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【期末テスト】赤点? 満点?? 夏目前、四日間の死線
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●4日目:それぞれの打ち上げ:久世家別邸
「ふむ、ほぼパーフェクトだ」
校門を出たところで、
シグレ・ナイトウォーカー
は今回のテストを思い返しそう呟いた。
「日本の試験は意外と簡単だったな。まぁ学生の本分は無事終了したし、気晴らしでもするか。そうだ、アイツ誘ってどこかへ……」
愛する薔薇色の乙女にメールを打とうとした瞬間、携帯が鳴る。
ディスプレイに表示された名前は『
久世 椿姫
』。
一つ年上のシグレの従姉殿だ。
「何だよ、椿姫……凄く嫌な予感がするんだが」
シグレはうんざりと眉をしかめた。かといって出なければ何をいわれるか分からない。
「ハロー?」
『ハイ、シグレ? テスト終わったわね、お疲れ様。どうだった?』
「問題ないね。英語の出題文の言い回しが違っていてちょっと気にかかった程度だ。そっちは?」
『試験勉強の時に得意の文系に磨きをかけたし、何も心配することはなかったわね』
「……で、本題は?」
『あら。ふふ、性急な男は嫌われるわよ』
「ひとりに愛されていれば充分なので。どうぞご用件を」
『ふふふ、言うわね。ま、いいわ。堅苦しい試験期間も終了したから、気晴らしと打ち上げを兼ねたお茶会と洒落こむことにしたの。場所はウチよ』
返事をしようとした矢先、目の前に黒塗りの車が停車した。
後部座席の窓がすうっと音もなく開く。中に乗っていたのは
茶道部
の
千種 智也
と
時枝 香苗
で、シグレに小さく手を振っている。
どうやら久世家の迎えの車らしい。
「茶道部の連中を誘ったのか……車まで出して、用意周到な従姉殿だ」
有無を言う隙はないことを知り、憐れなシグレは天を仰ぐと、恋人との逢瀬を諦めた。
◇
旧華族である久世家の別邸は星ヶ丘にあった。
別邸といえど豪奢なもので、智也と香苗が案内されたのは大きな日本家屋の中にある大正浪漫を感じさせる洋間だ。椿姫は主らしく部屋の奥の赤いビロード張りのアンティーク椅子にゆるりと腰かけ、優雅に扇子をひと煽ぎすると、屋敷のあまりのすばらしさに唖然と部屋を見回している客人たちに椅子を勧めた。
……何故か、シグレの姿はない。
「香苗、試験の手ごたえはどうだったかしら?」
客人たちが腰を落ち着けたのを見計らって、椿姫は鷹揚に尋ねた。
「テストですか? 手は尽くしましたし、いつも通りできたと思います。あとは運ですね」
香苗は礼儀正しく答える。椿姫はにっこりすると、今度は智也の方を見た。
「智也は? 私が見たんですもの、もちろん出来たわよね?」
「……うす。手応えはあるし、赤点はないと思うっす。この前はあざっした」
これを聞くと、椿姫はころころと鈴を転がすような上品な笑い声を漏らして満足げに微笑んだ。
「よろしい。では『ご褒美』をあげるわ――シグレ! 例のものを出して頂戴」
椿姫がパンパンと手を打ち鳴らす。すると、いつの間に着替えたのか英国執事風の黒スーツに身を包んだシグレが、銀のワゴンを押して現れた。
智也はそれを見て思わず感想を漏らした。
「……ナイトウォーカー。お前執事なんて柄じゃ……と思ったけど執事服、妙に似合うな」
「悪かったな。つーか、お前らは寛いでるのに俺だけ鞭打たれてるのっておかしくないか? 俺、茶道部部長だよな?」
「茶道部の部活……ではなく、久世先輩の茶会なのです」
香苗が可笑しそうに答える。
シグレはやはり納得がいかない様子で、「ったく、執事ならちゃんといるだろうに、なんでわざわざ俺が」と零していたが、椿姫に命じられるとしぶしぶと紅茶を淹れはじめた。
お湯を注ぎ、しばらく蒸らす。
茶葉が薫り高くひらく瞬間を待ち、それを逃さず麗しい透かしの入ったカップに注ぐ。
紅茶を愛する英国紳士の血を引く者らしく、シグレの所作は完璧だ。
「シグレ先輩、手伝いましょう。このケーキを皆さんにお出しすればいいんですね」
香苗はすかさず立ち上がり、ナイフでケーキを切り分ける。するとふわりと甘い柑橘類の香りがした。
こうしてケーキと紅茶が全員に――もちろんシグレも含めてだ――行き渡ると、椿姫は優雅に扇子を閉じた。
「さぁ、召し上がれ。今日のために作ったパウンドケーキとダージリンよ」
それから自信たっぷりにこういった。
「私の手作りなんて滅多に食べられるものじゃなくってよ?」
「これが話に聞いていたご褒美ってやつか……いただきます」
智也は両手を合せて一礼するとフォークで一刺し。
勉強会のときの約束
を今日、椿姫は守ってくれたのだ。
まさか、あの傲慢不遜な椿姫が手作りのケーキを作ってくれただなんて、それだけでも感動に値する。
「美味しいです。これはテストで頑張った甲斐がありますね」
パウンドケーキをひと口頬張り、香苗は瞳を輝かせた。
「なにか爽やかな……柑橘類が入っているのでしょうか?」
「そうよ香苗。マーマレードとオレンジピールとレモンピールを生地に練り込んでいるの」
「これ先輩の手作りなのかよ、マジで?」
智也もその美味しさに驚愕していた。
「意外と多才なんだな。料理に関してはナイトウォーカーの親戚とは思えねえ……」
「……料理下手で悪かったな」とシグレはむすっと唸る。「茶は上手く淹れられるんだからいいだろう」
「あ、いや怒るな、すまねえ」
「怒ってない」
「なら不機嫌な執事萌えってヤツか?」
「あのな……」
戯れるふたりの様子に香苗はくすりと笑みを漏らした。
「千種先輩、からかうのもほどほどにしておいたほうが……」
「時枝、どうやら味方は君だけのようだ」
シグレが感謝を込めて時枝にもう一切れケーキを差し出すと、時枝はそれを受け取ってにこにこといった。
「でもシグレ先輩の反応が面白いので、いいでしょう」
「オイ」
どうも読めない時枝である。
「そのくらいにしておきなさい? 今日は上品な会なのだから」
つ……、と流し目で椿姫に窘められ、智也ははっとして恥ずかしそうに視線を逸らした。
「……。……や、やべえ。いつのまにかペースに飲み込まれてたような」
それから一拍の間をおいて。
「ふふふ」
「ははは」
「くすくす」
四人は顔を見合わせる。なんてことないことが、なんだか妙に可笑しい。
「そういやこういう賑やかなのも久しぶりだな。まあ、たまにはこういうのもいいだろ。うん」
智也がしみじみというと、時枝もぺこりと頭を下げた。
「そうですね。こんなのも、素敵です。今日は本当にお招きありがとうございます」
「……あざっす」
にこやかな時枝としおらしい智也の姿に、椿姫はまた鈴のような笑い声をあげる。
「おしゃべりもお菓子も、ゆっくり味わって頂戴ね。――シグレ、お茶のおかわりを」
「かしこまりました、っと」
シグレが紅茶のおかわりを注いでまわる。
宝石のように赤いダージリンは、カップの中で午后の日差しに揺れてきらきらと光っている。
客人たちは楽しそうだ。主人の椿姫も。それをみて、シグレも小さく笑みを零した。
……こんな日も、たまにはいいか、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
103人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月27日
参加申し込みの期限
2014年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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