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[TOS] 狂気日食
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燃えていた。
建物が、作物が、木々が人が、コロニーに存在するあらゆるものが燃えていた。炎は収縮を繰り返す。崩壊の熱で、赤く脈打っているかのように。
ガーナックによる殺戮は容赦がなかった。
抵抗する者はもちろん、無抵抗の者であっても、雑草を刈り取るようにして殺しつくす。赤ん坊であろうと容赦はしない。
火の赤、血の赤、ひたすら赤い世界のなかに、ひとつの白線が閃いた。
次の瞬間、ガーナックの頭部が裂ける。本来硬質な頭部のはずが、切断面は驚くほど滑らかで、銀色の断層が鈍く光った。中身は油でも血でもなく、半透明の繊維と流れる銀の膠状液〈ゼラチナス・フルイド〉だ。まるで機械仕掛けの果実、恐ろしくも精密な調和がそこにあった。
頭部は地を転がり、少女のような顔をした仮面が、瓦礫にぶつかって止まる。
斬り落としたのは、リオだった。
ひとつ屠ったところでリオは休まない、息を吐く。
超硬度鋼製ナイフの刃がきらめき、熱で空気が揺らぐ。上腕から肩にかけて、リオの筋肉がしなやかに波打った。
一歩踏み込み、腰を沈め、呼吸とともに体幹移動し、体重を乗せて打ち込む。
力任せではない。熟練の技術だ。獣の跳躍にも似ていた。
ふたたび光が閃き、二体目が崩れ落ちる。
額の汗をぬぐうこともなく、リオは次の標的へ駆けた。
サツキの背後ではリオが援護射撃を続けていた。
「逃げて」
住民を救うたびサツキは呼びかけた。
「西出口へ。私たちが解放したから」
夜明け前に英二たちと別れ、リオとサツキは西出口からの突入を選んだ。戦い抜きながら水車小屋を目指す。乱戦のさなかラムとはぐれたが彼女も元は蘭付きだ。生き延びるものと決めて足を止めなかった。
しかし、間もなくふたりは立ち尽くすことになる。
「……ひどい」
リオが声を失う。煉瓦造の街路の両脇に、積みあがった遺体を目にしたのだ。ここまでの道すがら、感情が麻痺しそうな光景を何度も前にしてきたが、これは別格だった。
よくもこんなことができる。
サツキは息苦しさを覚えていた。
焼け焦げた子どもの手が、溶けたガラスを握ったまま固まっている。
「生き残った人たちを探そう」
サツキの声は低い。感情を押し殺した調子だが、眼だけは燃えていた。
進む。
すでに量産型の姿はない。通りを抜ける。
やがて水車小屋が見えてきた。水路はすでに破壊されており水はない。小屋の屋根は半分焼け落ち、黒い煙がまだかすかに立ちのぼっている。
そこに、この状況には場違いすぎる姿があった。馬だ。馬に乗る……奇術師?
「……あれが、デルタ」
リオが息を呑む。
白馬にまたがるデルタは、まるで舞台の中央に降りた奇術師のようだった。黒いスーツに深紅の蝶ネクタイ、片眼のモノクル。桜色の巻髪をなでながら、ゆるやかに駒を進めてくる。
「気をつけて」
サツキが小声で言う。
「わかってる。無謀はしない」
リオはうなずいた。
「レジスタンスか」デルタの声は、季節外れの風鈴のよう。「まだ息をしておるのがいたとは。往生際の悪い虫じゃて」
サツキの眉が動くより早く、デルタは手を振り下ろした。
「虫の駆除など、わらわがすることではない。踏み潰しておけ」
白馬のあとから量産型ガーナックがつづいている。三十体、いや四十は下らない。装甲強化型のセンチネルも混じっている。統制された足音が、ドラムロールのように地を震わせた。
「来るよ、サツキ!」
「わかってる!」
圧倒的多数だ。これまでとは比べものにならない。
サツキが一歩、前へ出た。
殞脈を使うしかない。
リスクは承知のうえ。理性を手放し、修羅と化す覚悟。過去二度、発動したときのように。
──いや、修羅なんてものじゃない。あのときの私は、もう人じゃなかった。
迫り来る群れを見すえながら、サツキは息を殺した。
無個性に並ぶ量産型ガーナックの顔。誰ひとりとして感情を持たぬ目。
私も、あのなかのひとりなのかもしれない。
イプシロンとの戦い以来、あえて考えないようにしてきた疑念が、胸の底でざわめく。
私がガーナックの同類なら。リオは私のことを憎むのかしら……私を嫌いになって、殺してしまうのかしら……。
だが、サツキの答はもう出ていた。
もしそうなら、私はリオに殺されよう。
それがリオの望むことなら。
愛する人に殺されるのなら。それで、リオが救われるというのなら。
ショートブレードが青白い光弧を描いた。
だがこのとき、ドン、と空気が震えた。
耳をつんざくほどの不協和音。ピアノの鍵盤を一斉に叩いたような。
波が押し寄せるようにひろがり、土煙が舞い上がる。
量産型たちの動きが一斉に止まった。
大半は凍りついたように硬直し、少なくない数が、白い煙を上げて前のめりに崩れ落ちた。受け身も取れず、ただ地面に叩きつけられる。
リオもサツキも目を見張った。
だが、もっとも動揺していたのはデルタだった。
「これは……何事じゃ!?」
白馬〈ペイルメア〉がいななき、蹄で地をかく。デルタは制御を試みるが、まもなく馬が横倒れになったので飛び降りるほかなかった。そればかりではない、デルタは口元を手で押さえていた。押し寄せる吐き気を、懸命にこらえているかのように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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