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ひまわり畑でさよならを
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◆黄昏時の風景◆
重厚な茶で統一された室内、どっしりした革張りのソファ。
どこか古びた世界。
掻き傷の様なスジが上から流れ、雑音が聞こえ続けている。
八神 修
は転寝から、目を覚ました。
目の前には教科書が何冊かと、副読本。宿題のプリント。
「捗ってる、修?」
ジュースとおやつの乗ったお盆を手に、母が台所から出てきた。
自分の母にしては、かなり年老いて見える顔に、修は軽い衝撃を受けた。
「あ、ああ……」
ノイズが強くなる。
「修は勉強家ね。真面目で優秀な子供に恵まれて、母さん嬉しいわ。でも、ちょっと根を詰めすぎかしらね? 少し休みましょう、休むべき時は休んだ方が、効率がいいのよ。ほら、梅も起きなさい、おやつにしましょう」
母はソファで眠っていた、
竹松 梅
にも声を掛ける。
「うん……ふあぁ~」
小柄な女子高生が、大きく伸びをする。
「あれ? 寝とったんやったかな」
「おはよう。ふふ、寝る子は育つね。どっこいしょっと」
母もテーブルに手をつきながら、椅子の一つに腰掛ける。
「――『そちら』こそ、疲れてるんじゃないのか?」
「あら、母さんの事を心配してくれるの? 修は優しいのね」
にこにこと嬉しそうな母に、修は口ごもる。
何だろう、この胸のつかえた感じは――
「なあに、ぼーっとして。さあ、食べましょう。母さん、カップケーキ焼いたのよ」
「なんやら、しゃれたもん作っとるなあ」
ホイップクリームと、さくらんぼのシロップ漬けで飾られたケーキ。
スプーンで掬って、梅がそれを口に運ぶ。
「ええやん、形もかいらしわぁ!」
「ほんと? 梅は女の子だから、可愛いのがいいわよね。修はどうかしら?」
「ああ、美味しいよ、ありがとう……――」
「?」
歯切れの悪い修に、母は疑問を抱いた。
またノイズ。
ケーキは確かに、素朴な味わいで不味くは無い。
いや、美味いと言って差し支え無かった。
けれども『あの言葉』が、どうしても出てこない。
「そう言えば、二人とも学校はどう? お友達はたくさん出来たかしら?」
母が話を変え、修は安堵した。
進学した高校で、たくさんの友人に恵まれ、充実した毎日を過ごしている事を、彼は報告した。
梅は梅で、今日学校で誉められた事を、滑らかに話す。
母はそれを、にこやかに聞いていた。
「良かったわ。二人とも、充実した毎日を送っているのね」
その晩、梅は母と色んな話をし、夜も一緒の部屋で眠った。
それが、ひどく懐かしい気がして。
ふと隣の布団に目をやると、母は笑って、梅の手を握ってくれた。
母に甘えられる幸せに浸りながら、梅は眠りに落ちていった。
翌日。
修は居間で、地理の教科書を広げていた。
見開きの世界地図。
なんだこれは!?
修は驚愕した。
彼が見たのは、20年近く前にクーデターで崩壊し、今は存在しない国の名前だった――。
「あらあら、どうしたの? 考え込んじゃって」
お茶菓子を持ってきてくれた母に、修はそれを掲げて見せた。
「……これ、見てください」
「うん? 世界地図、どこかおかしい?」
「大国が変わっているのに、気付かない……今は ”いつ” です? 貴女は ”誰” なんです?」
「修……?」
「俺の『
本当の母さん
』は、俺を『修』とは呼びません」
これまで、親しい友人にすら話した事がなかった、秘密の過去。
自分を母の元から、姑息な手段で奪い去り、亡くなった子の代わりに、戸籍に入れた父。
その日から、『秀(シュウ)』は『修(オサム)』になった。
そして、母は病に冒され、たった一人で旅立った。
「勉強しているのだって、医者を志しているのだって、俺に秀と名づけてくれた、あの母に。いつか……報いるためなんだ。貴女を『母さん』とは、呼べません」
そして――修の姿は、この世界から揺らいで消えた。
ノイズが酷い。
梅は不安げに、辺りを見回した。ふと存在感を持った、漆黒のピアノが目に留まる。
「ピアノ? そんなもん、うちにあらへんだけど……」
ここ……うちとちゃうわ……
気付いてしまった、その途端、梅の髪は漆黒から、白髪へ。
みずみずしい肌には、深い皺が走り、腰はすっかり曲がっていた。
元の90歳の老婆に、戻ったのだ。
「……わたいのお母さん、とおに死んでしもたんやったなあ」
目を上げれば、自分と同じように老婆に戻った、吉江の姿があった。
「名前、何やったっけ?」
「……吉江」
しわがれた声で、老婆が答える。
「吉江ちゃん、お母さん来たったで。元気にしとる?」
「……お母、さん?」
不思議そうな吉江に、梅はにんまりと笑って見せた。
「吉江ちゃんのお陰で、お母さんを思い出して、懐かしかったわ。今度は、わたいがお母さん役。吉江ちゃんは、わたいの子供になってえ。わたい子供おらへんで」
「お母さん……会いたいわ……」
「えらいな。今日は、わたいで我慢しや」
居間に残された、子供の玩具を見て、梅は尋ねる。
「今日は吉江ちゃんとこの子供は、おらへんの?」
「和江は遠い所へ、お嫁に行きました。旦那様や子供と、暮らしてます……」
表情の鈍い顔で、吉江は笑う。けれどその目の端には、涙が光っているのを梅は見逃さなかった。
「そら寂しなぁ……吉江ちゃん、たまにはゆっくりしりぃ、今日はお母さんがご飯作ったるで」
「ありがとう、お母さん」
「何か困った事あらへんか? 何でもお母さんに言うてえな」
「うん……嬉しいわ……お母さん」
ようやく安らいだ顔の吉江に、梅は破顔した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月20日
参加申し込みの期限
2014年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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