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[TOS] 狂気日食
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●紫沙倉 凶平の告白(一)
物心つくころにはすでに、目に映るすべてが欲しかった。
玩具でも、書物でも、数式でも。
私の指先からこぼれ落ちるものなどあってはならなかった。いや、こぼれるより前に、奪い、掠(さら)い、噛み砕き、飽くことなく咀嚼しつづけねばならなかった。
知識に対する欲求、などという上品なものではない。
──飢え。
それが私の最初の記憶であり、私という存在の核だ。
何を得れば満ちるのか。何を呑み込めば、この心の虚ろが塞(ふさ)がるのか。答を知らぬまま、ただひたすらに飢えと渇きがあった。知識を、智慧を、学べるものすべてを、私は自分の血肉にせねばならなかった。
世間は、そんな私を天才と呼んだ。
書を読む速度、他人が十年かけて身につける理論をひと月で学ぶ吸収力、そして、得た知をただなぞるのではなく、瞬時に組み替え増幅し、まったく新しい構造へと錬成してしまう応用力。
それを人は才能とたたえ、ありがたがり、ほとんど崇拝せんばかりに私を讃えた。
だが私にとっては、周囲の評価など飢えの副産物にすぎなかった。
満ち足りぬ胃袋を抱えた餓鬼が飯に飛びつくように、私は知識や理論に齧りつき、食い尽くしてしまえば、また次の獲物を求めむさぼりつづけただけのこと。
それでも、なお満たされることはなかった。
研究室の薄闇。
最上級の機材と書籍に囲まれても、私は落ち着きを覚えなかった。どれだけ得ようが学ぼうが、そのたびに虚無が深くなるばかりだったから。
しばしば、窓に映る己の顔に問いかけたものだ。
「お前は何を欲している?」
返ってくるのは、蒼白な光に照らされた、やせた影と黒い眼差しだけ。
外部の批評など、どこ吹く風だった。
無駄だと笑われようが、非人道的だと非難されようが、私は節操なく手を伸ばした。化学も、生体工学も、神経学も、軍事技術も。
ありとあらゆる領域を統合し、私の内側を満たす何かを探すために。
タブーと呼ばれるものを跳躍することに迷いはなかった。迷う時間が惜しかったから。
かつては私にも、理想主義者に共鳴した時期があった。
サワザキ。
澤﨑。
私が月とすれば、彼は太陽だった。
研究者とは思えぬほどに明るくて社交的な男。
学会の廊下を歩けば、サワザキの周りにはいつも人だかりができ、教授も学生も官僚でさえ、気づけば彼の話に耳を傾けていた。冗談交じりに金を無心しても、気がつけば翌週には研究費が確保されている。会議で空気が重くなっても、ひとことの軽口で場を解きほぐす。まるでそれが当然であるかのように。
しかも、あの男は無欲だった。
何か発明しても、特許など取らずオープンな知識にしてしまう。研究成果を気前よく丸ごと譲ることもある。ほとんど単独で成したものでさえ、共同研究と銘打って賞賛をチームで分かち合おうとする。
「よりよい世界のために」
愚直なまでに、サワザキという男はその言葉を繰り返していた。
研究発表の壇上で彼と肩を並べていた日々のことを、いまも断片的に思い出す。
白衣に染みついた実験室の薬品の匂い。
彼の目は真っ直ぐで、私よりもずっと誠実で、世を変えられると信じる愚かしい輝きをたたえていた。
その光は、私の手が決して届かぬものだった。
私は──。
ほんの一瞬だけ、サワザキの光に魅せられたのかもしれない。
だが結局のところ、私にとって理想など、起源を満たすために利用するパーツのひとつにすぎなかった。
私が求めるのは「よりよい世界」ではない。
ただ、己の虚無を満たす答えだ。
それがどれほど歪んだものであろうと。
モニターの光が、暗い部屋の奥から私を照らし出す。
液晶に映るのは研究ログ、ガーナックの生成データ、そして数え切れぬ『娘』たちの影。
私は椅子に腰かけ、手袋をはめた指先を静かに組む。義手の金属が、ぎし、と微かな音を立てた。
画面に反射する己の顔かおを眺め、私は改めて確信する。
私は、餓鬼〈こども〉のまま成長した。
飽かぬ飢えを満たせぬ魂。
無限に知識を求めるブラックホール。
ゆえにこそ、私は喰らいつづける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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