軽く膝を曲げて、かわいらしく言えば父はそれだけでメロメロだ。
「そうかそうか、パパも虹子がだーいすきだぞ!! 勿論、修の事もなっ!」
修の背中をバシバシ叩きながら、父は豪快に笑った。
「痛いです」
でも少し、照れくさい。父は単純で、良い人のようだ。
だがある意味、八神の父以上に一筋縄ではいかない人物なのかもしれないな、と修は思った。
「おーい、六も起きろ! メシだぞ!!」
大きな父の声で目覚めた六(
東城 六
)は、何度も瞬きした。
頭の芯が、ぼうっとする……。
「すみません、どなたですか?」
尋ねた六の言葉を、父は笑い飛ばした。
「なーに寝ぼけてるんだ? パパに決まってるだろ」
パパ? 父親が迎えに……?
覚えの無い記憶が、六の頭の片隅でくすぶっている。
自分が何者なのか分からず、ただ毎日、施設から外を眺めていた……そんな灰色の記憶。
「ここはどこですか?」
「ドコって、お前の家じゃないか」
「僕の家?」
家って、何?
何かおかしい……けど、よく分からない
記憶が混乱している
寝ぼけているのか
この人は僕の父親……父親?
「さあ虹子も修も、待ってるぞ。食事にしよう!」
急かされるように、六は居間にやって来た。
自分とそれ程、年の変わらない弟の修と、妹の虹子が椅子に座っている。
信じられないものを見るように、弟妹を、そしてテーブルに並んだ魚料理の数々を確認して、六は夢見心地で席に着いた。
「潮汁とフライは、修が作ったんだぞ」
「そう、なんだ……すごい」
「味はみたから、確かだよ。どうぞ、遠慮なく」
「いただきます」
ボンヤリしたまま、箸をつける。
それを真似て、虹子もお椀を傾けた。
「さすがお兄ちゃん、上品なお味ですわ」
「おや。初めて作ったんだが、小さなレディのお褒めに預かるとは光栄だよ」
「刺身も美味しい」
六が言えば、父は上機嫌だ。
「そうだろう? 今日は大物が釣れたんだ」
「これ、買ったんじゃないんだ?」
改めて、鯛の刺身を凝視する六。
その反応にますます機嫌が良くなる父に、修が提案した。
「俺も釣りが好きなんですよ。今度、一緒に行きませんか?」
「おお、いいな! 次は、もっとゴージャスなディナーと洒落込もうか」
「まあ、楽しみね」
虹子が殊更に明るい声を上げ、六も頷いた。
夕餉を終え、父は野球中継を見ながら、家族と居間で過ごしていた。
「あ、パパ。そのお洋服、ボタンが取れかけていますわよ。ちょっと貸して下さいな」
「虹子、大丈夫か?」
ソーイングセットを手に、シャツを脱ぐよう要求する幼い娘に、父は怪我をしないかとハラハラ。
心配をよそに、虹子は実に器用に糸と針を操り、ボタンをつけ直した。
「はい、手持ちの裁縫セットが役に立って良かったです」
「虹子は小さいのに、偉いな!」
感動する父に、虹子は愛らしく はにかんで見せた。
「今度デパートで、可愛らしい刺繍セットを買ってくださいな」
おねだりすれば、父は一も二も無く頷いた。
「ああ、どれでも虹子が好きな物を買ってやるぞ!」
幸せそうな父に、虹子は一瞬、涼しげな視線を投げつける。
――ま、そんな未来はないんですけどね
「あの、お話したい事が……」
父の集中がTVから離れたタイミングを見計らって、修は切り出した。
話は、学校の事から始まる。
二つの部の部長を兼任しており、うち
射撃部
は自身が作った事。
「多忙を極めるってやつか! 結構結構!!」
「勉学も計画通り、順調に進んでいます。テストでも好成績を残しました。なので……このまま、寝子高に通う事を許可して貰えるでしょうか」
「青春は一度きりだからなっ!! 後悔のないよう、生きるといい」
「ありがとうございます」
第一関門突破、修は落ち着いて話す順序を組み立てる。
この先は自分の境遇の話もあるので、この父を混乱させないよう、説明をうまく行う必要がある。
「進路ですが……。医学部に進みたいと思ってます」
「医学部? 修、医者になりたいのか!?」
寝耳に水。父は純粋に驚いたようで、急に真っ直ぐに修に向き直った。
「はい。大学病院で診察と、研究を平行して出来る環境に身を置きたいと考えています」
生みの母を病気で亡くした経験もあり、難病の治療研究や臨床に関わる道を選びたいと、修は考えていた。
八神の父と同じ政治家になれば、治療法や新薬の認可をはじめ患者の救済を左右する、医療制度そのものに関われる可能性も拓ける。
「政治家の道も考えてみましたが」
「なんだって!!?(仰け反り)」
一人の医師・研究者としての八神修と、政治家としての八神修。
どちらがより貢献出来るか、明確な答えは出ない。
未来は誰にも分からない。
「実際に ”どう治すか” を、現場で突き詰めたい。それが俺の意志です」
受け取った言葉に、父はやはり動揺していた。
しばらく酸素を求めて大きく胸を膨らませ、そしてゆっくりと吐き出す。
「お前の気持ちは、分かった……だが修、お前の目指す道は並大抵じゃないぞ?」
「覚悟はしています」
「いや、パーフェクトボーイになる必要はねえ。失敗を繰り返しても、誰に何を言われても、最後にお前が決めた事をやり遂げていれば、パパはそれでいい」
「はい、ありがとうございます」
うまくいったようだ。
本番に想いを馳せる修に、父は「金の事は心配するな」と言った。
(え!?)
「パパがどんな事をしてでも、作ってやるからな!」
「……」
決意を秘めた父の顔。色々な所へ、頭を下げて借りに行く気かもしれない。
だが自分の夢を、全力で応援してくれようとする姿に、修は嬉しくなった。
なりゆきをボンヤリと見守っていた六に、父は話を振った。
「六はどうだ? うまくいってるか?」
「学校? 今日も絵を描いてたよ」
「絵か、六は絵が好きなのか?」
「ああ、うん。また今度見せる……」
六は、呆然と家族を見つめていた。心配した父が、何か悩みでもあるのか? と尋ねた。
「悩み事? ……別にないけど」
――違う、やっぱりこれは現実じゃない
六は思い出した。
そう、六の現実は10歳から施設で暮らし。
(でもこの人は、僕が息子だと勘違いしているみたいだ)
自分の生い立ちを不幸とは、思わ無いけれど。
(家族というのが、どういうものなのか体験してみるのも悪くないか)
「お父さ……パパ、悩み事あった。友達の作り方が分からない、教えて欲しい」
真剣に打ち明ければ、父は事も無げに言い放った。
「そんなの、簡単だ! 気になる奴を見つけたら、俺と友達になろうぜって、言やあいいんだよ!!」
先手必勝だぞ? と、父は笑いながら言い添えた。
「あ、ああ、うん。ちょっと難しそうだけど……まあ、やってみる……」
よく分からないけど、ドキドキする。
「難しく考える必要はないさ。友情もまず種を蒔いて、相手に関心を注いでりゃあ、色んなもんは後からついてくる。友達が出来たら、パパにも紹介してくれよっ!?」
「ああ、一番に紹介する」
頷き返せば、父は満足そうに目じりの皺を深くした。
父親というのは、本来こんなものなのか
思ってたのと違うな
なんて言うか……本当に子供が好きなんだな
それから。
誰も何も言わなかったので離れがたく、日々は過ぎるかと思われた、そんな時。
「飽きましたわ」
虹子が難色を示た。
「虹子?」
「あいにく私は、このような狭い家に住んだ普通など体験しておりませんし。お父様は、そのようにはしゃいでなどいませんでしたわ……くだらない余興に付き合うのも、まあ楽しかったですけど」
一呼吸置いて、虹子は腰に手を当てる。
「……くだらない夢とは、そろそろおさらばしたいのですが、よろしくて?」
首を傾けた虹子の姿が消えて。
フォローしなければ、と口を開きかけた修と、六もその後に続いた。
「わ、ムク!?」
目を覚ました修は、犬のムクに顔中を嘗め回されていた。
傍らに目を向ければ、大吉はまだ泥酔して眠っている。
「釣り、一緒に行きたかったな……」
起こされた六と、目が合った。
六は、自分の父親を存在しないものと考えてきた。
けれど今は少しだけ、敬遠していた闇の部分をそっと探る。
(一体、どんな人だったんだろう……?)
二人は口惜しさと共に、「普通の親子」としての時間をくれた大吉に、感謝の言葉を落とした。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月20日
参加申し込みの期限
2014年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月27日 11時00分
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