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[TOS] 狂気日食
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eclipse phase 4
この日の払暁、オメガは、コロニーを見下ろす高地の一角から行動を開始した。
受領した命令に対しオメガは忠実だった。周囲の地形や逃走経路、その大半を掌握し、予測される脱出ルートに伏兵を配置したのだ。
ひとりも逃さない、これが基本方針だ。なぶり殺しにする趣味はない。イプシロンは嗜虐に耽溺し、自滅したというのがオメガの見立てだった。敵であれ住民であれ、発見次第ただ『処理』する。それだけだ。悦びもなければ感傷もない。強いて表現するなら無の境地である。不要物を処分するのに、どんな感情が必要だろうか。
量産型で包囲網を配備し終え、デルタの号令を受けて作業に入った。迅速に点と点を繋ぐようにして面を制圧し、住民を掃討しつつ、オメガはヴァロラ峡谷、その東出口に厚い壁を構築したのである。
やるべきことはひとつ。殲滅だけ。
もちろん、住民およびレジスタンスからの抵抗は想定済みである。多くの量産型が反撃を受け、戦闘不能に陥るはずだ。
しかしある程度まとまった数が倒れれば、〈再生〉を発動すればいい。倒されたはずの兵が立ち上がる。敵からすれば、それは恐怖以外の何物でもないだろう。
オメガは理解している。
──倒しても倒しても、気づけばまた目の前にいる。終わらない悪夢ね。
悪夢に震える住民をオメガは冷ややかに見ていた。
彼女の瞳には一片の感情も浮かんでいない。
量産型ガーナックの残骸が次々と立ち上がっていった。
まるで逆回しにした細胞分裂、切断された胴は灰色の繊維を伸ばしてつながり、吹き飛ばされた頭部はぬらりと再生する。
赤いセンサーの光がひとつ、またひとつと再び点灯するたびに、群衆の悲鳴は深くなった。
「下がって、ターヤ。まず、僕がオメガに当たってみるよ」
優しい声が、ターヤの鼓動を落ち着ける。
「英二くん……」
「大丈夫。僕はひとりじゃないから」
ターヤ、きみがそばにいてくれるから──その想いは胸にとどめて英二は微笑した。英二は確信している。いまの僕は、弱くない。
両の掌を合わせ、複雑な印を結ぶ。
黒い靄(もや)が滲み出し、空気を喰らいながら形を成してゆく。影嵐滅〈テンペスタス・ウンブラ〉、いま英二が使える最大級の攻撃魔法だ。闇の粒子が渦を巻き、嵐の咆哮のように膨張する。空気が溶けるようにして、周囲の陽光がわずかに揺らぐ。英二の額に汗がにじみだす。指先が熱く痺れる。
影嵐滅の代償は大きい。体力を削るだけじゃない。精神を蝕むから。でも、いまは選んでいられない。
オメガ……彼女もきっと、ドクター・シザクラの犠牲者だよね。ターヤやラムダさんみたいな。
境遇を考えれば気の毒な人だ。だから……だからせめて、一撃で倒す!
このとき、
唐突に、光が欠けた。
太陽が月に覆われはじめたのだ。皆既日食──予期せぬ天の異変が峡谷を包んだ。まるで世界の終わりが訪れたかのように。だがノクスラにとってはこれも優位に働く。英二の影がより濃く、深くなる。爆発的に増幅する。日食の闇が魔力の源泉を呼び覚まそうとしている。
日食に惑わされることなく、オメガはすぐに判断を下した。
あの男、ただのノクスラ使いではない。
オメガの長くしなやかな手足が、薄闇を滑るように動く。日食の影に溶け込む前に、量産型の群れを前に押し出した。同時に、オメガ自身は後方へと身を隠している。
「……まともに相手すると思った?」
無感動に告げる。
「いずれそちらの体力は尽きる。でも、こっちは量産型をいくらでも復活させられる」
急ぐことはない。持久戦にもちこめば必ず勝つ。
しかしオメガは思考の奥にノイズのようなものを覚えていた。苛立ちに近い。
任務に没入し、ただ処理するだけのはずの自分が、なぜ安定しないのか。あの少年の涙や声が、脳裏に焼き付いているのだ。削除不能の残像。無視していいはずのものなのに。オメガは眉をひそめそうになるが、すぐに内心の不協和音を押し殺した。
任務が最優先、感傷など不要。そう言い聞かせるように量産型をさらに前進させる。
「オメガを止めろ! それしかない」
ミオが叫んだ。しかし標的はぶあつい壁の向こうだ。これを削るべく刃を走らせ、量産型三体を同時に両断する。だが、倒れても倒れてもオメガが立ち回り、量産型を再起動させるのだ。ミオは膝からミサイルを展開して撃ち込んだ。爆炎が闇を切り裂くが、それすらもオメガの指先ひとつで元の木阿弥となる。ターヤの拳が赤く焼け、通常魔法に切り替えた英二の攻撃が燎原の炎のように広がろうとも、一時的に数を減らすだけのことだった。
やがてガーナックの波は、三人を呑みこんでいった。
「ミオさん……!」
気がつけば、もうミオの姿が見えない。英二はミオの姿を探す。のしかかってきた量産型に、埋もれるようにしていたのが最後に目にした姿だ。
「英二くん!」
ターヤの声に我に返った。見ればターヤが、両腕をひろげた姿勢で火砲を浴びていた。
そんな。
英二は慄然とする。状況を理解したのだ。
ターヤは英二を守るように、砲火を身に受けていた。
これで終わりではなかった。動きを止めたターヤの胸に鞭が叩き込まれた。それも大量に。まるで、投げこまれた肉を奪い合う餓狼の群れだ。無数の機械人形にもみくちゃにされ、小柄な身体が宙を舞い、血を吐きながら落下する。
「
ターヤッ!
」
オメガのために温存していた魔力を、英二は一気に放出した。
黒い衝撃波が放射状に広がり、群がる量産型を吹き飛ばす。
吹き荒れた闇が収まり、風が止んだ。
その静寂の中心で、英二はターヤの身体を抱きとめていた。
「ターヤ、目を開けて……!」
震える声で呼びかける。だが返事はない。
胸元に腕をまわすと、体温はもう失われはじめていた。
その刹那、背後から声が降る。
「──終わりよ」
英二が振り向いたとき、オメガが立っていた。
髪が日蝕の光を受け、白みを帯びている。手には銃がある。
彼女は、ためらいもなく銃口をターヤの額へ向けた。
「やめろ!」
英二の叫びが闇に溶ける。
ぱっ、と銃口が光を放った。
一瞬の閃光。空気が焦げる匂い。
こんなことって──。
英二は目を閉じた。涙があふれる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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