this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
キャットアイランドに行こう
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
14
つぎへ >>
●取り残された時の中●
時は遡って、そこは夕日に染まる前の、現実世界の旧市街エリア。
浅葱色の空の下、
御鏡 聖
は自転車を漕いでいた。
自転車のカゴで揺れるのは、本の入ったバッグ。
今日は一度学校から帰った後、寝子島図書館で本を借りて来たのだ。
港の方から流れてくる海風が、サイドに結んだ髪を軽くなびかせ頬を撫でていく。
「気持ちが良いですね……」
幼い頃は病室や自室の寝床で過ごす事が多かった彼女にとっては、より強く意識している分空の色も風も快い感慨を与えてくれる。
思わず鼻歌を風に乗せながらペダルを漕いでいると、前方の道端に立つ複数の人影が目に入ってきた。
近付いていくにつれ、殆どの人物が寝子島高校の制服を着た同級生たちで、その中心にいるのが
島岡 雪乃
先生だと分かる。
島岡先生と向かい合って話している少年は、聖のクラスメイトで学級委員を担う
市橋 誉
だ。
「どうしたのでしょう?」
怪訝に思った聖はブレーキを掛け、降りた自転車を転がして集団に近付いて行く。
「あ、こんにちは」
チェーンが回転する音に気付いた
綾辻 綾花
が気付いて、挨拶してくる。
「こんにちは。何かあったのですか?」
それに応じて尋ねた聖の声に、各々の挨拶や会釈が返ってきて。
「え、えっと、実は……」
島岡先生はいつもの調子で、恐らくさっきまで誉に説明していたのと同じ、引き篭もりの生徒宅への訪問の話をした。
「あの、そうしたら、皆さん心配だからって一緒に来て下さったんです。
嬉しいですね、こんなにお友達を心配してくれる生徒たちがいるなんて……」
心配なのは先生の方だよ。
何人かは確実にそう思ったろうが、優しいみんなはほっこり微笑む島岡先生を前に黙っている。
「神木くんが心配なのは確かですし、先生の力になりたいと思って」
友達になれたら良いな、という
綾辻 綾花
に反応して
椿 美咲紀
が元気に手を上げる。
「はいはいっ、私も神木君とお友達なりに行くの!
今朝のTV占いによると、新たな出会いに期待! って言ってたから、きっと良い出会いになるよ~」
のほほんとした美咲紀の様子は、島岡先生とはちょっと違った方向で心配かも知れない。
一歩退いた場所にいる
森 蓮
は、そっと気遣わしげな眼差しで見守っている。
なにしろ寝子島高校からここに至るまで、同行者とお喋りしていて電柱にぶつかりそうになったり、ちょっとしたドジを何度か見せていたものだから。
「私は1-1四天王……ではなくて学級委員の一人として! クラスメイトの問題解決に努めるつもりですっ」
と意気込むのは、本人の言う通り1組の学級委員を務める
上泉 睡蓮
だ。
「お部屋でずっとゲームやネット三昧だとしたら、ひっじょーにうらやまけしからんですっ!」
ぐぬぬし掛けた彼女は、島岡先生と同級生達の眼差しにはっと現実に返った。
あ、いえ……と視線を巡らせ。
「こほん……1組の学級委員として捨て置けませんから!」
ぐっと拳を握り締めた。
「俺は、旧市街方面へ食材の買い物に来たところだったんだ」
睡蓮の残念な部分を垣間見つつもそっとして、誉は自分がここにいる経緯を話す。
星ヶ丘寮で暮らす彼にとっては、学校帰りならシーサイドタウンで買い物をした方が早い。
けれど、旧市街には昔ながらの美味しい食材や惣菜を売る店が多く、今日もその店目当てで足を伸ばしたのだという。
話している間にも、誉は彼らと一緒に直樹の家に行くつもりになっていた。
自分がそんな気になるとは思いも寄らなかったけれど……。
(同じ年に入学した縁だし、それに……寝子高は面白い所なのに。
入学式しか体験せずに不登校なんて、物凄く勿体無いじゃないか)
学校の面白さを、少しでも伝えてやりたい。
誉の想いが伝わったのか、綾花も睡蓮も頷いた。
鞄からぴらっとクリアファイルを出し、美咲紀は付け足す。
「あと、私は美化委員たよりを配りに来たのよ。
私は3組だけど、1組の美化委員の代わりにね」
「熱心なんですね」
感心げな聖に、美咲紀は「学校のみならず、身近な場所の美化推進とその啓蒙は美化委員の役目ですから!」とえっへん、胸を張った。
みんなが話し終えてから、蓮は控えめに口を開いた。
「直樹さんの不登校の理由は色々考えられるので、直接会って確かめようと思ったんです。
対面すれば抱きしめたり、身振り手振りで、濃厚に考えを伝えられますから」
年嵩に見える顔立ちと坊主頭の彼がそう言うと、かなり達観しているように見える。
島岡先生はといえば、生徒たちの頼もしい様子にほやや~んと周囲にお花でも咲きそうな勢いで和んでいた。
しっかりして。
「あの、お節介かも知れませんが、私も一緒に行って良いですか?」
「まあ、御鏡さんも来てくれるの? もちろん、勿論ですよ」
聖が申し出ると、島岡先生は胸の前に両手を重ねて嬉しそうに笑った。
「あ、そ、それじゃ行きましょう。なんだか、社会見学の引率みたいですっ」
ちょっとうきうきした足取りで歩き出した先生を先頭に、一行は杜の湯方面へと向かった。
少し古い時代の匂いが残る風景の中に佇む、二階建ての一軒家。
島岡先生は『神木』の表札が掛けられている門の前で、ぽけーっと家を見上げていた。
睡蓮がこそりと声を掛ける。
「入らないんですか?」
「あ、ええ……そうですね。ちょっと、意外だと思って」
はっとした島岡先生がしどろもどろに言うので、生徒達は疑問の眼差しで彼女を見る。
「えっと、その、神木君のお父さんは、建築デザイナーさんだそうですから」
「景観に合わせて、無闇に新しい建物にしないだけじゃないですか?」
とりあえず放っておくと今はあまり関係ない事で時間を食いそうなので、誉は冷静にそう言って開いたままの門扉に視線を流す。
「あっ……そっ、そうですね……周りの風景に合わせて、ですね」
うんうんと頷いて、先生はやっと神木家の門を潜った。
ピンポーン。
チャイムも普通だ。
壁越しに女性の返答が聞こえ、玄関の扉を直樹の祖母が開いた。
「島岡先生、お待ちしておりました……あら、その子たちは?」
彼女の笑みは、島岡先生の背後に並ぶ生徒達を見て不思議そうな表情に変わった。
先生はどもりながら丁寧に挨拶をして、
「あ、あの、この子たちも、直樹君が心配だと、一緒に来てくれたんです」
「まあ……」
直樹の祖母は目を丸くし、次に申し訳なさそうな、困ったような顔をした。
「皆さん、直樹の為にわざわざありがとうございます。学校にもまともに行ってないのに……」
小さく頭を垂れると、彼女は「とにかく、上がって下さい」と一行を招き入れた。
玄関から見える家の内装も、古き良き時代を思わせるようなものだった。
けれど直樹の父か祖母の趣味なのか、置かれた家具やインテリアはお洒落な配置で、和モダンな雰囲気を醸している。
壁に掛かる着物地のパッチワークを飾った額の前を通って、島岡先生と生徒達はひとまず一番手前の和室に案内された。
居間件応接間なのか部屋の中央にローテーブル、庭に面した窓際の隅には割と大きいTVが置かれている。
奥の和室への襖は開かれていて、隣の部屋の奥には仏壇が見えた。
直樹の祖母が人数分の座布団を並べ、一同は座卓を囲んだ。
「あ、えっと……お構いなく」
島岡先生の遠慮がちな声に微笑みながら、直樹の祖母はお茶を淹れた。
芳ばしい香りと湯気を立てる湯飲みを前に、美咲紀はきょときょと庭や部屋の中を見回してから、隣の綾花に肩を寄せた。
「直接神木君のお部屋に行くんじゃないのね」
「結構な人数でお邪魔してしまいましたからね。
それに、神木くんのお祖母様にも事情を聞いた方が良いでしょうし」
小声に小声で返す綾花に、美咲紀はなるほど~と納得顔だ。
しかし、当の島岡先生は何から聞いたら良いかと戸惑っているようだった。
直樹の祖母は苦笑じみた表情を浮かべる。
「本当に……すみませんねぇ、ご迷惑をお掛けして」
「いっいえ、そんなっ……私こそ、大切なお孫さんをお預かりしたのに、至らないばかりで……」
ぱっと膝立ちになり掛けた島岡先生だったが、言葉を紡ぐうちに再び腰を下ろしてしゅんとしてしまう。
「寝子島高校には、理事長先生のご好意で入れて頂いたのに……」
どうやら直樹はダメな子は捨て置けない情に厚い
桜栄
理事長のツテで、入学したらしい。
「そっか~、だから不登校で受験しなくても高校に入れたのね」
「あ、あは……」
疑問が晴れた美咲紀のあっけらかんとした言葉に、睡蓮は思わずごまかしの念を混じらせつつ脱力した笑いを浮かべてしまう。
「一応、学力的なものは見ていただいたんだけれどね」
直樹の祖母も、眉を下げて微笑む。
「あの、ご飯はきちんと食べてるんですか?」
今なら聞けそうかな、と感じた綾花は思い切って聞いてみた。
狭い空間に閉じ篭ってパソコン三昧では、どう考えても健康な生活は送れていそうにない。
「あまり沢山は食べてくれないし、いつ食べているかまでは分からないけれど……」
食事は直樹の祖母が部屋の前に運んでいるらしく、彼女はそう補足した。
外出もしないのかという問いには、最近は時折早朝に家の外に出ているらしい事が聞けた。
夜明け前にこっそり出て、祖母が起きて家事をし出すより前に戻るのだという。
「尤も、部屋を抜け出している事を、私は知らないと思っているでしょうね」
「外では何を?」
「さあ、そこまではね……でも、近所を散歩してくるくらいの時間でしかないわ」
限定的にでも、外に出るようになっている。
ちょっとは希望があるのでは、と綾花は説得への期待を抱く。
「今までいた世界が嫌になった……という訳ではないのでしょうか?」
そこで、聖はぽつりと呟いた。
何らかの切欠かずっと続いてきた物事のせいかは分からないけれど、直面している状況から逃げ出し、居心地の良い世界に行きたいと願う事もあるのかも知れない。
幼い頃に窓から見た外の景色を、いつ暮れる事も知れぬ抜けるような青い空の下、遠く響く子供達の遊ぶ声を、聖はうっすらと思い出す。
自分もあの時、思ったろうか。
辛い事のない別の世界へ行ってみたい、と。
「そうね……生きていくうちには、嫌な事も避けられない事も増えていくものね」
直樹の祖母は何かを振り返るように答えた。
「色々な経験を経て大人になっていくのでしょうけど、あの子が躓いた石は、すぐに立ち上がるにはちょっと大きかったのかも知れないわ」
言葉の端々に、後悔のような自嘲のような、苦いものが影を落としている。
そんな遣り取りをしている彼女たちの脇で、室内を注意深く眺めていた誉はふと奥の仏壇を吸い寄せられるように見た。
(写真……?)
香炉や花立てのある段に、顔写真の入った写真立てが置かれている。
この位置からでははっきり見えないけれど、顔の脇を流れるウェーブした黒髪に、まだそこそこの年齢の女性だろうと想像は出来た。
「ああ、それね……」
誉の視線に気付いた直樹の祖母は微笑んだままだったが、何処か力ない。
「もしかして」
向き直った誉が零した声に、彼女は仏壇の方を向いて、その実虚空を見詰めるように呟いた。
「心の何処かを置いてけぼりにしてしまったのは、きっと直樹だけじゃないんでしょうね。
だから……このままでは良くないと分かっていながら、何もしてやれなかったんです。
私も、あの子の父親も」
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
キャットアイランドに行こう
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月31日
参加申し込みの期限
2013年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!