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キャットアイランドに行こう
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●Planetarium●
Cat Islandの夜の海辺に、花火が上がる。
「あれもCGで出来てるんだね」
テクスチャも何も張っていない駅ビルの上で足をぶらつかせながら、
円
が笑む。
「基本の部分は僕が作ったやつだけど、結構アレンジして使ってくれてるみたい」
「神木くん、すごいプログラマーになれるかもねー」
円の素直な視線に、直樹は小さく首を動かした。
「元になった言語やプログラムは、原型を作って改良してきた先人たちの賜物だからね。
僕はただ、借り物を組み立てているだけだよ」
そう言って直樹は、円と肩を並べてシーサイドタウン駅の南側のまだ空き地だったエリアに設えられた大きなステージを眺めた。
今はマーメイドラインの白いドレスを着た女性アバターが立ち、有名な童話作家の星座の歌を歌っている。
頭上に広がる星空を、直樹は順番に指差していく。
「あの柄杓の柄から線を延ばして、うしかい座のアルクトゥルスからおとめ座のスピカを繋ぐのが春の大曲線。
アルクトゥルスとスピカに、しし座のデネボラを結んだのが春の大三角形」
「星が好きなの?」
「うん」
月の光が照らす横顔が笑む。
「この星空は、別の空間に作った星の光を撮って投影しているだけなんだ。
全部の星を読み込むのは、ここじゃ重すぎるからね」
「プラネタリウムだ」
ころんと仰向けになった円に倣って、直樹も寝転がった。
「Cat Islandを作ろうって思いつく前は、ずっと星空を作ってた。
5億の星を数えた数学者みたいに」
「そんなに数えたの?」
「ちょっと無理」
軽く笑い合って、少しの沈黙。
「星空の中では僕はちっぽけすぎて、多分、自分が何だかも忘れ掛けてたんだ」
歌は流れ、直樹は口ずさむように呟く。
「でも、今日色んな人たちに会ってさ……閉じ篭ってからこんなに時間が経ってたって、やっと理解出来たんだと思う」
扉を硬く閉ざしていても、蹲ったままでいても、周りの時間はどんどん過ぎていく。
「いつの間にか背が伸びて、声も変わっててさ。
ああ、このままじゃいられないんだなって。
周りでどんな事が起きても僕は確かに『ここにいる』んだ。
もしまた自分の軽はずみな行動が取り返しのつかない結果を招いても……僕は消えてなくなったりは出来やしない」
「どうしてそんな話を……?」
円の問いに、答えがない。
おや、と横顔を覗くと、直樹は据わりが悪そうな微妙な顔で「君は、僕を見付けてくれたからね」とぼそりと呟いた。
「えっと、まあ……桜庭さんは、僕が作ったものをよく見て、理解しようとしてくれただろう?
それだけじゃなくて、思惑は色々あるだろうけど、色んな人が僕を探して……会いに来てくれて。
それって、結構幸せな事なんじゃないかなって思った」
嬉しいと感じられたから、自分は大丈夫なのだろうとも思えた、という。
「見失ってたものが見付かったのなら、良かったんじゃない?」
「うん……」
円は勢いを付けて起き上がった。
遠く南の方にぽつんと建つ大観覧車が、ライトに照らされ回っている。
「綺麗だね」
「うん」
「シーサイドタウンも全体が出来たら、もっと綺麗だよね」
「うん」
「楽しみ」
「……見に行かなきゃね」
「本物を?」
「本物をね」
歌は流れる。
ステージの歌い手たちも次へ次へと移り変わり、来場者たちも歌声に聴き惚れたり盛り上がったり、一緒に楽しむ様子が見て取れた。
本当の世界では顔も名前も知らない歌姫たち。
けれど、そのうち何人かはもしかしたら、知っている人物なのかも知れない。
何処かですれ違った事くらいは、あるのかも知れない。
街角で、或いは学校で。
そして――
会場の隅でぴょんぴょん跳ねている、白いウサ耳の少女を見た者がクジに当たったとか彼女と仲直りしたとか、ちょっとした幸運が密かに振りまかれていた。
Cat Islandはその後、チャンネル1にあった実際の寝子島にある施設や建物を新たに開いた、寝子島の風景再現用のチャンネル0に移行。
チャンネル1は現行のまま、ある一定のガイドラインの範囲内で区画を借りているユーザーの自由を重視した街作りが行われていくとの事だ。
島の発展具合や参加者の増加具合によって、チャンネルは増やされる事になる予定だという。
娯楽面では、ライブの存在を知って刺激を受けた人たちによって、自分の音楽を披露する機会が多く持たれていく事になる。
他にも、麻雀やミニゲームのようなスクリプトも発展の兆しを見せており、そういったものを扱う施設も近いうちに誕生するだろう。
どちらのチャンネルにも寝子島の各駅が設置され、操作に慣れない人にも楽しんで貰えるよう主要な場所へのテレポーターとチャンネル切り替え装置が置かれた。
仮想空間の寝子島の東から南に掛けてレールが敷かれ、今は急場凌ぎで細長い立方体に写真のテクスチャが貼られただけの『ねこでん』が走っている。
そして、直樹は学校に行くようになった。
以前から技術的な部分でもネット上の交流があった協力者を得て、彼が不在でも問題なくCat Islandの運営や管理を行える体制が整いつつあるようだ。
「にゃー」
「にゃー」
「にゃー」
「っと、なんでこんなに猫がいるんだ?」
「動作テスト中なんだよ」
踏まないように避けながら、
博美
は猫の群れの中にいる直樹に近付いた。
「沢山いると同じように見えるけど、よく見ると一匹一匹性格も姿も違うんだよね」
どうやら、友人に見せて貰った猫メモに刺激を受けたようだ。
オブジェクトの猫たちは気侭にうろついたり、毛繕いしたり博美の足にスリスリしてくる。
「動作に問題なければ、島の各所に負荷にならない程度に置く予定なんだ」
「寝子島には猫がいないとな」
「うん」
「……でも、結局なんでここに入れるようになったか、突き止められなかったな」
博美は、少し前に見せて貰った直樹のろっこんを思い出した。
両手の親指と人差し指で作った四角形から一瞬浮かんだ立方体が大きく広がる。
外の景色を遮るのは、六畳間くらいの白い部屋。
「僕のろっこんは、こうやって自分の部屋くらいまでの仮想空間を作る事が出来るんだ」
直樹曰くこの中にいると、外界の影響を受ける事はないという。
「……でも、この空間はそんなに長くは維持出来ないんだよね」
ふっと白壁は消え、仮想の街並みが視界に戻ってくる。
自分の力が全く関係ないとは言い切れないけれど、それだけでこんな大掛かりな世界に人が入れるようにはならないだろうと言っていた直樹も、その事は気になってはいるようだ。
「奈良橋さんが言うように、何らかの意図か……意思みたいなものが関わってるのかも知れない。
ダイブ出来るのが楽しいからって、諸手を挙げて喜んでばかりはいられないね」
思案げにした後、直樹はCat Islandで自分と交流のあるもれいびと思しき人々に「もし手に負えないような事が起きた時には、協力して欲しい」という事を伝えるのだった。
直樹と別れてブラブラしていると、博美のポケットから携帯電話の着信音が響く。
「もしもし? ああうん分かってるよ、今から行くから。
何処にいるって、そりゃCat Island…………うん!?」
普通に出てしまったけれど、途中でダイブ中だったと思い出した彼女の目がまん丸になる。
「この中でもケータイ繋がるのか……」
既に会話を終えてツーと鳴っている携帯電話を耳に当てたまま、博美は呟いた。
チャンネル1の旧市街エリアの一角、テクスチャーショップから続く『トラ猫探偵事務所』への扉。
その奥では、湯気の立つ純白の小洒落たデザインのカップを傾けながら、優雅に安楽椅子に身を預けるキジトラ猫がいた。
逆三角形の鼻が、ふんふんと上下する。
『キャットアイランドに事件の匂いがしますニャ』
呟いた
ねここ
は、ピンと前足でヒゲを弾いた。
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あとがき
担当マスター:
羽月ゆきな
ファンレターはマスターページから!
お待たせ致しました、『キャットアイランドへ行こう』リアクションをお届けしました。
何故かもれいびが入れてしまう不思議な仮想世界でのひと時は、如何でしたでしょうか?
頂いたアクションからとても楽しい様子が思い起こされ、予想以上・予想外のアクションもありで、マスターとしてもとても楽しく執筆させて頂きました。
しかし、楽しすぎたが故に省みなければならない点も多々あるかと思います。
今後も気を引き締めていく所存ですが、参加者の皆様にもそれ以上に楽しんで頂けましたら幸いです。
Cat Islandを舞台としたシナリオは、今後らっかみ!タイムで月1前後のペースで出させて頂けたらと思っております。
しばらくは単発での展開を行い、その結果発展した仮想の街で何かが起こり、シリーズに突入する可能性もあります。
発進したばかりの世界ですので、将来的にどんな姿になるかはまだまだ未知数です。
また、頂いた提案によりチャンネルが増えたものの、現在は素っ気無いナンバーで呼ばれているので次回以降に各チャンネルの名称を募らせて頂こうと思っています。
現実サイドとしては、今回のリアクション結果を受けまして、お陰様で引き篭もりを脱却した直樹が寝子島の色々な場所を見学に行く事になりそうです。
次回以降のシナリオも、よろしければお付き合い下さいませ。
このたびはご参加頂き、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月31日
参加申し込みの期限
2013年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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