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勿忘草の誘い
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【静かな湖畔と鮮やかな虹の香り】
旅鴉 月詠
は新しい作品のインスピレーションを求めてあてもない散歩をしていた一人だった。
そして彼女もまた勿忘草のプレートがかかった扉を開いた。
なんとなく気になった。
本当に、なんとなく、だ。
何かに呼ばれたなんてかっこつける柄でもない、ただ自分のアンテナがココに傾いただけのこと。
「ビンゴ」
でもなんとなくで入った場所は月詠に何かしらのインスピレーションを与えてくれそうなそんな場所で。
少しだけ嬉しそうな笑みを浮かべてキャスケットをかぶり直した。
ポプリなら月詠も依然作ったことがある。
それは月詠の感性が如何なく発揮されていて、透明なガラスポッドの中で何種類かの花弁が絶妙な色合いで混ざり合い、目に楽しい作品だ。
「でも餅は餅屋。プロに調香して貰うのが最も良い」
「そう言って戴けると光栄だね、マドモワゼル。どんな香りがお好みで?」
「そうだね、ちょっとイメージしたいから、そこの椅子を借りても良いかな」
月詠はそう言って店の一角に置かれたアンティーク調のゴブラン織りの布が貼られたソファを指差す。
あくまでも飾りとして備え付けられた小さなソファだが、小柄な月詠が座るには十分な大きさだった。
由季也はそれを快諾し、月詠はソファに腰かけ、店の中の香りを吸い込み目を瞑る。
(思索の森……)
そこから月詠のイメージが始まった。
(静寂の水、それを凪ぐ風)
月詠の心の森の中に波紋一つなく静かに広がっていた湖、その水面を風が撫でる。しかし、そこにたつべき波紋は広がらない。
(波のない美しい湖に踏み入り、横たえ、そのまま水底へ落ちていく)
湖の中央に横たわるのは他ならぬ月詠自身の体。
それがゆっくりと水の底へと沈んでいく。
恐怖は無かった。
冷たさも、苦しさもない。
ただ、徐々に、確実に。
水で視界が歪むが、無数の泡と空から降り注ぐ光、そして目の前を過っていく魚の群れが解る。
そうして月詠の体と意識は湖の底へと落ちていった。
「旅鴉……?」
「おや、そのお嬢さんのお友達かな?」
イメージを追いかけている内に眠りこけてしまった月詠を見つけたのは
御剣 刀
だった。
「そんなものです。すみません」
安らかな寝息を立てている月詠の代わりに刀が申し訳なさそうに頭を下げれば由季也は声を殺して笑う。
「いやいや、いーのよ。女の子の寝顔なんて滅多に拝めないし。ところでキミは何か贈り物を探してるのかな? それとも自分用?」
「贈り物用です。俺は知識ないんで、良かったら選ぶのにアドバイス欲しいんですけど……」
「ふふー、お安い御用さ。で、どんなコにあげたいのかな?」
「ええと、まずは」
「ん?」
まずは、という切り出しから解るように、刀が香水を贈りたいのは一人ではなかった。
由季也も三人までは笑いながら聞いていたが、四人目辺りから神妙な顔つきになり、七人目まで聞き終った時には両手を組んだ上に顎を乗せて真顔になっていた。
「少年、羨まし……じゃない、爆弾の処理には気をつけたまえよ?」
「は?」
由季也の言葉の意味が全く解らずきょとんとする刀の背中にツンと何かで突かれたような感触が走る。
「この天然タラシには何を言っても無駄だよ。無自覚な分性質が悪いんだ」
「おや、おはよう、マドモワゼル」
「旅鴉。どういう意味だ」
ふぁ、と小さな欠伸を一つ噛み殺してから月詠は納得のいかない顔をしている刀の背中に突き付けたペンをぐりぐりとめり込ませる。
「そのままの意味だよ」
「いたたたたっ、ちょ、止めろって!」
「ははは、女の子の忠告は黙って聞くものだよ、少年」
「ああ、そういえばイメージがようやく纏まったんだ」
自分のリクエストがまだだったことを思い出し、月詠は刀を弄るのを止めて起きてからスケッチブックにおこした無彩色のラフ画を由季也に見せた。
「こういうイメージの香りが欲しいんだが」
「ふむ……」
無精髭を撫でながらじっとしばらく月詠の絵を眺めてから由季也は「よし」と小さく呟いて顔をあげた。
「大体のイメージは掴めたよ。じゃあちょっと探してくるから少し待っててくれるかい?」
「はい」
「ああ、急かすつもりはない」
そうして店の奥に一度引っ込む由季也の背中を見送った後、月詠は溜息を一つ漏らして刀に問いかけた。
「で、七つ買うのかい?」
「ああ、バイト代も入ったし、いつも世話になってるからたまにはお返ししないと思ってな」
「……本当に同列なのか」
「なんか言ったか?」
「なんでもないよ。ただ君は本当にしょうがない奴だなと思っただけだ」
そんなやりとりをしている内に由季也が一つの箱と、一本の瓶を持って戻ってきた。
「お待たせ、じゃあまずマドモワゼル。君にはこの香りなんてどうだろう?」
月詠に差し出された香水瓶は透明な若葉色が底にいくに従い深く濃い松葉色に変化しているグラデーションを形成していた。
瓶の表面には一枚の葉っぱのレリーフがあしらわれている。
「色、形は申し分ない。では肝心の香りは……?」
まず鼻をくすぐるのはウッディな香り。そして水の香りも後を追うようにやってくる。森の中の湖畔、そんなイメージに沿った香りだ。
「1プッシュで今みたいな感じなんだけど、2プッシュしてつける量を増やすとこんな感じだよ」
そう言って由季也がテスターにもう一度香水をふきつけると、ぐっと水の香りが強まった。かといって森の匂いが消えたわけではない。湖に落ちたて沈んだ葉は湖と一体化したのだ。
湖の底、しかしそこは陰気な場所ではなく、光の注ぐ場所で。
香りも決して陰鬱な気分を誘うものではなく、むしろ煮詰まった頭をリフレッシュさせたり、気持ちを落ち着けてくれる、そんな香り。
「ああ、これだね。いただくよ」
月詠は迷うことなくその香水を買うことにした。
支払いも躊躇ない。
(帰ったら早速先程の夢を絵にしてみよう。香りを嗅ぎながら描けば、きっと完成する。テーマはそうだな……『水底から見た光』)
そうして月詠が創作に意識を傾けている隣で刀は由季也の開いた箱の中を覗き込んでいた。
「丁度七人だし、それぞれのイメージにも合いそうだからね。七本で1セットの珍しいものなんだけど」
そう言って箱の中から一本ずつ取り出して並べると、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色のボトルはまるで虹のようだった。
「いつも傍にいて君を助けてくれる優しい子には、その子の瞳と同じ青色の香水。春の花々を集めたような香り。
厳しさと優しさを兼ね備えた凛とした彼女には落ち着きのある藍色の香水。爽やかだけど芳醇なテッポウユリの香り。
大人しくて控えめなのに妖しい魅力を秘めているミステリアスな女の子には紫色の香水。カトレアのようにスパイシーでバルサミックな香りをベースに、溶けるような甘さを持ったガーデニアの香りが混ざってるよ。
いつも元気で万華鏡みたいな彼女には髪色にちなん緑の香水を。瑞々しいグリーンアップルの香りの中に、蜂蜜やグレープフルーツの香りが隠れているんだ
傷ついた美しい紅薔薇の子には迷わず赤色の香水を。薔薇がベースの香りだけど、それだけじゃない。時間が経つとムスク様の香りになってよく体に馴染んで、つける人の心を落ち着かせてくれる、そんな香り。
真面目すぎるけど明るく眩しい、まるでヒマワリの様な彼女にはやっぱり黄色を。蜂蜜と檸檬の健康的な甘さを持った香りで、彼女もたまにはハメを外してくれると良いね。
そして最後の義理堅くて真っ直ぐ、更に気高い女の子には橙色の香水を。甘いだけじゃなくてピリッと引き締まる、オレンジとスパイスの香りをどうぞ?」
一本ずつ説明を受け、香りを嗅ぎながら贈り先である少女達の顔を思い浮かべた刀は納得顔で頷く。
そして一本ずつ色違いのリボンを結んで貰い、刀は七色の香水瓶が入った箱を抱えて帰路に着いたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月26日
参加申し込みの期限
2014年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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