シーサイドタウンのとある路地裏に、ひっそりと営業している香水専門店がありました。
店の名前は『Herbe d’ amour』。
勿忘草の描かれたプレートがかけられたドアを開けば、様々な形をした数多の香水瓶が来訪者を一斉に見つめてくるでしょう。
ある瓶には月、ある瓶には鈴蘭、ある瓶には猫のラベルが貼り付けてあります。
ラベルの種類も指折り数えるのは大変な程。
普段見掛ける有名なブランドの香水はここにはありません。
どの香水もみな、店主である調香師が生み出したオリジナル。
たった一瓶しかないものも珍しくありません。
さて、7月上旬のとある日のこと。
シーサイドタウンに来ていた
弥逢 遊琳は見知らぬ一人の男とすれ違い、思わず振り返りました。
「……? なんだろう、この香り」
すれ違った男が纏っていたのは遊琳がいままで嗅いだことのない不思議な香りだったのです。
決して不快な香りではなく、むしろ人の心を捕らえるような甘い香り。
モノクルをかけたその男は鼻歌を歌いながら勿忘草のプレートがかけられた扉の奥へと消えて行きました。
「『Herbe d’ amour』?」
香水を普段愛用している方も、そうでない方も。
今日は特別な香りを見つけにいきませんか?
お久しぶりです、生きていました本条です。
今年初のガイドになりますが、興味が湧きましたらどうぞよろしくお願いします。
今回のシナリオの舞台は不思議な香りが漂う香水専門店。
お店の雰囲気や買い物を楽しみつつ、物想いに耽ったり、何かのキッカケを作っていただけたらと思います。
◆アクションを書くにあたって
店には香水(練り香含む)、石鹸、香り袋があります。
購入を考えている場合は
・どんな香りが好きなのか。
好きな香りはうまく言葉に出来ない場合は何が好きなのか(食べ物だったり、太陽だったり、雨だったり、海だったり、人だったり)。
・どんな気分になる香りが欲しいのか。
そういった情報をアクションに詰め込んで戴くと、欲しい香水と出会えます。
具体的に瓶の形や香りについてのリクエストがあれば明記して下さい。
勿論買わずに店の雰囲気だけ楽しむのも問題ありません。
お店へはなんとなく辿りついてしまった、噂で聞いてやってきたなどでもいいですし、社会人さんならどこかのバーで店主と会って話を聞いたでも構いません。昼か夜かなどもご自由に設定して下さい。
香水のお値段に関しては普通の高校生がバイト代やお小遣いを奮発すれば購入可能な程度です。
自分では見つけられないので店主に探して貰ったり、購入とは関係なく話しかけたりしていただくのもOKです。
店主以外のNPCは姿を現すことはできませんが名前を出すことは可能です(例:教頭先生にプレゼントしたい香水を探しにきた)。
◆NPC情報
店主:高松 由季也(たかまつ・ゆきや)
フランス帰りの調香師。
36歳。
モノクル(趣味)をかけた、無精髭の似合う気さくなおっさんです。