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「えっ、あ、あら……? あの、神木君、一体何処に行ってたんですか?」
島岡先生は相変わらずおろおろしている。
アバター越しの睡蓮の呼び掛けに応じ、Cat Islandの中の人々に断りを入れてログアウトした直樹は、現実の自分の部屋に戻ってきたのだ。
今は生徒たちと円座を組むように、愛用のせんべい座布団の上に改まって正座している。
「やあ……こういう時、なんて言ったら良いのかな。
とりあえず、改めて初めまして、かな」
「初めまして、4組の綾辻綾花です」
「私は3組の美化委員、椿美咲紀です。よろしくね。
何だか私たち、名前が似ているね」
「姓名どっちも三音で、最後が『き』だからかな?」
「うん、そんな感じ! なんだか親近感持っちゃったのよね♪」
まず女子たちが笑顔で自己紹介をして男子二人も名乗ると、改めて聖が口を開く。
「神木さんは、何故学校へ来ないのですか?」
「何故って……」
自分を見据える黒檀の瞳に、直樹は困惑とまではいかないけれど、何をどう答えて良いのか分からないとでも言いたげな曖昧な表情を浮かべる。
続けて誉が言葉を投げ掛ける。
「俺は、お前が何故不登校になってるのか気になったんだ。
お前が何をしているのか、何を考えているのか知りたいと思った」
「どうしてそんな風に?」
自分たちはこの席で顔を合わせるのが初めてだ。
無理もない疑問に、誉は正直に「俺自身、どうしてかは分からない」と答える。
「ただ、島岡先生にお前の話を聞いた時、何故だか気になって……捨て置けなかったから、一緒に来させて貰ったんだ」
誉の背後で、島岡先生がぱぁっと嬉しそうな顔になってうんうんと深く頷いている。
襖の脇に島岡先生と一緒に座っていた直樹の祖母は、その時鳴ったチャイムの音に立ち上がり階段を降りて行った。
「学校がつまらなかったんですか?」
今度は睡蓮が尋ねる。
「ううん、学校は好きだったよ。というより、僕中学からは全然通ってないから面白いとか以前の……
…………?」
直樹の唇が薄く開いたまま、止まる。
「どうしたの?」
普段はどんな事をしているのか彼の口から聞こうと待っていた美咲紀は、考え込んでいる様子の直樹の顔を心配そうに覗き込む。
「さっき、Cat Islandでも風紀の先輩に言われたんだけど」
「うん」
「そこにいる、島岡先生が僕の担任の先生なんだよね」
「そうよ」
頷く美咲紀。
島岡先生は、さっきより心なしかきりっと眉を吊り上げる努力をしながら、何か存在感をアピールしようとしている。
(嬉しそうですね……)
懸命な島岡先生の様子を見て、静かに同級生たちの言葉に耳を傾けていた蓮はなんだか和んだ。
「……笑わないで欲しいんだけど」
「笑わないよっ」
ちょっと迷ったような直樹の声に、美咲紀はぐっと胸の前で両手の拳を握り締める。
(や、内容によっては笑っちゃう事も、あるんじゃないかなー……なんて)
あは、と眉を下げた睡蓮は揺ぎ無く残念な事を考えていた。
それはさて置き。
「入学式って、本当にあったんだなって」
「え?」
「えっ……」
あったも何も、ほんの半月ほど前の出来事だ。
驚きや困惑の表情を浮かべる同級生たちを前に、直樹は伏し目がちにはにかんだ。
「ごめん。何か途中で不思議な事があって……そのせいかな、夢だと思ってた」
「「ええーーーっ!?」」
「なるほど、夢だと思っていたから、翌日以降もそれまでと同じような暮らしに戻ってしまったのですね」
何人かの驚嘆が重なる中、蓮はひとり得心がいったように頷くのだった。
神木家の玄関の前に立つひとりの少年。
彼はチャイムを押した後、もたもたと眼鏡を外し……今度はきりっとバンダナを装着して顔を上げた。
ぴんとひと房跳ねているアホ毛が揺れる。
「はーい、どちらさま」
「やあやあどうも初めまして、あらこめレッドです!」
扉を開けた直樹の祖母が聞き終える前に、やたらフレンドリーに自称している名を名乗った
新井 米太郎
は両手で握った彼女の手を揺すった。
「神木くんのお部屋はお二階ですかね? ああ、お構いなく! お邪魔します!」
じゃっ! と片手を挙げて靴を脱ぎ、階段を上っていく米太郎を、直樹の祖母はぽかんとした顔で見送った。
「変わったお友達もいるのね……」
のしのしと階段を踏み締め、米太郎は目的の部屋の前に立つ。
襖は開いている、中の様子は手に取るように見えた。
「そ、そうだっ! 私、美化委員たよりを配りに来たんだった。
神木くーん、これ読んでね♪」
妙な具合になった空気を変えようとしたのか、美咲紀がクリアファイルを鞄から出し、中のプリントを直樹に渡しているところだった。
「あー、君が神木くん?」
廊下に仁王立ちしたまま、米太郎が直樹を見下ろす。
かと思えば、急にヘリウムガスでも吸い込んだような奇妙な声を上げる。
「僕だよ! ミャッキーだよハハッ」
「――っ!!」
戸口の陰にいた島岡先生がピシャリと襖を締めた。
「って現実世界でもブロックとかヒッキー君厳しい!」
「僕じゃないよ」
直樹は割と冷静に返した。
「え、あっ新井君……あの、ご、ごめんなさい……ついビックリして」
「ど、ども……」
そろそろと襖を開きながら、赤くなってもじもじしている島岡先生に米太郎は小さく頭を下げる。
意外と俊敏な動きを見せた島岡先生の方に注目が集まっている間に、米太郎は直樹の部屋に乗り込んだ。
その爪先は直樹と、その脇のパソコンの乗ったローデスクを目指している。
「ほら怖くないよーパソコンが惜しけりゃ一緒にお話しよう」
目を剥いてニタリと口の端を吊り上げて突き進もうとする米太郎を、丁度両者の間にいた聖が阻む。
「何をするんです……」
凄みの滲む顔を見て少し怯んだけれど、退かない聖の更に前に蓮が割り込んだ。
「乱暴な事は、よして頂けますか」
いつもは穏やかな蓮の瞳に、強い意思の色が浮かんでいた。
他の生徒たちも、じっと米太郎を見ている。
何かしたらすぐ動けるように、と考えている者もいるだろう。
「……あっは、別に神木くんをイジめに来た訳じゃないんだけどね」
諦めたように肩を竦めると、米太郎はキロリと直樹の顔を見遣った。
ふざけた調子が掻き消え、真顔になる。
「ただ、他人に構って貰えてる内に態度を改めた方が良いと思うよ。
……誰にも構ってもらえなくなる前に、ね」
「ちょっと、何よ」
「ま、待って美咲紀さん……」
米太郎の物言いに膨れた美咲紀を、綾花がそっと宥める。
しばし視線が交錯した後、米太郎は表情を緩めて肩の力を抜いた。
「もし学校で会えたら今度こそナッキーとでも呼んであげるよ、それじゃあ皆、またねー」
来た時と同じように唐突に帰る米太郎。
「ども、お邪魔しましたー」
「あら、もう帰っちゃうの?」
下で直樹の祖母との会話が聞こえる。
「……なんだったんでしょう?」
嵐が過ぎ去って、睡蓮は呆けたように呟いた。
「なあ神木」
誉は直樹との距離を狭め、声のトーンを下げた。
「お前が閉じ篭ってしまったのは、お母さんの事が関係あるのか?」
「……!」
直樹は少し驚いたように誉の顔を見返した後、視線を流して緩く笑んだ。
「切欠はそうだったかも知れない。
ただ、僕の中には色んな気持ちがあって……今でも整理がつけられてない。
言葉にして説明する事も、上手く出来る自信がないんだ」
(焦らなくて良いんです)
耳を傾けていた蓮は、気遣わしげな視線を送る。
「心配とか、掛けてる事は分かってる。
でもそれを感じる分だけ、何も応えられない自分が嫌になっていった……」
「それでも、見ないフリなんて出来ないだろ。放っておくなんて無理だ」
こちらを見ようとしない直樹を真っ直ぐ見据え、誉は告げた。
「だって、お前はここに居る」
直樹は瞠目する。
「そうですよ、神木さんの今いるこの世界も、良い事があるんです。
寝子島の風を感じる事は、パソコンの中では出来ないでしょう?」
穏やかな潮風と春の空を思い出しながら、聖は今までと違う見方で世界に触れて欲しいと願った。
「風か……」
「はい」
早朝出歩いているなら、きっと彼も思い出すものがある筈。
直樹の呟きに聖は頷く。
悪くない反応に、睡蓮の表情が明るくなる。
「学校以外にも、沢山楽しい事とかありますよっ!
私だって結構面白いところ知ってるんです。一緒に遊びましょう」
「あーっ、ずるい! 私も遊びに行きたーい!」
「う、うん……?」
釣られて美咲紀も乱入すると、目を瞬かせながら直樹は両者を見た。
「私は運動は苦手だけど、猫と遊んだり本読んだりするのは好きです。
出会った猫の絵や特徴を綴った、猫メモも持ってるんですよ」
綾花はくすりと笑い、取り出した猫メモのページをめくって直樹に見せる。
「へぇ……猫はその辺に沢山いるから、あんまり意識した事なかったけどこう見ると色んな特徴や性格の猫がいるんだね」
彼もちょっと興味を持ったようで、綾花はほんのり嬉しさを滲ませた笑みを返す。
「日常の中に楽しい事は隠れてるんですよ」
「外に出たら猫いっぱいですよー。楽しいですよー」
横で睡蓮がわざとらしく囁くので、直樹も軽く苦笑した。
そしてひとつ息を吐いて、「さっきの人の言ってた事も、一理あるんだよね」とぽつり。
何かを窺うように、直樹は面々の顔をそっと見回した。
「学校でも、やっていけるかな……?」
「神木君……」
その一言で、みんな直樹が学校へ行ってみようという気になっているのだと受け取っていた。
睡蓮はぽんぽんと自分の胸を叩く。
「大丈夫です! 私だってこれでも学級委員なんですよ」
「なら大丈夫かな」
「そうでしょうそうでしょう。 ……って、今さり気なく酷い事を言われたような」
即答によろりと萎れる睡蓮にふふっと目を細め、綾花は改めて「直樹くん」と彼を呼ぶ。
「学校に来たら図書室も寄ってね。新しい本も入ってるし、おススメもあるから」
「綾辻さんは図書委員なんだ」
「ええ」
「はーい、私は美化委員です! あっ、もう言ったんだった」
美咲紀のおトボケにみんなで笑い合って――そうして、直樹は次ぐ日から登校する事になった。
輪の隅に佇み、蓮は安堵の笑みを浮かべている。
「学校でお待ちしています、直樹さん」
「うん。頑張って行ってみるね」
「――そうか。良かったな、良い友達がいて」
ディスプレイの中の敦志に報告すると、彼は直樹が登校を決めた事を喜んでくれた。
直樹は同席者にひともいる手前、ヘッドセットマイクで声を送っている。
「友達……って、みんなの事思っても良いのかな?」
ちらり振り向くと、同級生たちは笑みを浮かべたり頷いたりしていた。
「まあ、そういう事だ」
こちらの事は見えていない筈の
敦志
が笑う。
「さっきも言ったけど、何かあった時にはいつでも力になるからな」
「……ありがとうございます」
直樹は噛み締めるように、小さな声で礼を言った。
ぽやぽやな笑みを浮かべて観察している美咲紀が、声を上げる。
「わーやっぱりリアル~。こういうのでも学校に行けても良いのにね。学校もあるし」
「通信教育みたいに? でもやっぱり、実際通ってみたら違うんじゃないかな」
「うん、寝子高面白いよー。それに、私たちもいるからね!」
直樹のマイクが拾う言葉に頷いて、敦志は「それじゃ、俺も行くから」と軽く手を挙げた。
「こっちはこっちであの引き篭もり予備軍、どうにかしないとなー……」
ボヤキを残して。
「先輩は先輩で大変そうだね……」
見送った直樹は、それまでCat Islandの事をレクチャーしていた睡蓮と一緒に、興味を持っている子たちに手解きをするのだった。
「あの、えっと、本当に良かったですねぇ……」
直樹の祖母がお茶と一緒に持ってきた駄菓子を頂きながら、島岡先生はのほほんと平和に笑う。
島岡先生ときたら、おろおろするか襖を閉めるくらいしかしていない。
が、誉はやっぱり黙っておいてあげたのだった。
クッキーで出来た石畳ならぬクッキー畳、その先には見るも楽しい、お菓子の家。
庭にはシュークリームなど立体感のあるお菓子がアクセントに置かれ、キャンディーの花が咲いている。
敷地を囲む柵も、カラフルで可愛らしい。
「美味しそうだねぇ」
ディスプレイに映るお菓子の家を眺めながら、
瑠奈
はのんびりお茶を飲んでいた。
外の世界からの声は届かないらしく、
侑
がパソコンの中に行ってしまった事に気付いてから何度声を掛けても反応はなく。
しばらく眺めていても特に危険な事はなさそうだし、何より彼女が楽しそうなので「そういうもの」だと納得して見守る事にしたのだ。
幸い侑の声は聞こえるし、彼女の行動は手に取るように分かるから、心配もない。
「不思議……あたし、侑ちゃんと同じ景色を見てるんだね」
自然と顔を綻ばせて眺めていると、お菓子の家の完成にご満悦だった侑が急にはっとしてそわそわし出した。
「どうしたんだろ?」
きょとんと瞬きした瑠奈の耳に、自分を呼ぶ声が聞こえる。
直後、ディスプレイから緑色の光が噴き出した。
「わ……ぁ」
瑠奈の目の前で、エメラルドのようにキラキラ光る粒子がパソコンの前に置かれた椅子の上に集まって、人の形を取り戻していく。
「う、うに?」
現実に戻ってきた侑は、服装が部屋着に戻っているのに気付いたり、きょろきょろと自室を見回したり。
そして、なんだか嬉しそうな瑠奈と目が合った。
「おかえりなさい」
「えへへ、ただいま」
「あたしも……」
「うに?」
「アカウント、作ろうかなぁ」
迎えてくれた瑠奈の呟きに、侑は跳ねるようにして彼女の方に向き直った。
「うん、それが良いよ! 一緒に遊ぼう!」
しかし。
「でも、もうすぐ夕飯だから……その前に、宿題やらなきゃね」
「う、うなー……」
襲い来る空腹と宿題という名の壁に、侑はがくっと項垂れた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月31日
参加申し込みの期限
2013年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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