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[TOS] 狂気日食
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●eclipse phase 2
晴れた。曇という敷布を裂いて、太陽は光を大地へ投げかけている。
ヴァロラ峡谷にひしめくのは金属の奔流。灰色の軍勢が、峡谷の底を目指して一斉行動を開始した。
「全軍、警戒態勢のまま進むのじゃ」
澄んだ声が響く。デルタだ。黒いタキシードにシルクハット、モノクルという姿。黒い扇子で我が身をあおぐ。
隣席のディガンマは黒い軍服姿である。襟は高く、ワイシャツの首元には金属製カラーを巻いている。
ふたりが腰かけているのは、山岳地帯用に特注された重装甲歩行戦車〈ウォーカータンク〉、その外観は戦車というより、舞台装置を思わせた。装甲板は黒曜石のような艶を放ち、随所に散りばめられた金色の縁取りが、陽光を反射して妖しくきらめく。浮遊装置の下部では、ネオンにも似た光条が脈動し、六脚が地を踏みしめるたびに赤紫の残光が砂地を舐めていく。歯車のきしみは、カジノのスロットマシンが回転する音のよう。豪奢でありながら、冷徹な戦場の道具である。
デルタの号令に応え、無数のガーナック量産型が赤い光を点滅させ、一糸乱れぬ隊列でこれにつづく。さらに鋼鉄の塊めいたセンチネル、その背後には山のような巨躯──タイタンⅠ型・Ⅱ型。無数の足音が峡谷を震わせ、地鳴りとなって大地を揺らす。
ディガンマは空を見上げた。冷徹な瞳に揺らぎはない。軍勢の鼓動と一体化するかのように、静かに進軍を見据えている。
「速度を上げよ」
短く発せられた命令は、即座に伝達され、金属の洪水にさらなる加速を与える。
デルタは口元に愉悦を湛え、血のように赤い唇で告げた。
「これだけの軍勢がある。小さなコロニーなど一息に揉み潰すまでよ。抵抗を見せる暇すら与えぬ」
ディガンマの眉がわずかに動く。だがディガンマが何か言うより先に、戦場を鋭い閃光が裂いた。
耳を突き破るほどの重音、地響き、硬い礫(つぶて)が大量に飛んでくる。
空を切り裂いて飛来した巨石が、量産型ガーナックの列に直撃したのだ。数体が一瞬で粉砕され、火花と装甲片が峡谷に四散した。
デルタの双眸が見開かれる。
つづけざまにもうひとつ。さらにもうひとつ。山上から飛来する巨岩が、次々と灰色の群れを薙ぎ倒していく。
「投石機じゃと!?」デルタは声を上げた。「古(いにしえ)のヴァイキングの兵器ではないか。なんと原始的な!」
「いや、適切だ」
ディガンマは即座に応じた。
「エネルギー兵器ならたやすく感知できただろう。あれには攪乱(ジャミング)のたぐいも無効だ。電子機器を使っていないのだから」
頭上をよぎる弾道の正確さを見て、ディガンマの脳にデータが浮かび上がった。
新島義弘はかつて、著名な数学者であった。
この弾道計算も、彼の演算のなせる技か。
「しかも──」
言葉を継ぐより早く、頭上に濃い影がさした。
空から落ちてきたのは、城門を砕くほどの巨岩だ。一直線にうなりを上げ、ウォーカータンクの後部を叩きつける。
分厚いポリカーボネート装甲は銃弾には無敵でも、重力が生んだ純粋な運動エネルギーには抗えない。内部から悲鳴のような金属音が炸裂し、脚部の関節が折れ曲がる。
巨体は断末魔のように揺れ、次の瞬間には横転し四散した。
デルタとディガンマの体が、座席から跳ね飛ばされる。
「デルタ!」
地面に叩きつけられる寸前、ディガンマは身をひねった。
デルタは背から落ちる。だが、その衝撃を受け止めたのは大地ではなく、覆いかぶさったディガンマの身体だった。
轟音。粉砕された岩片が雨あられと降り注ぎ、爆ぜた土煙が周囲を真白に染める。無数の破片が彼の背に突き刺さった。
息を吐くより早く、ディガンマは低く告げる。
「しかも……投石機は全天候型だ。雨でも、霧でも、防げない」
その直後。
鋭い銃声が、粉塵を貫いた。
瞬間、ディガンマの左肩に鋭い痛みが走った。
「ッ!」
肉と金属を貫く音。ディガンマの肩口からは、血と火花が同時にあふれ出す。
「ディガンマ!」
デルタは半狂乱に叫び、彼の顔を両手でつかんだ。血に濡れた掌を恐れもせず、唇を震わせた。
「いまのは何じゃ!? 撃たれたのか!?」
だがディガンマは冷静だった。
「……じっとしていろ。総大将がやられるわけにはいかない」
痛みに耐えながら、ディガンマは静かに告げる。
その背後。
はるか後方、霧を縫うように伸びた木の枝の上で、一人の青年が身を強張らせていた。
エリオン・ルマーレ。
黒髪に黒い瞳。鋭い双眸の奥には、燃え盛るような憤怒と、氷のように澄んだ決意が宿っている。
エリオンはかつて、義弘から『アウリエル・ゲイズ(黄金の凝視)』と称された射撃の名手だ。昨夜のうちに危険を冒して間道を抜け、新世界機構軍の背後で朝を迎えていた。
なお、オメガがこの間道を発見したのは、エリオンが新世界機構軍の背後に出た直後だった。オメガが口を閉ざしていれば、ここは最後まで秘匿された抜け道でいられたのかもしれない。だがそれを知る者は、いまこの瞬間には誰一人としていなかった。
一撃必殺、デルタを討つ策だった。
エリオンは彼女の顔を知らない。だが、遭遇経験のある叢雲あおいから、容貌については細かく聞き込んでいた。
最高のタイミングで標的はエリオンの前に投げ出された。だが銃撃は、側近とおぼしき男に阻害された。
「……外したか」
舌打ちと共に、すぐにスコープを覗きこむ。
視界の先。
立ち上がったのは黒衣の男、先ほど、デルタをかばった青年だ。
その鋭い双眸が、スコープ越しに見えた。まるでスコープの向こう側にいるエリオンを、正確に捉えているかのように。
あいつ……見えている? まさか。
冷たい戦慄が背筋を這い上る。
だが迷う暇はなかった。
再び照準を合わせる。今度は、男の額だ。
エリオンは引き金を引いた。
黒衣の男──ディガンマの右腕が鞭のようにしなった。
肉が裂けるように形を変え、ぱっとひろがる。生体金属の盾だ。
甲高い金属音。
さらなる鉛弾はあえなく弾かれ、霧に吸い込まれるようにして消え去った。
「くそっ……!」
歯を食いしばり、エリオンは銃を構え直す。
好機を逃したのか。だがまだ終わりではない──そう己に言い聞かせるように、照準を再び覗き込む。
しかし次の瞬間、エリオンの足場は消失した。
峡谷にまたも轟音が鳴り響く。さらに巨石が飛来し、火花が舞い散った。
ディガンマの背に身をあずけ、デルタは砂塵の中で、苛立ちを隠さぬ声を上げた。
「何をやっておるのじゃ、イオタは!」
紅の唇が憤怒に歪む。
「……それにファイの姿が見えぬ。いずこへ消えたか?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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