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【新入生歓迎会】挑め! 新入生歓迎大祭、略して……新歓祭!
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●海原茂会長って……?
舞台転換と水浸しの舞台を拭く時間を含めて、ここでいったん小休憩となりました。
立ち上がって伸びをする人、お手洗いに行く人、おやつにする人、移動して知り合いと話す人など、みな思い思いに時間を過ごします。
「会長さん」
隣よろしいですか、と海原会長の隣に、ひとりの少女が腰を下ろしました。
「構わないが……」
彼は彼女を見ます。
「一年生だね?」
「はい。
綾瀬 エルミル
と言います」
「申し遅れてしまったな……生徒会長の海原だ。よろしく頼む」
冗談の要素などまるきりなく、純度100パーセントの真顔で海原会長は告げました。ここにいる生徒だから当然、自分のことを知っていると思ってもよさそうなのに、それでも名乗り返さずにはおれないようです。
これは噂に聞く以上の、コチコチ真面目人間かもしれません。
それでもエルミルは物怖じすることなく、
「芋ケンピ、食べません?」
と薦めました。しっかり彼女は、大好物の芋ケンピの袋を持参してきたのです。
「……」
ところが会長は、しばらく黙って袋を見つめています。
「えっと、ここ、飲食自由でしたよね?」
「もちろんだ。だが申し訳ないのだが……」
海原会長は、軽く目を伏せて言いました。
「俺は甘いものが苦手だ。好意だけ、いただいておくよ」
ついっ、と二本の指で眼鏡を直す仕草がクールです。しかし見ようによっては、冷淡なようにも受け取られそうです。
エルミルは会長の声色から、彼が本心から申し訳ないと言っているとわかりました。
でも、と思います。
――会長さん、笑えばもっと素敵なのに。
海原会長は美形です。凛々しい目鼻立ちに上品な口元、近くで見ると肌も綺麗で、ますますその印象は強まりました。イケメンなどという安っぽい表現ではなく、『高雅』という言葉を贈りたくなります。高雅な美少年、そう言っていいでしょう。
けれどそれだけにエルミルには、彼の喜怒哀楽に乏しいところが惜しまれるのです。
愛想良くしろとまでは言わずとも、今よりいくらかでもにこやかにするだけで、もっと敬愛される生徒会長になるでしょうに……。
気を取り直してエルミルは言いました。
「……あ、でも、芋ケンピって食べたことありませんよね?」
「ああ」
「なら是非、試してみませんか? 甘いだけじゃなくて、こう、香ばしくてカリっとしていて……幸せな味なんですよ」
せめて一本、いや、一口でも――そう迫ってみるのです。食わず嫌いなんてもったいないから。
けれど茂は、静かに首を横に振りました。
「悪いが……」
このとき、
「失礼? それ、芋ケンピだね」
もらっていいかい? と朗らかに笑って、彼女の隣に腰を下ろす姿がありました。
「やあ、どこかで会ったことなかったかな?」
男の上級生です。ちょっとした有名人なので、エルミルも彼のことは知っていました。
鷹取 洋二
。芸術科所属の二年生。
なんともつかみどころのない人で、この春先にちょっとした騒動を引き起こしたりしたのですが、大して気にもせず飄々としているといいます。もしゃもしゃっとした髪が、『ワカメ頭』とあだ名されていることでも知られていました。
「あ……はい、どうぞ」
すると彼は、さっと袋に手を伸ばし、二三本つまんでポリポリとやりはじめました。
「うん、美味しい。昔ながらのお菓子ってやつだ。いいよねえ、この心和む味わいは……僕は合成甘味料たっぷりの現代駄菓子も好物なのだけれど、こういうクラシックで優しいお菓子も好きなんだよ」
問われもしないのによく話す先輩ですが、芋ケンピを誉められたのでエルミルも嬉しくなって、簡単に自己紹介して話します。
「はい、芋ケンピ美味しいですよね。私一時はスーパーでも見かける機会は減りましたけど、最近はコンビニでも気軽に手に入るようになりましたし。超おススメです。カロリーも高めで糖分をしっかり補給できるので登山などの非常食にもなりますし!」
「登山に行くことはしばらくなさそうだけど、覚えておくよ」
などなど、エルミルと洋二が話しつつ芋ケンピを美味しく食べていますと、
「……では一本だけ」
黙って聞いていた茂が、そっと手を伸ばしたのでした。
「美味い……と、思う。それほど甘くないし」
ぽつりと言った茂の口元に、ふっと微笑のようなものが浮かんだのをエルミルは見逃しませんでした。エルミルの『ろっこん』で幸せな気持ちが伝播したのでしょうか。それとも、自然に生まれた笑みでしょうか。
いずれにせよ、エルミルは思うのでした。
――やっぱり、笑ったほうが素敵です。
「さて、そろそろ戻るとするかな」
洋二は立ち上がって、フフと謎めいた笑みを見せました。そして去り際、
「北風と太陽、さ」
と一言、エルミルにだけ聞こえるよう言い残したのです。
……エルミルはすぐに、洋二の言葉の意味を理解しました。
アオザイを着たすらりと背の高い少女が、ステージの中央に立ちました。
シダ 美穂戸
です。はいっ、と片手を挙げて彼女は挨拶しました。
「シンチャオ シダはメ(母)がベトナム出身だから半分ベトナム人 よろしく」
なお『シンチャオ』というのはベトナム語で、『こんにちは』という意味です。
「シダ 今回 ベトナム格闘技ボビナム演舞見せたい思う」
シダがそう宣言すると、人間ほどもある巨大な藁人形のようなものが、さっと彼女の前に登場しました。
もちろん藁人形が自分の足で歩いてきたわけではありません。
大道具小道具係の
佐藤 英二
が運んで来たのです。
本日、英二は裏方、それも目立たないアシスタントを希望しました。ですのでこのときも、実に……実に目立たずに作業を終えたのです。黒子のように。ですので大半の観客は、藁人形のほかには注意を向けなかったことでしょう。
――これでいい。
小さく頷くと英二はさらに、影のように舞台脇の階段を昇っていきました。
やはり彼に注目するものは誰もいません。完璧なまでのサポート役といえましょう。
ステージではシダが話しています。
「この等身大人形は技をうけてもらう用。……まだシダ友達いないから人形用意した」
ぽん、と人形の肩を叩いて頭をカクッと下げたシダですが、すぐに顔を上げて客席に笑顔を見せました。
「『かわいそうなシダ』 今そう思った人 あとでシダの友達になってくれるといい」
そしてウインク。なんとも魅力的です。
ですがキュートなのはここまで、次の瞬間、蜂のように鋭くシダは攻撃を人形に叩き込みました。
「まずは型 突き 打撃技 跳躍」
言いながら目にも止まらぬ連打を加えた後、
「どう? ファンタスティック?」
またも陽性の笑顔でポーズを取ると、
「シダが得意なのは足技 蹴り大好き!」
気合いと共にハイキックを繰り出したのですが、なにを思ったか、シダは突然演舞をやめました。
「あ シダの来ている服 アオザイというベトナムの民族衣装 チャイナドレスに似ているけど違う パンツをはくのでダイナミックな蹴り技を出しても下着見えない」
と解説してくれたのです。ちぇ、と残念に思った男子は一人や二人ではありますまい。
ところがまた彼女は、なにかひらめいたようです。
「あ 生徒会長を喜ばしたら勝ちだったか……」
呟いて海原会長のほうを見ます。
茂はただ、真面目な顔で彼女を見上げていました。(彼の隣にはエルミルがいます)
海原茂会長が、実はかなりのむっつりだという噂はシダも聞いたことがありました。
なので、彼女は決断したのです。
「じゃシダ ここからの演舞 パンツ脱いでやるよ」
言うが早いか、彼女はパンツ(下着という意味ではなくズボンですね)をぽーんと脱ぎ捨てました。
「大丈夫 シダほどになると どんな動いても下着がぎりぎり見えないところで演舞できる」
思わず席を立ちかけた男子は、やはり一人や二人ではありますまい。
「シダの脚線美をとくとごらんあれ」
そこから繰り出されるのは、舞のような美技の数々。
「モッ ハイ バー ボン シダ ダダ ダダ!!」
彼女が身をしならせます。青竹のように。
稲妻のごとき蹴撃が、乾いた音を立て藁人形を激しく打ちました。
そして回転、二本の脚が風車のように巡ります。
無論、ここから矢継早に蹴りの連続です。ドロップキックのように両脚を使った激しい技まで飛び出しました。
迅い。
鋭い。
凄い。
離れている席からでも、空気が断ち切られる唸りが聞こえるかのようです。
「チュックマイマーン みんな愛してるー!」
声上げて激しい跳躍。
人形の頭部を自らの両脚で挟み込んで捻る……つもりが千慮の一失、シダは転んでしまいました。
――あっ!
立ち上がった生徒は少なくない。
会長も、実はその一人でした。
シダは転倒して尻餅をつきます。アオザイのスリットがまくれ上がり……まさか!
これが功成ったら完璧な作戦、シダは策士でマジ孔明と称されたでしょうが、ここで舞台係の英二が、非情にしてぬかりのない装置を稼働させたのでした。
がん。
……と降ってきたのは、古典舞台ギャグには欠かせない、大きくて平らな金だらいだったのです。
これぞ英二の発明。不意討ち的に行う強制オチマシーン、その名を『金タライが落ちて来る装置』(そのまんま)です。これは安全装置という意味もありました。
要するに、シダの危うい場所が危ういことになるはめは免れたということでした。
これで海原会長もガッカリ……いや、ほっと安心です。
「見事な演舞だった」
一瞬我を失ったように見えた茂でしたが、たちまち生徒会長の顔に戻ってパチパチと拍手をしました。
拍手を捧げた相手はシダであり、タライの主(つまり英二)であったことでしょう。
なんとなく会長が残念そうな顔をしていると見えたとしたら、それはきっと気のせいです。……ええ、きっと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
80人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月01日
参加申し込みの期限
2013年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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