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[TOS] 狂気日食
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だが次に目を開けたとき、英二は心臓が止まるかと思った。
ターヤの傷は消えていた。彼女は浅い呼吸を繰り返している。
「……え?」
英二は呆然とした。ターヤ自身も驚いて瞳を見開く。
「はえ……生きてる?」
そればかりか体の無数の傷が、目に見えて埋まっていくではないか。血色もたちまち復した。
衝撃を受けていたのは英二だけではない。いや、誰よりも驚いているのは、
「なぜ……!?」
オメガ自身だった。
オメガはみずからの手を見下ろした。ターヤ、いや旧型ガーナックΤ(タウ)には銃弾を撃ち込んだ。まちがいない。
「殺したはずなのに……なぜ、治っている……? どうして……!?」
その言葉に、オメガの身体がわずかに揺れた。
自分の手のひらを見つめる。まだ銃の反動の余韻が残っている。
確かに撃った。殺したはずだった。それなのに。
ありえない。
でも、目の前の光景がそれを否定している。
死んだはずの少女が、息を吹き返している。
皮膚が再生し、血の匂いが薄れていく。
オメガの指先が震えていた。
初めて、そこに『恐れ』のようなものが宿る。
「ありがとう。ターヤを救ってくれたこと、礼を言うよ」
英二は静かに言った。皮肉でも、挑発でもない。心からの感謝だった。
オメガは言葉を失った。
感謝されるなど、想定の外だ。
脳の奥で、かつて人間だったころの残響が疼いた。
──ありがとう。
誰かの声が重なったような気がした。
あれは、いつ、どこで聞いた言葉だったろう。
記憶の底に沈んでいる、消えかけた光のような声。
「その通りだな」
声が響いた。
振り向くと、煙の向こうから歩いてくる人影があった。
「ミオさん!」
英二が思わず声を上げる。
ミオは、まるで何事もなかったかのように立っていた。
装甲の裂け目は修復され、肌には輝きが戻っている。
その歩みは堂々として、足取りに迷いがない。
「私もターヤもガーナックだ」
ミオは淡く笑った。
「量産型を経由して、オメガの能力が流れ込んだのだろう」
肩を軽く回しながら、彼女は冗談めかして言う。
「おかげで十二時間ぐっすり眠ったような気分だ」
ターヤはきょとんとした顔を見せ、笑う。
「ミオさん、復活早いのです!」
「年の功だよ」
ミオが小さく肩をすくめた。
「オメガ……きみは、本当は優しい人なんじゃないかな」
英二は一歩前に出た。皆既日食の黒い太陽の下、彼の声は穏やかだった。
「破壊しかもたらさない戦場で、きみは『治す』ことができる。どんなガーナックにもない能力を……きみは持っているんだ」
オメガの瞳が揺れる。黒いまなざしの光がわずかに濁り、代わりに淡い人間の虹彩の色が浮かぶ。
その瞬間、世界が一瞬静止した。
──そして、声がした。
「オメガ。お前は最後の者。そして最初の者。
人間の脳の部分はバイオコンピュータとして残す。
私の飢えを満たすための鍵だ。
人智を超えたものの先を……私に見せろ」
脳裏に響いたのは、紫沙倉凶平の声だった。
ついで、もうひとつの声が重なる。
それは誰でもない、オメガ自身の声だった。
「……あたしが……人間の、脳……?」
小さく震えた唇から、言葉が漏れる。
頭の奥で何かが軋んだ。
映像が断片的に蘇る──白い研究室。チューブ。青白い光の下、ガラス越しに自分を見下ろす誰かの顔。
その誰かは笑っていた。優しい声で、何かを言っていた。
言葉の端が、耳の奥で再生される。
「あなたは、治すために生まれるのよ」
ドクターの声ではない……誰だ……?
オメガは胸に手を当てた。
自分の中に流れている何かが、冷たい機械のそれではないと気づく。
痛み。
そして、感情。
「……そんなはずがない……!」
かすれた声が漏れる。
「あたしは、殺すために……命令を受けてきた……! それが、存在意義……!」
呼吸が乱れる。
だが、英二の声がすぐそばにあった。
「それでも、君は“治した”。殺すためじゃない、きっとそれがきみの、本当の存在意義なんだ」
「やめて!」
オメガは頭を抱えた。黒い太陽がその背に重なり、影が地を引き裂くように伸びる。
「どうして……あたしにそんな重責を負わせるの!? どうしてなの!?」
皆既日食。光を奪われた世界の中で、彼女の姿はまるで悲嘆に沈む人間そのものだった。
英二は近づかない。ただ見つめていた。
オメガは己の手を凝視する。そこに走る微細な回路が、まるで脈のように明滅している。
「この手で壊して……この手で治す……? そんな矛盾……っ」
声が震える。
涙がこぼれた。それは透明で、血でも油でもなかった。
「それでいいと思うよ」
英二が言う。
「矛盾を抱えているのが、人間ということだから」
日食の闇がゆるやかに薄れていく。
輪郭のぼやけた光が、黒い太陽の縁からにじみはじめていた。
「……いまさら、あたしの正体がわかったからって……もう、遅いのよ……!」
オメガの叫びは悲鳴にも似ていた。
踵を返し、光を追うようにして走り去る。
「逃すと思うか!」
ミオが追おうとする。
だが英二が腕を伸ばし、制した。
「ミオさん、いまは住民の避難を優先しましょう」
その声は、いつものように柔軟だ。包み込むように。
ミオはしばらく無言で彼を見つめ、やがて刃を収める。そして英二の肩に手を置いた。その掌は、温かかった。
「……頼もしい判断だ、英二。お前はいずれ我々のリーダーになるだろう」
微笑のようなものを残し、ミオは再び量産型の群れへと駆けていく。
「もう連中は回復しない! 一気に減らすぞ!」
英二はその背を見つめる。
褒められたはずなのに、なぜか胸には不吉な予感が渦巻いた。
いま見送った背中が、二度と戻らないもののような。
ふと、そんな予感がしたのだ。
黒い太陽。
皆既日食の闇は、まだ空の高みに残っていた。だが、その縁には、わずかな光が滲みはじめている。
「行きましょう、英二くん。オメガのいない量産型なんて、元気百倍になったターヤちゃんの敵ではないのです!」
英二はターヤの明るい声に笑みを返した。
空には、黒い太陽の縁から新しい光が射しはじめている。
「うん、住民を救おう。一人でも多く!」
英二はもう一度前を向いた。
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担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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