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茜空の向こう側
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◆おかあさん
不思議な道の先には、懐かしい人がいた。
茜色が呼んだのか、自分が探しに来たのか。
けれどそんな事はどちらでも良かった。
八神 修
は笑う。昔に比べ作り笑いも随分と上手くなった筈。
けれど耳に触る言葉は痛くも優しいもの。
「無理して笑ってはいけないわ」
そう、この人には見透かされてしまうのだ。
自らの泣いている姿も、弱さも。
誰に誤魔化す術が長けても、この人――母さんにだけはきっと通用しないのだろう。
こんな昔話がある。
とある母子家庭の話。
女はある男の妾であったが、関係を絶ち、姿を消して幼い命を一つ産み落とした。
男の正妻の子が亡くなった時期に、女も職を失ってしまったのだ。
不運なことに、何処へ行っても職は決まることがなかった。
更に運悪く自らの子が肺炎にかかってしまう。
職の時と同じく、どの病院も受け入れることはなく、拒否が続く。
途方に暮れた女の前に男の使いが現れる。
『その子を引き渡せ』と。
でなければ命はないと。
女に選択肢は無かった、拒めるはずがなかった。
腕の中で苦しげに呼吸をしていた子を見捨てることなど。
後に、連れて行かれた子は正妻の子と入れ替わったという。
男には後継者が必要だった。
あの不運も、きっと凡ては――の。
「母さん、穏やかに過ごされていますか?」
「えぇ」
「天国はどんなところですか?」
「あたたかい所よ。とても」
正直、安堵した。母親が余りにも穏やかに笑むから。
病でその命を落とした母。
きっと苦しかったろう、辛かったろう。
自分ではわからない苦しみがきっとたくさんあっただろう。
その苦しみを分かち合えなかった事を、修はずっと心に沈めていたのだ。
「母さん、俺は……医者になりたいと思っています」
二人隣り合って腰を落ち着け修はぽつりと将来を語る。
例えお金が無くともその人を救えるようにと。
「素晴らしい夢ね」
「けど……一人が診れる患者はそう多くはない」
医者一人が診る数に対し、患者はその何倍も居る。
どんなに頑張った所で限界がある。手から零れ落としてしまう命も少なくないだろう。
修が一番学びたい母の命を奪った病の研究は大学病院や機関で行うのが主であり、
更には大勢を救うための医療制度の改善は医師ではなく政治の範疇にある。
わかっているのだ、自分が何処へ行けば目標へ近づけるのか。
けれど、それは――。
『父の地盤を継ぐのが最短である』という結論に行き着くこと。
修は躊躇いから抜けられないでいる。
選ぶ道を決めかねている。
父の駒で在り続けることを選び、強く生きて行くことが出来るだろうか。
「わからないんです、どうしたらいいか」
「悔いなく生きなさい」
それ以上の言葉はなく、ただ抱きしめられる。
修も解っているのだ、自分で出さなければいけない道だと。
それでも選択は余りに重たい。
悩む修の心が、きっと母を呼んだ。
時間を忘れていく。ここなら考えなくていい、そう思えば安らいだ。
心は軽く、この腕の中は落ち着く。
『帰りたくない』
無意識に唱え始めている自分にも気付くけれど。
けれど、きっと出来ないのだろうと心の中では解っていて。
「母さん……かあ、さん」
零れる。想いが。
本当の彼は修(オサム)ではない。
それを示すように彼はいつも自己紹介の時に紡いでいる言葉がある。
『ヤガミでもオサムでもシュウでも好きに呼んでくれ』と。
修がシュウとも読めるからではない。
彼が秀(シュウ)だからだ。
「もう一度、俺を……」
抱きしめ返す腕に力を込めた。
どうかもう一度、俺を――と。
「シュウ、後悔しては駄目よ」
あなたは強い子、と。
口にする前にその響きは降ってきた。
そう、修は呼んで欲しかったのだ。
本当の名を。母がくれた本当の名を。
「約束してくれる?」
「……はい、」
後悔だけは、悔いだけはないように。
母の言葉とぬくもりと微笑み。
――どれも、鮮明に残ったままだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月08日
参加申し込みの期限
2013年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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