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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【期末テスト】赤点？ 満点？？ 夏目前、四日間の死線
●３日目：音楽
自分は音楽初心者だ、と鴇波 羽衣は思っていた。
高校になって友達に誘われて、楽器が出来るようになればいいな、なんて軽い気持ちで入ったクラシック同好会。だが、そこにいたのは当然ながら音楽のことをよく知ってる人達ばかりで、羽衣は気おくれするばかりだった。彼らが音楽用語で話していると意味がわからないこともあったし、そもそも譜面の読み方や楽器の鳴らし方だってイチからだ。経験者の彼らに置いていかれるのが怖くて気持ちばかり焦る日々。だけど、そんなとき同好会の人が言ってくれた。
――「肩肘張らずに楽しくやろう。それが音楽だよ」って。
試験用紙が配られる。羽衣はそれを、いままでと違う想いで受け取る。
（あれからなんだ、みんなに音楽を教わるのが楽しくなったの）
音楽のテストは小さい頃から楽器をやっていて詳しい人は簡単に満点が取れちゃうような教科だと聞いたことがあった。
（あたしはそういうのやってなかったから、今まではだいたい平均的な点数だったけど……今回音楽のテストでいい点数取ったら、みんなに少し近づける気がする。頑張って、教えてくれたみんなに報いたい！）
始まってしばらくの間、試験は平穏に進んでいた。休み時間に聞いたジャズアレンジお経が、一時みんなの気持ちをリフレッシュしてくれたからだろう。
だが、陽気とお経のコンボは、１分１秒過ぎるごとに生徒たちの精神力をまた削ってゆく！
（ねむい……昨日遅くまで頑張りすぎたやろか……ふわぁ）
（数学終わってほっとして眠くなってきたよ……ふわぁ）
近ごろハッピーな、西野町とうふ店のお嬢さん西野町 かなえと猫鳴館の座敷童な雨崎 荒太郎は、ふたり揃って大きく欠伸をした。なにしろ周りから心地よい寝息がいくつも聞こえてくるのだ。
カリカリと問題を解く音すら子守唄に聞こえてきて、すでにどちらが先に落ちるかという状態である。
（……あれ、とうふちゃん寝ちゃった？ 豆腐屋は朝早くて大変だろうから無理もないよね。それに今日はお弁当も作って来たって言ってたし尚更だよね。テストじゃなかったら寝かせてあげたいけど……今はダメだよー）
荒太郎は、勝手に触ってごめん、と心の中で手を合わせてから、一方の手は問題を解きつつ、もう一方の手を先生に見つからないように机の下から忍ばせて、かなえの身体を揺すった。
（起きてー起きて―）
「……んん……」
（起きてないのかな、テスト中だから顔見れないな。見れたらいいのに。このつるつるしてる髪とか、細くて可愛い脚とかも、好きだなあ……）
そこでふと我に返って赤面して。
（って、起きてー、起きてー）
「ひゃあ！」
かなえは素っ頓狂な声を上げた。
「どうした西野町？」とクマ先生の声。
「い、いえ、何でもありません！」と言ってから、かなえは真っ赤になって荒太郎の方を睨む。
（もー……こーたろーくんが変なとこ触るからー）
だが、ごめん、と荒太郎が両手を合わせるのを見た途端、かなえは申し訳ない気持ちになって表情を緩めた。
（……ごめん、八つ当たりやったね、頑張ろ？）
そんなふうに秘めやかに行っているつもりだったイチャイチャは、結構まわりにバレバレだった……。
（ちぇ。いいなあー。俺も彼女ほしいわー。海に行きたいなー女の子と一緒に遊びたいなー）
安本 マコトはかなえや荒太郎の様子が丸見えの後方の席にいて、そちらから飛んでくるハートマークの気配を本気で羨ましがっていた。
（はー。ぽかぽかいい天気だなー。こんな日にテストとかやってる場合じゃないってのマジでー）
この夏こそは彼女が欲しい。
チャラチャラしているように見えるけれど、彼女いない歴１６年。女の子への夢膨らむ１６歳の少年としては当然の願いである。
いつか彼女とデートするための軍資金はちゃんと貯めてある。
しかも、その軍資金を稼ぐためにはじめたファミレスのバイトが、マコトの性に合っていたのも幸運だった。
（女の子の接客できるしー、お金も貰えるしー、面白い人と知り合えるしでー、サイコーじゃん？）
結局バイトが楽しくてテスト勉強などというものはろくにやっていないのだが、マコトにとってそんなことは些事である。彼は超プラス思考だった。
（テスト終わったら夏休みじゃーん。マジハッピーじゃーん。赤点？ 取るわけないっしょ。なんとかなるってー）
たしかにこの音楽のテストは、何故だかわからないが妙に快調だった。他の教科は、アレなのもあるが……。
（……それにしてもなんか眠くねー……？）
自分は音楽初心者だ、と鴇波 羽衣は思っていた。
高校になって友達に誘われて、楽器が出来るようになればいいな、なんて軽い気持ちで入ったクラシック同好会。だが、そこにいたのは当然ながら音楽のことをよく知ってる人達ばかりで、羽衣は気おくれするばかりだった。彼らが音楽用語で話していると意味がわからないこともあったし、そもそも譜面の読み方や楽器の鳴らし方だってイチからだ。経験者の彼らに置いていかれるのが怖くて気持ちばかり焦る日々。だけど、そんなとき同好会の人が言ってくれた。
――「肩肘張らずに楽しくやろう。それが音楽だよ」って。
試験用紙が配られる。羽衣はそれを、いままでと違う想いで受け取る。
（あれからなんだ、みんなに音楽を教わるのが楽しくなったの）
音楽のテストは小さい頃から楽器をやっていて詳しい人は簡単に満点が取れちゃうような教科だと聞いたことがあった。
（あたしはそういうのやってなかったから、今まではだいたい平均的な点数だったけど……今回音楽のテストでいい点数取ったら、みんなに少し近づける気がする。頑張って、教えてくれたみんなに報いたい！）
始まってしばらくの間、試験は平穏に進んでいた。休み時間に聞いたジャズアレンジお経が、一時みんなの気持ちをリフレッシュしてくれたからだろう。
だが、陽気とお経のコンボは、１分１秒過ぎるごとに生徒たちの精神力をまた削ってゆく！
（ねむい……昨日遅くまで頑張りすぎたやろか……ふわぁ）
（数学終わってほっとして眠くなってきたよ……ふわぁ）
近ごろハッピーな、西野町とうふ店のお嬢さん西野町 かなえと猫鳴館の座敷童な雨崎 荒太郎は、ふたり揃って大きく欠伸をした。なにしろ周りから心地よい寝息がいくつも聞こえてくるのだ。
カリカリと問題を解く音すら子守唄に聞こえてきて、すでにどちらが先に落ちるかという状態である。
（……あれ、とうふちゃん寝ちゃった？ 豆腐屋は朝早くて大変だろうから無理もないよね。それに今日はお弁当も作って来たって言ってたし尚更だよね。テストじゃなかったら寝かせてあげたいけど……今はダメだよー）
荒太郎は、勝手に触ってごめん、と心の中で手を合わせてから、一方の手は問題を解きつつ、もう一方の手を先生に見つからないように机の下から忍ばせて、かなえの身体を揺すった。
（起きてー起きて―）
「……んん……」
（起きてないのかな、テスト中だから顔見れないな。見れたらいいのに。このつるつるしてる髪とか、細くて可愛い脚とかも、好きだなあ……）
そこでふと我に返って赤面して。
（って、起きてー、起きてー）
「ひゃあ！」
かなえは素っ頓狂な声を上げた。
「どうした西野町？」とクマ先生の声。
「い、いえ、何でもありません！」と言ってから、かなえは真っ赤になって荒太郎の方を睨む。
（もー……こーたろーくんが変なとこ触るからー）
だが、ごめん、と荒太郎が両手を合わせるのを見た途端、かなえは申し訳ない気持ちになって表情を緩めた。
（……ごめん、八つ当たりやったね、頑張ろ？）
そんなふうに秘めやかに行っているつもりだったイチャイチャは、結構まわりにバレバレだった……。
（ちぇ。いいなあー。俺も彼女ほしいわー。海に行きたいなー女の子と一緒に遊びたいなー）
安本 マコトはかなえや荒太郎の様子が丸見えの後方の席にいて、そちらから飛んでくるハートマークの気配を本気で羨ましがっていた。
（はー。ぽかぽかいい天気だなー。こんな日にテストとかやってる場合じゃないってのマジでー）
この夏こそは彼女が欲しい。
チャラチャラしているように見えるけれど、彼女いない歴１６年。女の子への夢膨らむ１６歳の少年としては当然の願いである。
いつか彼女とデートするための軍資金はちゃんと貯めてある。
しかも、その軍資金を稼ぐためにはじめたファミレスのバイトが、マコトの性に合っていたのも幸運だった。
（女の子の接客できるしー、お金も貰えるしー、面白い人と知り合えるしでー、サイコーじゃん？）
結局バイトが楽しくてテスト勉強などというものはろくにやっていないのだが、マコトにとってそんなことは些事である。彼は超プラス思考だった。
（テスト終わったら夏休みじゃーん。マジハッピーじゃーん。赤点？ 取るわけないっしょ。なんとかなるってー）
たしかにこの音楽のテストは、何故だかわからないが妙に快調だった。他の教科は、アレなのもあるが……。
（……それにしてもなんか眠くねー……？）
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年02月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年03月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年03月06日 11時00分
