襲撃！　ねこっこ☆もんすたー｜リアクション

襲撃！　ねこっこ☆もんすたー

　日暮ねむると同じように響タルトもテオの連絡を受けた。
　彼女は寝子高から移動もしていない。
　となれば観に行かないはずがなかった。
「きっとみんな集まってくるよねー面白いカップリングが楽しめそうだね！」
　ルンルン気分で体育館の戸を開けると、ずっと探していたワシオッパイの姿があった。
　心の中でガッツポーズをとり、これからの戦いがよく見えそうな場所に陣取るのだった。
「おお！　タルトちゃん、こんにちはなのだ！」
　タルトがぺたんと座り込んだとき、後木真央もやってきた。
「わ、真央ちゃんも来てたんだね～！　こんにちは！」
　挨拶をしてから、彼女の後ろにライレエ・アーレンス、御剣刀がいることに気が付いた。それぞれがテーオーを肩に乗せている。
「……ムッツリくんも居たんだー」
　わざとらしく膨れて見せるタルト。
「すんません」
　刀は反射的に謝ってしまう。
　その様子がちょっぴり面白かったけれど、
「別に謝ってもらわなくてもいいもん」
　タルトは刀には甘い顔を見せないのであった。
　そうこうしているうちに続々と人が集まってくる。
　伊賀解理がため息交じりに戸を潜り、琴村嬢もそれに続く。
　美崎岬一行がぞろぞろと入場するとその後には日暮ねむるもやってくる。
　それからしばらくして宮祀智瑜・キリリン、普堂しおり・ユキちゃん、八神修・ののが体育館に。
　八十八旗信彦が悠々と入ってきて扉のそばに立つと、御巫時子・イガラッシィ、音海なぎさ・ひまわりんたちが照れくさそうに入ってきた。
　入ってくるのを確認してから信彦は戸を閉める。
　なるほど紳士の仕草である。
　それはともかくとしてこれで全員そろったのだろうか。
　タルトをはじめ、全員が中央にそびえるように並んでいるねこモンたちを見やった。
　ワシオッパイ。ナナオトメ。ツインテイル。ホワイトデビル。バーコーチョー。
（なかなか面白そうなメンツだよね～☆）
　タルトなりにこの空間を楽しんでいると、ガラリ。また戸が開いた。
　そこから姿を現したのは鈴野海斗だった。
　ずいぶんと傷だらけで、体を引きずっている。
　そんな彼は入る否や、ナナオトメに鋭い視線を送った。
　しかしナナオトメは涼しげな表情を崩さない。
　なにかあったのかもしれないと思えど、なにがあったかタルトは知らない。
　妄想を膨らまそうとしたとき、
「だいたいみなさんお揃いですね」
　添木牡丹の笑い声が体育館に木霊した。
「ねこモンの世界にようこそぉ。
　これからはみんなで仲良く楽しく暮らしていきましょうね～☆」
　実に実に楽しそうな牡丹。
　近くで修が大きくため息をついた。
「そんなわけにはいかないだろう」
　牡丹は笑みを浮かべたまま動きを止める。
「どうしてですぅ？」
「……本人じゃないぞ」
　牡丹の目がすぅっと細まった。
「その人は鷲尾先生じゃない。ワシオッパイを鷲尾先生と重ねているのならそれは本人への冒涜だぞ」
　けして大きな声ではないのに、妙に修の声は響いていた。
　そして牡丹の唇がわななく。
「そうですか」
　一瞬でその場が凍りついた。
「なら、私を止めればいいんじゃないんですかぁ？」
　次の瞬間には牡丹はまた元の甘ったるい口調に戻ったのだが、空気は冷え冷えとしたままだった。