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[TOS] 狂気日食
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ラムダは静かにこちらを見た。
燃える瓦礫を背にして、かすかに立ちのぼる黒煙の中で、赤いリボンだけが色を保っている。
その表情は、驚きでも、喜びでもなかった。
ただ、目の奥でかすかな何かが動いた。懐かしさのようでもあり、警戒のようでもあった。
「……ファイ?」
短く名を呼ぶ声。
ファイは歩み寄った。瓦礫の上に乗るたび、ぱきっと乾いた音が響く。
「ラムダちゃん、みーつけた! も~、探したんだよ~! 一年以上も姿を見せないから心配したもん、すっごく!」
ラムダはほんのわずかに眉を寄せた。
その視線の先で、ファイは両腕を広げる。
「ねぇ、ラムダちゃん。もう終わりにしよ? レジスタンスなんて面白くないでしょ? ちゃっちゃとここを潰してお姉ちゃんと一緒に帰ろ? あたしたち、やっと会えたんだから」
「……行かない」
ラムダの声は、風に紛れてしまいそうなほど小さかった。
「行かない? どうして? なんでそんなこと言うの?? 何か持っていくものでもあるの? 戻ってこようよ。」
「持っていくものなんてない。ここは、潰させない」
「え? え? 言ってる意味がわかんない。ラムダちゃんどうしちゃったの?」
ファイは近づく。
わずかに焦げた匂いと、ラムダの髪の匂いが混ざり合う。
その距離はもう五歩ほどもなかった。
「言ったでしょ。人間を、これ以上殺させない」
わからない。
ファイには本当にわからない。
簡単に死んでしまう人間。底辺の生活しかしていない原始民族。あのラムダちゃんが、こんなみじめな奴らをかばうだなんて……!
「そうか、うん、わかったよ!」
ファイは手を打った。パンと音が鳴る。
「Y.E.S.S.I.R.が壊れたんだね。ラムダちゃんがおかしくなったのは、くだらない小細工した人間……ううん、ゴミどものせい! そっかー、なら、まずお姉ちゃんがゴミ掃除をやってあげる!」
ファイはぐるりと睨(ね)め回し、人間の気配を感じ取った。
「いたいた。逃げ遅れたのかな?」
物陰に身を伏せていた肉のかたまりにとびつき、襟首をつかんで引っ張り出した。
「うわ~、本当にゴミだなあ。臭っ!」
中年くらいの男だ。小柄で汚くて不格好。コロニー住民の例に漏れずガリガリで、眼鏡までかけて青白い顔をしている。
「勘弁してくださいっ!」
涙を流して何か言っているが、ファイからすれば豚の鳴き声のようなものだった。
「なにーコイツー? ホント、見てるだけでキッツーい」
ファイはリボンに手をかける。たちまちリボンは硬化して、尖った刃に変貌した。
「やめて」
その一言に、ファイの手が止まった。止められた、と言っていい。
ラムダのポニーテールが揺れた。
その動きが、あまりに自然で、あまりに遠い。
「ラムダちゃん……どうしてそんな顔するの? もしかして、邪魔するの?」
ファイは、幼子に言い聞かせるような声を出す。
「邪魔じゃない。止める」
「怒ってるの? これ単なるゴミ処理だよ?」
「生きている人間をゴミって呼ぶな」
「え~? ラムダちゃんに悪影響を与えるならそれはゴミでしょ」
「ファイのY.E.S.S.I.R.、壊さなきゃいけないみたいね。縛られすぎだよ」
アッハッハとファイは声をあげた。
「お姉ちゃんのこと気にかけてくれるなんてラムダちゃんはいい子だねぇ。でも大丈夫だよ」満面の笑みで言う。「あんなものとっくの昔に壊したもの! だからこれ、ぜーんぶお姉ちゃんの意思だよ」
ファイは首根っこをつかんでいた人間を投げ捨てる。どたどたと男は逃げていったがどうでもよかった。
「もしかしてラムダちゃん、怖いの? でも、もう怖がらなくていいんだよ。あたしがいれば……それとも、私と一緒に逃げちゃう? 新世界機構もレジスタンスも関係ないよ、どっちもぶっちぎっちゃって、ふたりで生きていこうよ!」
思いついた言葉をただ口にしているだけだったが、話しながらファイは、これが自分の望みでもあると気がついている。
「……やめて」
ラムダの声が響いた。きっぱりと拒絶の色を込めた一言だった。
ファイは肩に強烈な痛みを覚えた。ラムダの放った光線が、ファイの肩をかすめたのだ。白い肌に裂け目が走り、煙のような蒸気が立った。
「ラムダちゃん……?」
ファイは笑みを崩さないまま、一歩だけ踏み出した。
「痛いよ」
言葉とは裏腹に、その声はどこか嬉しそうだった。
「ファイ、あんたは……」
ラムダは息を詰まらせた。
その瞳には、怒りとも哀しみともつかない色が揺れていた。
「……あたしを支配したいだけ」
ファイの表情がわずかに揺らいだ。
けれど、すぐに笑顔が戻る。
「支配? そんなつもり、ないよ。だって、好きなんだもん!」
ファイは右手を上げた。つまんだリボンを強く引くと、ほどけると同時に硬化した。
「こうなったらちょっと乱暴な方法で連れ帰るしかないなあ」
「殺して連れて行くっての?」
「まさか! ラムダちゃんにそんなことするわけないじゃない。抵抗できないように手足全部落としちゃうだけだよ」
赤いリボンはすでに赤い刃だ。瞬時に伸びて、蛇のようにうねりながらラムダへと迫った。空中で鋭く角度を変え、背後から抱きとめるように襲いかかる。
「大丈夫、手足が無くなってもお姉ちゃんがお世話してあげるから、ねっ!」
だが予想に反し、リボンはラムダに届かなかった。
ラムダの姿が消えている。
視界の端、青白い光線が飛ぶ。
避ける間もなく、青白い光の刃がファイの足もとをひと薙ぎした。
「あつっ!」
極端な低温は熱さに似た感触を与える。
ファイの両脚が、霜の花が咲くように白く凍りつく。凍結は一瞬で膝まで駆け上がった。地面に釘付けにされている。
「……あ」
息を呑む間に、冷気が骨を締め上げた。
甲高い音。氷の音が鳴る音だ。
ラムダが跳び出した。
動きは鋭く、ためらいがない。
まるで彼女自身が『拒絶』という意思を具現化したかのようだった。
拳が、光線が、破片が、次々と襲いかかる。
そのどれもが致命傷を与えうる威力だった。
ファイはただ、腕でそれを受け止める。
反撃ではない。ただの防御。
氷と火花の間で、笑みがこぼれた。
「ラムダちゃん、強くなったね」
ラムダの瞳に、ほんの一瞬ためらいが浮かんだ。
だがその逡巡を見逃さず、ファイは左腕に隠し持っていたリボンをもう一度放つ。
リボンが空を切りラムダの腰へ伸びた——が、ラムダは身をひるがえし地面を滑走した。自身の息で凍らせた氷面を。
このときファイの両脚は完全に凍結していた。白い氷が根のように地面を這い、身体を固定する。
動けない。
それでも、ファイの笑顔は消えなかった。
「これ以上の攻撃はしないの? やっぱり、ラムダちゃんはラムダちゃんだね」
ラムダは息を乱しながらファイを見上げた。
「そうじゃない」
ラムダの声が震えた。
「ブッ倒さなかったのは直接言いたかったから。あたしはもう、あなたに縛られたくない」
言い捨てて走り去る。七枷ラムはレジスタンス。ヴァロラ峡谷の住民を、一人でも多く救うという使命がある。
ファイはただ、微笑んでいた。
動けないまま、凍てついた足を見下ろし、その痛みを、まるで愛の証でも抱くように感じていた
ラムダちゃん。
私、まだ、諦めてない。諦めてないから!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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