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[TOS] 狂気日食
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コロニー東側の出口は、すでに地獄と化していた。
崩れた門扉の下を、老若男女が血眼になって駆け抜けようとする。幼子を胸に抱きしめた母の背中が震え、老父を背負った青年の足が泥に沈む。荷車を押す家族の輪郭が炎の揺らめきに溶けかかる。ほとんどが非武装の民だ。前へ前へと。
だが、逃げ場などない。逃げようとする先には灰色の壁が待っていた。
量産型ガーナック。十代の少女の姿を模しながらも、全身は無彩色の灰色で塗りつぶされた殺人機械だった。瞳らしきものはなく、赤い光を宿すだけの視覚センサーが淡く瞬いている。数は把握できない。数十、いや百に迫ろうか。
「撃てっ! 撃てぇっ!」
必死の叫びとともに、住民の一部が改造銃を構えた。工房で作成した粗雑な銃、部品をつなぎ合わせただけの即席の拳銃。まともな装備はひとつもない。それでも彼らは必死だった。硝煙が上がり、弾が飛ぶ。しかし、灰色の外殻には傷ひとつ付かない。跳ね返された弾が、地面にぼとぼとと落ちるだけだ。
先頭の量産型が右腕を展開した。砲口が花開くように広がる。
閃光。
光弾が放たれ、撃ち手のひとりの胸を貫いた。血飛沫が咲いて幼子を抱く母の顔を染め、彼女は声も出せず少年の亡骸を見つめた。
「にい……ちゃん……!」
別の少年が叫び、駆け寄ろうとした瞬間、別の個体が鞭を伸ばした。青白い電光が走り、少年の体は叩き伏せられる。特有のオゾン臭がたちこめたが、それ以上に濃いのは血の匂いだ。無機質な足が彼の頭を押し潰したのだ。骨の砕ける湿った音が響き、血と脳漿が地を染める。
群衆に恐慌が走った。
誰もが出口へ殺到するが、灰色の群れが立ちふさがる。
かといって戻ることもままならない。背後の居留地はすでに炎上しているのだから。
ほぼ丸腰の集団めがけ、ガーナックによる『処理』が開始された。電磁鞭で、あるいは銃火で。
「この子だけは……せめて、この子だけは!」
ひとりの母親が幼子を抱きしめ、祈るように叫んだ。その背に光弾が迫る。
だが。
光弾の軌道は直前で歪み、アンドロイド自身に返った。量産型は仰向けに倒れ、破片が火花のように散らばる。
青年が立っていた。
黒いナノコートがひるがえる。頬を濡らすのは汗ではなく熱い涙だ。前に突き出した両手は複雑名印を結んでいる。
群衆の視線が一斉にそちらを向いた。
「……もっと、もっと早くたどり着けていれば」
英二の声は震えていた。
「影裂刃〈ラミナ・ウンブラ〉!」
魔法〈ノクスラ〉の力が英二の周囲に芽吹き、闇色の刃と化して灰色の群れを襲う。影の刃が敵の装甲をえぐるざくざくとした感触は英二の指先に伝わっている。
「代償は払ってもらう……無力な人たちの命を、踏みにじった罪の!」
後半は嗚咽とまじって言葉にならなかった。
「泣くのは後だ、英二。いまは、戦いに集中しろ」
低い声が横を駆け抜ける。ミオだ。
ミオはすでに右肘から下を外していた。むき出しとなった銀色の刀身は、ひと振りでアンドロイドを両断する。
「ターヤちゃん、がんばるのですっ!」
弾けるような声。小さな身体で灰色の群れに飛び込むターヤだ。両腕をぐるぐると回し、むやみやたらとパンチを繰り出す。見た目は駄々っ子のようだがこれぞ〈ヒートハンズ〉。手を鉄の融解温度まで発熱し、触れたガーナックの装甲を瞬時に融かす能力だ。当たるを幸い無秩序そのものの攻撃ながら、ターヤにアタックされたある個体は頭部を液状化され、ある個体は胸部に風穴を開けられ、次々と機能停止していった。
「早く逃げるのです!」
ターヤが住民に呼びかける。英二は光弾で道を開き、ミオは鋭い刃で次の敵を薙ぐ。
三人の連携が突破口を拓き、群衆は出口へと走り出した。歓声と泣き声が入り混じる。
英二の胸に、僅かな安堵がよぎる。よし、この調子で──。
だが、生まれたばかりの希望は地鳴りとともに潰えた。
「えっ……!」
英二もターヤも、ミオですら凍りつく。
機能停止したはずの量産型ガーナックが、次々と立ち上がったのだ。
熔け落ちた頭部が、どろりとした灰色の繊維を伸ばして再接続される。
砕けた胸部は、まるで時を巻き戻すように亀裂が閉じていく。
切断された足首が肉のように蠢(うごめ)いてつながり、再び足を支えた。
死んだはずの機械たちが、壊れる前と同じ姿に戻っていくのだ。
不気味な青い点灯音──Y.E.S.S.I.R.の起動信号が一斉に灯った。
このような光景、英二は見たことがない。聞いたことすらなかった。
「……コロニーからの脱出口は東西二箇所、いずれもあたしが封鎖した」
感情を欠いた声がした。
女だった。
すらりとした長身。背筋は一本の線のようにまっすぐで、歩くたび衣擦れひとつしない。
面差しは彫刻を思わせるほど整っているが、そこには生の温度が欠けていた。死人めいた白い肌は光を吸い込み、瞳だけが灯火のように瞬いている。
「あたしは、オメガ」
ガーナックΩは短く名乗った。声音には、感情の抑揚というものが一切感じられない。
「オメガだと……!」ミオが狼を思わせる構えを取った。「そんなコードネームのガーナックは存在しない。Υ(ユプシロン)が最後だ」
「ターヤちゃんもそんな姉妹〈シス〉知らないです!」
ターヤが声を張り上げる。けれどその叫びも、女は問題としなかった。
「次世代型だからね。あたしの名前が意味するものは、終わりにしてはじまり」
オメガは淡々と告げた。台本をなぞるかのようで、しかし一語一句が石碑に刻まれるようなたしかさで。
「旧型のあなたたちが知らなくても無理はない。あたしの能力は〈再生〉。破壊されたものを原子の配列まで巻き戻す。……だから、いくら量産型を壊しても無駄よ。あたしが何度でも立ち上がらせるから」
言葉に呼応するように、両断された残骸にオメガはふれる。指先でなぞっただけだ。
しかしたちどころに、機能停止していた量産型に変化が起こった。裂け目から灰色の繊維が横溢し、裂けた断面を縫い合わせていく。砕かれたはずの瞳に色が付き、カクカクとした動作ながら列に復帰した。
オメガは三人を見渡した。
瞳は鏡のようだった。そこに映るのは対象の姿だけで、感情も熱も見えない。
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担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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