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ひまわり畑でさよならを
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◆夢の綻び◆
……もも……もも? 手元がお留守になってる、危ないわよ」
意識の遠いところで、母の声。
花風 もも
は、ハッとして青い瞳を見開いた。
ここは家の台所、ももの手にはナイフが握られている。
「あ、あれれ? なんだかぼんやりしていたみたい。お料理中にぼんやりしていたら、危ないよね」
「大丈夫かい、もも。揚げるのは、危ないから僕がやるよ」
新井 米太郎
が手を伸ばす。
「うん? 大丈夫なのよ」
「いいから。お母さん、ももの様子を見てやってよ! 僕が代わりに皆のご飯作るから!」
自信たっぷりに米太郎が言えば、母は逡巡する。
「じゃあ、お願いするわね」
「任せて。得意だから、張り切っちゃうよ!」
腕まくりする米太郎に、母は優しい微笑を向ける。
「米太郎も、お兄ちゃんらしくなったわね」
「へ? へへ……そ、そっかな?」
母に誉められて、思わず はにかむ米太郎。こんな感覚は本当に久しぶりで、くすぐったかった。
――でも、どうしてだろう?
「もも、よく休むんだよ」
痛む頭を押さえている ももに、気遣わしげな視線を投げる米太郎。
「ありがとう……」
頭がずきずきと、痛む。
何か思い出せそうなのに、思い出せなくて苦しいの……
大切な事の、気がするのに
一方。居間では
後木 真央
が、ブツブツ言いながら、歩き回っていた。
「他にも人は居たような……皆はどこなのだ? 真央ちゃん達を子供と思うのは、忘れちゃったから? これは、おばぁちゃんを目覚めさせられないパターン?」
5歳の幼女となった
普堂 しおり
は、テーブルに新聞紙を広げ、豆の処理のお手伝いをしながら、弾丸のように喋りつつ、右往左往する真央を目で追う。
真央は早くも、真実に気付いてしまっていた。
「駄目なのだ何とかするのだ! 幸せになって欲しい、思い出して欲しい、並立出来ないのだ?」
「お姉ちゃん、良く分からないけど落ち着いて?」
頭をかきむしり情緒不安定な真央に、しおりは呆然としている。
そこへ、ももを連れた母が来た。
真央は駆け寄ると、質問攻めにした。自然に振舞うつもりが、どうもぎこちない。
「お母さんに名前で呼んで欲しいのだ。あとお母さんの名前を知りたいのだ何だかど忘れしちゃったのだ」
「どうしたの? 真央」
「……あのピアノ、誰のなのだ?」
「誰って、あなた達のために買ったんでしょう?」
怪訝そうな母の前で、真央は猫ふんじゃったを弾いてみせた。
音の狂いに、しおりは首を傾ける。
少し高い椅子に目を向け、お姉ちゃん達に合わせているのかな、と考えた。
手に取った教本には、『和江』の名が記されている……。
――和江って、誰?
真央はまだ、質問を続けている。
「普段は誰が何を弾いていたのだ?」
「真央、何を言っているのか、分からないわ」
取り乱した真央の様子に、ももの意識は、また少し遠くなった。
『お母さん』、とっても優しくて大好きなのだけど
なんだか現実じゃない、ような……
……お家……ここ、
僕のお家
じゃない……
――お母さんも、きっと僕の
本当のお母さん
じゃないのね……。
僕の本当のお母さんは、一体何処にいるのかな……?
『お母さん』みたいに、優しい人だったのかな……?
会いたいな。
そう考えたら、何故だか、辛くて悲しくて。
涙か溢れて止まらなかった。
「お母さん、唐揚げ出来たよ! ……って、どうしたの? もも、どうして泣いてるの?」
台所から顔を出した米太郎は、そのまま固まった。
「お姉ちゃん……あ、私、お絵描きしたんだよー、見て♪」
年少の しおりが、姉を励まそうと画用紙を広げる。
「ひまわり畑で眠るお姫様を、月の犬が守ってるの」
「まあ、しおり。良く描けているわね、まるで本物のようだわ」
ももの背を摩りながら、母は穏やかに微笑んだ。誉められて、しおりは得意げに頷く。
「私見たもん! 一人で遠くまで行ったけど、もう15歳だし夜でも平気……あれ?」
私、5歳じゃなかったっけ……
そう言えば『お母さん』、眠ってたお婆さんに似てる
ここは彼女の夢の中? 『和江』って誰なの?
しおりは視線を走らせて、子供用の玩具を探した。
名前から想像した通り、一人の女性の成長を伺わせるものが、一通り揃っていた。
「ねぇ、お母さん」
ももは蒼白の顔を上げた。
「なあに、もも?」
「僕がいなくなってしまったら、お母さんは寂しいかな……?」
「勿論、そうに決まってるじゃない」
「でも僕は帰らなくっちゃ……ずっとここに居たいけど、帰らなくっちゃいけないの……ここは本当の世界じゃないから……」
「もも……」
視界が揺らいでいくのが分かった。
寂しい……嫌だよぅ……。
『お母さん』を追いて、帰りたくない……。
一緒に元の世界へ、帰りたいよぅ……。
皆の見ている前で、花のように可憐な少女は、姿を消した。
「お母さん、ありがとう。さよなら」
しおりはそっと、母の手を包んだ。
「一緒に家族の所へ、帰りましょう? 月下に揺れる、ひまわり畑へ」
一緒に、そう言ったのに。
ひまわり畑に戻った時、しおりの手は何も掴んで無かった。
姿を消した彼女等に、真央は焦っていた。
とにかく老婆に現状を理解してもらい、夢から連れ出す。それだけを考えて、行動していた。
「蹲っている人を心配して手を伸ばしたのだ。おばぁちゃんが思い出せなくて自分の幸せを夢の中に求めたのだとしても、おばぁちゃんのことを心配してる人はいるのだ。お節介かもしれないし実は傷つけるだけかもしれないけど、一緒に帰りたいのだ現実世界で会いたいのだ」
焦れば焦るほど、言葉は空回りして。
帰る意志を、表明してしまっていた。
「真央ちゃん達だけ出ちゃったのだ!? どうしてなのだ駄目なのだ、おばぁちゃんも一緒に出るのだ!」
眠ったままの老婆に取りすがろうとする真央に、未央が割って入った。
「真央さん、ちょっと落ち着いて」
「どうして邪魔するのだ!」
「また引き込まれたら、お婆さんに余計な体力を使わせてしまう。それにすぐにどうこうとは、ならないはず」
静かに諭され、真央も徐々に肩の力を抜いた。
「……そうなのだ? おばぁちゃん、自分でちゃんと目を覚ませるのだ? 眠ったままじゃないのだ?」
老婆を想い、真央は質問を繰り返す。
「どうしてそう思うの?
ろっこんは人の命を奪うようには出来てない
んじゃない?」
三下 ゴロー
のように悪用しなければ、と未央は言う。
「心配するのも分かるんだけどね、ろっこんの発動は、心身を消耗するものだから。でもこのお婆さんは、こんな山に歩いてくるほど健脚だから、かなり丈夫なんだと思うよ」
「ホントにホントに大丈夫なのだ?」
念を押す真央に、彼は頷いた。
「昔の楽しい夢を、見ているだけなんだと思います」
宮祀 智瑜
も言い添えて、真央は座り込んだ。
「響也くんが警察を呼んでくれたから、すぐに来るよ」
「そっかー、良かった」
お迎えを呼ぼうとしていた、しおりも安堵して、老婆の肩にもう一枚、自分の上着を重ねた。
二人だけが残った、家。
「米太郎は、母さんとずっと一緒よね?」
念を押されたが、米太郎も目の当たりにした真実に、本来の自分を思い出していた。
そう言えば、僕は母さんとこんな風に過ごした事が、なかったよね
弟だって、僕を一方的に嫌ってて……
けれど、米太郎は泣きそうな顔で、別れを告げる。
「ごめんなさい……ここは素敵で優しい場所だけど……僕は現実に帰らないといけないよ。仕事で忙しくて構ってくれない母さんでも、もう僕と一切関わろうとしない弟でも、僕はやっぱり大事なんだ」
寂しそうな母に、胸が痛む。
「後で会おう。僕が必ず、家まで送っていくから、ね?」
碓氷 真理
は一部始終を、見守っていた。
「美味しい料理、暖かい空間、優しい笑顔……なるほど、私が生粋のシスコンでなかったら、騙されそうだ」
真理を生んだ母は、出産の時に亡くなって、姉の千佳が母親代わりだった。
「私の母は、こんな40代のオバサンではないからな」
傍で千佳がやんわりと嗜める声が、耳元で聞こえてきて、真理は鼻を鳴らした。
吉江の方へ、歩み寄る。
「私にはお前の事情も、過去も目的も全く知らないし、興味もない。だけど……お前、いい加減こんな優しい悪夢から目を覚ませ」
「真理も、私を置いて行くの?」
「この夢に、お前の求める本当の子供は居ない。……お前が今やってる事は、本当の子供への冒涜だ。だから……生きてるか死んでるかはわからないが……早く現実と向き合って本当の子供を愛してやれ……な?」
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担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月20日
参加申し込みの期限
2014年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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