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LIQUID -Star Chronicle- 時の波濤編
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【ストーリークエスト『時の波濤』(2)】
「……なんじゃこりゃあ」
エイジが始めに聞いたのは、シャーミィ、というよりそれを演じる彼の率直そのものの言葉。始めに目にしたものは、進入した時球域の境界をはさんで向こうに見える、無数の人影だった。
「みんな……止まってる」
時の波濤は、時間の流れを奪い去るという。しかしそれは決して正しい表現ではなかった。時の流れは止まることがない。時球域の内部にもこうして時間の流れがあり、それがゆえにエイジやシャーミィも言葉をかわし、見聞きをすることもできた。
異なるのは、時間の軸だ。時球域の内外においてそれは異相となる。境界の外に在る者たち、マオメイや王立魔術アカデミーの調査員などとはもはや、ふたつに分かたれた川の流れのごとく、異なる時間軸を生きているのだ。よって彼らの姿は身じろぎもせず、髪のひとふささえもなびかず、青く色褪せた彫像のように微動だにせず、完全なる静止状態と映った。
「へええ、こりゃーフシギだねえ」
「あ、ちょっと、ノノコさん?」
スライムに乗ったノノコがぽいんぽいんと跳ね、時球域の境界へと突撃を敢行した。なんの気もなく、ちょっとした試みのつもりであったろう。エイジは息を呑んだが、幸いにしてノノコの身体が異なる時の境界面で引き裂かれてしまうようなことはなく、ただぽすんとやわらかく行く手をはばまれるのみだった。
「ありゃ、出られないみたい。やっぱり、ココのボスを倒さなきゃ~ってことかなあ」
「本当に、こっちと向こうじゃ時間の流れが違えんだな……あ、えっと。ち、違うのね?」
少し落ち着いたのか、己を取り戻したシャーミィとともに周囲を見回す。ぽいんと跳ねたノノコが隣にやってくると、これまた目を見開きぽかんと口を開けた。
「うわあ、なんかすごいことになってるよ、エイジくん!」
「さ……下がって、ノノコさん!」
タンク役の矜持を思い出し、慌てて剣と盾を構えて前へ出る。
戦だ。凄絶な戦いが眼前に繰り広げられていた。衣装も肌の色もばらばらの人々が混成軍となり、脅威を取り払うべく奮迅していた。
まさしく脅威だ。襲い来るのは見慣れた魔物ではなく、悪辣な魔の帝国の兵士などでもない。言い表すなら……エイジがかつて目にしたことのある、
水の獣
にどこか似ているだろうか。碧緑の身体と六本の足、ぎらつく3つの瞳を持つ生物は、鋭く研ぎ澄ました水流の先端で人間たちを穿ち、薙ぎ払い蹂躙している。
無数の液状モンスターと人間たちの激突は、まったく目の前に展開していながら、しかしそれでいてどこか現実感に乏しく、虹色に縁取りされた影絵のシルエットのようにも見えた。エイジは身構えつつもどこか浮ついた気分を拭えず、剣の切っ先を下げかけたが、
「あぶない!」
横合いから飛来した炎の塊が動く水の魔物を弾き飛ばし、空中にて蒸発させた。
「気をつけて、すごい数です……!」
「合流できてよかった。ここは協力して切り抜けよう」
駆け込み並び立ったのは、アヤカとケイだった。そこでエイジはようやくにして、自分たちが分断されていることに気が付いた。
「あ、あれ。ほかのみんなは……? ソフィアさんや、ポラリスさんや凛風さんは……」
「ここにはいないみたいです。時球域に入る時、はぐれてしまったみたいで……っ、<キャットフレア>!!」
アヤカの生み出した炎の猫が鋭く鳴き声を上げ、紅蓮の奔流となって水の魔物を薙ぎ払う。魔物は彼女らも滅ぼすべき相手と認識したようだ。ケイが前に出て盾を構え、アヤカもすかさず次の魔法の準備にかかる。エイジたちも戦闘態勢へ移行し、シャーミィの<クリーミーボイス>がパーティーへバフを広げた。
「とにかく、今はみんなでなんとかしましょう。ケイさん、お願いします!」
「うん、前衛はまかせて。必ず守るよ」
戦闘のさなかにも見せる彼の優しさと気づかいにほっこりとしかけるが、気を引き締める。エイジとノノコがケイに並び立ち前線を固め、アヤカとシャーミィが彼らを強力にバックアップする。
「<ライトバリア>!」
「いっくよ~、<スライムラッシュ>! ばっひゅーん♪」
エイジが防御を固めて敵の目を引きつけ、横合いから突撃するノノコをカバーするようケイが前へ出て剣を振るい、水の魔物の放つ水流は手にした大盾で危なげなく受け止める。アヤカは思わず見とれた。我がパートナーのなんと凛々しく頼もしいことだろう。
「って、それどころじゃないですね……!」
敵は多勢だ。抗する人間たちは奮戦していたようだが今は散り散りとなり、ほうぼうへ追い立てられている。対して水の魔物たちはどこからともなく立ち上がり、その数にさしたる変動は見られない。
「このままじゃ、飲み込まれちゃいます……! ひとまず安全なところまで下がりませんか」
「賛成、これじゃジリ貧だ。一度下がって、状況を把握してから立て直そう!」
アヤカとエイジの言葉に、仲間たちも異論はない。
エイジの光の盾に追走する魔物たちの攻撃を吸収しながら、ひとまず撤退することとした。
エイジの盾で水の魔物たちの猛攻を凌ぎながら後退する。
「くっ……兵士のひとたちも、一度撤退したほうが」
混成軍の兵らは聞く耳を持たなかった。あるいは……こちらの声は届いていないのかもしれない。シャーミィは肩をすくめる。
「ここは時球域っつーんだよな? てこたあよう、こいつら、なんつーか。ムカシの人間なんじゃねえか? ……なんじゃないかしらー?」
「昔の……これは過去の出来事の再現、みたいな? 『タイムバスターズ』みたいな」
「そうそう」
共通の趣味から往年のレトロゲームを引き合いに出しつつ、そんなふうに疑問を着陸させた。
確かにそうだ。時の波濤が時の流れを歪めるのなら、『いま』ではない『いつか』の光景が目の前に投影されることもあるかもしれない。
「うわあー、いっぱい来たよ!? エイジくん!」
「下がって、ノノコさん! いっけえー!!」
ビーストライダーの機動力で翻弄するノノコと入れ替わりに踏み込むと、闇の剣の能力を解放し、迸る光条が水の魔物たちをまとめて吹き飛ばした。一日一度が限度の大技だが、出し惜しみはしていられない状況だ。
アヤカもまた、しんがりを支えるケイを援護する。
「道をふさぎます……<キャットピラー!>」
渓谷のはざまへ駆け込んだところで、どかんと地に突き立てた猫の形をした氷柱が敵の追走をはばんだ。水の魔物に堅牢なそれを破壊する手段はないようで、魔法の効力の消失を待たず、彼らはあっさりとあきらめほうぼうへ散っていった。
誰ともなく、ほう、と息をつく。
「これで少し時間が稼げるかな。ありがとう、アヤカさん」
「ケイさんも、お疲れさまです。怪我はないですか……?」
「ああ、今のところ大丈夫だよ」
ハードな戦闘から一時の離脱に、少しばかり休息していくことにする。アヤカは上空を見上げた。
不思議なことに、青空が見えていた。球域へ侵入する前に見えた、揺らぐハニカム状の紋様は確かに目に映りながら、その向こうにはスクリーンに投影されたかのような青空がある。しかしこの青は、現在の青だろうか。それとも、もしかして、遠い『いつか』の青空だろうか?
「……あの。少し思い出したことがあるんですけど」
アヤカが口を開くと、ケイやエイジの目が彼女を見つめた。
「以前、マオメイさんに聞いた話です。<月の民>とリキッド大陸の人間たちの、大きな戦争があったと」
マオメイは古代文明の研究者だ。彼女は旅に同行する時、折に触れてその知見を冒険者へ語って聞かせた。己の成し遂げてきた成果をひけらかしたい、彼女の俗的な欲求によるものでもあったが、その柔軟で軽妙な語り口は冒険者らの興味を誘った。
そんな逸話の中のひとつが、謎めいた古代民族……月の民にまつわるものだ。彼らはいずこかより大陸へ訪れ、覇権を争った侵略者でもあった。か細くも歴史に名を残す<水鏡の女王>を筆頭にこの地へ攻め入った月の民は、当時をして、そして現代においてさえも高度な技術を操り、一度は大陸の一部を掌握し支配するにいたった。しかし歴史にぽっかりと穴を開けた空白期に、まるで一夜の夢のごとく姿を消してしまった。
その痕跡を、巨大な古代都市やそこに今も息づくテクノロジーとして、アヤカやエイジらも冒険のさなかに目にしてきたものだ。
「もしかして……」
エイジが口元に手を添えつぶやく。ノノコはきょとんとして首を傾けた。
「いま、この時球域……ナイトウォールの中で展開されてるのは、月の民と大陸の人たちの戦争、その当時の再現。なのかな?」
「そんな気がします。その大きな戦いを、マオメイさんは<水鏡戦争>と呼んでいました」
「じゃああの兵士たちは、月の民に抵抗するために一時的に合流した、各国の兵士たち? サイディアやワインツの」
「もしくは、そのもとになった国の人々……なのかもしれません」
水鏡戦争。押し寄せる水の魔物たちは、侵略者たる月の民らが版図を広げるべく解き放った、その尖兵なのだろうか。
「あっ、エイジくん! あの敵、谷を回り込んで来ちゃったよー! 囲まれるかもっ」
「うわ……み、みんな、迎撃しよう!」
論ずるには時間が足りない。真実は己が目で確かめるほか無いようだ。エイジはノノコと並び立ち、アヤカはケイの背を頼りに、波のごとく押し寄せる敵を迎え撃つ。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月15日
参加申し込みの期限
2025年08月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月22日 11時00分
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