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[TOS] 狂気日食
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峡谷の底では、すでに地獄が開いていた。
家々が赤々と燃え、屋根が爆ぜ、煙が竜のように天へとうねりを上げる。逃げ惑う人々は量産型ガーナックの群れに追われ、銃火にバタバタと倒れてゆく。泣き叫ぶ子どもの声。助けを求める女の悲鳴。血の匂いと焼け焦げた木材の臭気。谷全体が窯のように灼熱し、空気そのものがうめいているかのようだ。
たとえ遠くの光景でも、これを平然と見ていられようか。惨状はエリオンの胸を深くえぐった。喉の奥が焼け、息を吸うたびに臓腑をえぐられるような痛みが走る。
「なぜこんな……こんな虐殺をするんだ!」
エリオンは吠えた。声が峡谷を震わせ、炎のとどろきに反響する。
「お前たちと人類の違いってなんだ! 共に生きる、たったそれだけのことがどうしてできない!?」
吐き出す言葉は血を吐くように生々しい。だがディガンマは、石膏像のように表情を変えなかった。
「俺こそ問いたい」
流体金属の右腕がぐにゃりと螺旋を描き、やがて鋭槍へと変じた。
「なぜ抵抗する? なぜ我らの秩序ある統治を受け入れない?」
槍が突き出される。エリオンの頭を狙う。疾風、その言葉でも間に合わぬほどの高速の一撃だ。
だがエリオンも迅雷、岩肌を蹴って身をひるがえし、袈裟懸けに刀を振り下ろした。
切り結ぶ鋼と鋼。峡谷の空気が避けるほどに激しくぶつかりあう。
「聞けエリオン。人類は森を焼き、海を汚し、種を絶やし……地球環境を破壊してきた」
ディガンマの槍が刃に絡み、次の瞬間、鎌に変じて弧を描いた。
「ゆえにこうは言えないか。人類こそ、この惑星〈ほし〉にとっての悪性腫瘍だと」
「だからって、人を殺していい理由にはならない!」
エリオンは剣を跳ね上げる。全身の血が燃え、怒りが刃に宿る。
「環境を理由に人を屠るのか! お前らが救おうとしているのは地球じゃない! お前らの支配の論理だろうが!」
「感情に惑わされればそうも見えよう」ディガンマは冷たい笑みを浮かべる。
右腕がさらに変化した。巨大な戦斧に。
「だが環境は猶予をくれん。犠牲を恐れていては、滅びが確定するだけだ。我々は行動する。貴様ら人類に代わって!」
斧の刃は届かなかった。エリオンの、髪の毛一本とて斬ることはかなわない。
「神を気取か、ガーナックϜ!」
エリオンは岩の破片を踏み越え、真っ向から助走をつけた。
両脚を揃え、飛ぶ。兜割の要領。全身全霊を込めた一撃。
ディガンマの斧は盾に変化した。掲げて受け止める。
「……神ではない。だが神のごとく振る舞うしかないのだ」
「その考え方がすでに誤りだ!」
「データを見るがいい。お望みならいますぐにでも突きつけてやる」
「人は数字じゃない! ひとりひとりに心がある! 生きてるんだ!」
「数字で見るからこそ、全体が救えるものを」
盾がまた変化を見せる前に、エリオンは跳びすさって剣を上段に構えた。
ディガンマは内心舌打ちした。
左肩の痛みが酷くなってきたのだ。デルタをかばったとき撃ち抜かれた傷口だ。
応急処置はしたが……やはり完全ではないようだな。
ふん、とディガンマが鼻で笑った相手は、エリオンだろうか、肩の激痛だろうか。
「短期的には虐殺に見えよう。だが長期にはより多くを救う。犠牲は、許容されるコストだ」
「命をコスト呼ばわりする者に、俺は絶対に屈しない」
エリオン・ルマーレ! 愚かな男だ。
ディガンマは思った。
しかし敬意には値する。立脚点が異なるゆえに相容れないが、彼もまた自身の信念にもとづいて行動しているのだから。
ありえないことであるが、もし、我々が同じ方向を向いていたら。どのような世界が実現したことだろう──!
しまった。
意識がぶれたせいか、反応が遅れた。
エリオンが叫び、踏み込みざまに刀を閃かせるのが見えた。
鈍い衝撃。
ディガンマの首の金属カラーが吹き飛び、火花を散らした。
「そこか! お前の服従回路〈Y.E.S.S.I.R.〉は!」
エリオンの瞳が燃え立つ。
されど砕けた装甲の奥に青い光はなかった。かわりにのぞいたのは、むき出しの金属部品。
ディガンマは微笑を浮かべた。
「この俺、ディガンマにY.E.S.S.I.R.は必要ない」低く、冷たく、しかしどこか誇らしげに。「俺は、自らの意思で行動を決めている」
その一言にエリオンの背筋が凍った。
ガーナックでありながら、自分の意志で動く存在だと。
その意味するところに、戦慄せずにはいられなかった。
ディガンマの首からは止めどなく血が流れている。光のような赤が、シャツを真っ赤に染めている。
肩の痛み、そして、この深手──ディガンマ自身も悟っていた。
この戦い、不利はもはや覆しようがないことを。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月29日
参加申し込みの期限
2025年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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