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[TOS] 狂気日食
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●紫沙倉 凶平の告白(二)
程なくして、私はひとりの女と籍を入れた。手慰みであったのか、それとも気の迷いであったのか、いま思い返しても判然としない。ただ、たしかにそのとき私の胸を覆っていた飢餓感は、幾分かやわらいでいたように思う。
女は柔和な人間であった。私のような偏屈な研究者のかたわらに立ち、恐れるでもなく、心酔するでもなく、ただ『共にいる』ことを選んだ稀有な女。あの空白の時期に、私の横に彼女が在ったという事実だけで、いまもなお胸にはえぐるような幻痛が走る。
やがて娘が生まれた。その小さな体を抱いたとき、私の内部を蝕んでいた暗い渇望が鎮まったような気がする。愛、幸福、連帯──陳腐な言葉が、ひどく遠ざけていた私の舌に触れたものだ。
余談になるが、当時の同僚の一人が、私をからかって「丸くなった」と言い放ったことがある。奴は冗談半分に、研究室の空気を和ませるつもりだったのだろうが、私にとっては冒涜以外の何ものでもなかった。己の芯を失っていないか、研究者としての矜持を溶かしていないか、そう暗に言われたようで我慢ならなかった。私は試作機のひとつ、プロト・ガーナックΑ(アルファ)に命じて、奴を近場の湖へ沈めてやった。永遠に。
認めたくはないが、あれほど私が怒りを抱いたのは、愚かな同僚の吐いた言葉が当たっていたからかもしれない。鬱屈を抱えたまま、しかしなお、家庭というささやかな拠り所に私は逃げていた。娘の笑い声が届くとき、私は自分を許すことができたのだ。
だが、爆破事故がすべてを奪い去った。
妻も、娘も、一瞬で炎の中に散った。私は灰の中から、焦げた布切れすら拾うことができなかった。
あの事故を境に、私の中で封じられていた渇望は再燃し、異常なまでに膨れ上がっていった。喪失を埋めることなど誰にもできはしない。ならば、埋まらぬ空洞を育て上げ、世界そのものよりも大きくするほかない。
私はサワザキと袂を分かち、新世界機構を立ち上げた。当初は鏖戦結社と呼んでいた。鏖(みなごろし)の戦を目的としていたからだ。しかし新たな世界秩序の構築が目的であると認識し、名称を変えたのだ。
新世界機構が手掛けたのは人型兵器〈ガーナック〉の開発だ。生身の兵士など塵芥だ。思考と感情を制御できる器にこそ未来はあると、私は確信した。ゼロベースでの開発はできなかったため、人間を改造した〈蘭付き〉と呼ばれる試作品を生み出す必要があったが。
かくて準備が整いつつある反面、時間は残酷に私の肉体を蝕んだ。老化は、どれほどの知を蓄積しても止められない。研究が高みに近づけば近づくほど、自分が滅びへと歩んでいる現実に苛まれる。私は逃げるように〈マザー〉を開発した。膨大な演算体であり、己の魂をデジタルに変換し統合し、半ば神経症的な執着で『永遠』を獲得するための手段。これこそが研究者の到達点だと信じた。
そうして私は、人の姿を持ちながら人を捨てた。
幾体もの〈被造物(むすめ)〉を生み出し、ガーナックたちの拓く未来を思った。だが、それでなお喪失は癒えなかった。いくら娘を増やしても、私の空洞は塞がらない。むしろ拡大し、汚泥のように澱み、やがて氾濫するばかりであった。
──臨界だ。
いつからか、私はそう自覚するようになった。己の精神のどこかが、不可逆的に壊れはじめている。愛も、執着も、研究への誇りすら、喪失の影に侵されて色を失っていく。
「この世界が悪い」
そう結論づけるしかなかった。
私の渇望を満たせぬ世界など滅んでしまえばいい。虚無を埋めることができぬならば、虚無ごと世界を葬る。
そのために、私は最上位命令を生成した。敵味方を問わぬ、すべての〈蘭付き〉ガーナックの服従回路を強制励起し、自我を封じ、ただの尖兵として駆り立てる命令だ。最終的に残るのは、命令を発した私と、私に従う機構だけ。希望も、愛も、復讐も、そして憎悪すら消え去り、ただ『無』が満ちるだろう。
それが世界の終わりであり、私の望む平安である。
……されどここで、ひとつ引っかかる点がある。サツキ、そしてディガンマ。
彼女らの存在は、マザーのログには記録されていない。私が生み出した娘ではなく、サワザキの手によって作り出されたらしい。おそらくは、私の被造物たちへのカウンターとして。
模倣〈ミミクリー〉か、あるいは反証か。いずれにせよ下らぬ試みだ。
私の渇望の前には、すべてが色を失う。
喪失が癒えぬ限り、狂気の果てまで突き進むしかないのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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