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LIQUID -Star Chronicle- 時の波濤編
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【サイドクエスト『愛のゆくえ』(1)】
誰しもが忘我する、蒼碧の輝き満ちる常世の楽園。咲き乱れる花は夏の情熱を歌い、波のさざめきはスリルと冒険心を誘う。潮風はおだやかにやさしく肌をなぞり、歩むような時の流れが日々の疲れをじんわりと溶かしてゆく。
南方の小国、パナーシェはそうして人々の心を惹きつけてやまない。ハードな冒険や激しいバトル……それらは必ずしもVRゴーグルを身に着けていない日常の風景もまた含むが、ともかく疲弊した人生の冒険者たちは、どこまでも広がるエメラルドグリーンの海に身をゆだね、魂のデトックスを心ゆくまで堪能せずにいられないのだ。パナーシェの温帯な気候も、目にもあざやかな蒼空や心地よい風も、細やかでゆき届いたサービスも、地元住人の飾らない笑顔もおもてなしの心意気も、魅力のすべてが人々をとりこにするのだ。
今日も港にはそうした癒しを求めて多くの来訪者がやってくる。リゾートは毎年数え切れないほどの観光客を迎え入れ、彼らのいささかに淀んでくもった心をまるっと洗浄し、送り出す。パナーシェはリキッド大陸全体の活力を循環させる、いわばポンプの役割を果たしているのだった。
「はあ……なるほどね。それはすごいね、すごいけどさ」
「それと僕たちに、どんな関係があるの?」
しかしながら、ここはかすかな光が錆びた窓枠から入り込むのみの、うらぶれた通りへうち捨てられた廃倉庫だ。
マユラ(プレイヤー:
落合 まゆら
)もユズハ(プレイヤー:
稲積 柚春
)も、憮然とした表情を隠さない。多勢に無勢、いくつものぎらつくナイフやら拳銃やらを突きつけられているのにも関わらず。
ハットをかぶった黒スーツの男……<ギブソン>は粘着質な目線でふたりをなめ回すように見やり、口角を歪める。一見してゲスな人格を見透かすことのできる、ある意味で清々しいまでに明白な人物だった。
「人が集まりゃ、そこには無数の感情がわだかまる。南国リゾートでも浄化しきれない、黒々とした闇ってやつがこってりとな。俺たちみてえなのは、その掃きだめの底の底、深くて腐った煮凝りってわけさ」
「自分で言ってりゃ世話ないわ……」
あきれたようにつぶやくマユラへ、ギブソンのナイフがひらめく。ユズハが身を乗り出すも、突きつけられた銃口が抵抗を牽制した。
「……要するに、マフィアだよね。そんな人が、僕たちになんの用? ワットをどこへやったの?」
「アヤトを返しなさいよ、今すぐに!」
ユズハとマユラはたまたまここで顔を合わせることとなったが、どうやらそれぞれの同行者、ウォルター(プレイヤー:
ウォルター・B
)とアヤト(プレイヤー:京極 綾人)のふたりは別所へ連れていかれてしまったらしい。手練れの冒険者であるマユラやユズハがスキルやアイテムを用いて盛大な反攻へと転じられない理由はそれだ。
ギブソンはニヤニヤとして下卑た表情を抑えようともせず、ナイフをくるくると回しながら続けた。
「パナーシェを裏から牛耳る組織がふたつある。と言やあ、察するモンがあるか? つまり俺が幹部を務める<ステアー一家>と、連中、<シェイクス一家>の抗争の芽を摘む、その手伝いをしてもらいてえ。こいつはお前さんたちが腕っこきの冒険者と見込んで頼んでるんだぜ。もちろん報酬だって支払うさ」
「どういうことよ?」
マユラは憤慨しつつも問う。ギブソンの言う報酬が、彼女らへ叩きこまれる鉛弾ではないとの保証はない。むしろその可能性は高いだろう。しかし、アヤトやウォルターの居場所が分からない以上、マユラも、ユズハだってうかつには動けないのが現状だ。
「手伝いって、なにをさせるつもりなんですか」
険しいユズハの瞳と対比するように、ギブソンのいびつな笑みは深まる。
「シェイクス一家のドンが代わった。数か月前のことだ。先代が撃たれてな。犯人はどこぞのチンピラかも分かってないが、なんにしろ無茶をやるもんだ、くくっ……で、今はそのふたりの息子たち、兄弟のアニキのほうの<コミュ>って男が跡目を継いだんだが、こいつが厄介者でな」
「厄介者?」
「短気で粗暴。浅慮で単細胞。まあツラがいいし腕っぷしもつええってんで、若いやつらには人気があるようだが、とてもドンの器じゃねえ。血の気が多くて事あるごとにトラブルをまき散らすもんで、俺たちとしても商売がやりにくくてな。一方でコミュの弟、<モヒド>はひねくれモンのクソ野郎だが、なかなか頭がキレる。俺ほどじゃあないが。表立って争いは好まず、裏から手を回してネチネチと事を進めるタイプだ。こいつはこいつで厄介だが、予測不能で猪突猛進なアニキと違って、物事の道理をいくらかわきまえちゃいる」
「つまり」
ユズハの瞳の鋭さは深まった。マユラもギブソンのとうとうと語る言葉、その真意を悟ったことだろう。
「僕たちに、シェイクス一家のあたらしいドンを排除させて、扱いやすい弟に頭をすげかえようってことね」
「そうさ。このままじゃあ、コミュの野郎がバチバチにまき散らす火花が、どこへ飛び火するか分からねえ。天下分け目の大抗争ってなことにもなりかねん……そうなりゃ、どれほどの人死にが出るやら。俺もそんなつまらねえケンカでケガしたくねえし、パナーシェの名が地に落ちるのを眺めてるだけも忍びない。分かるだろ? 冒険者さんよ」
恩着せがましいギブソンの物言いに呼応して、取り巻きの黒服たちもまたそっくりの下卑た笑みを浮かべる。
ふたりは顔を見合わせ、うんざりしたようにため息をついた。窓の外には、ああ。なんと間抜けた青空だろうか。
無論のこと、ギブソンの言うがままにマフィアの親玉など手にかけるつもりは毛頭ない。そんなことをすれば、恋人たちがいかに無事であろうとも、お尋ね者として追われることになるのは必定だ。
シェイクス一家が所有するカジノへ着飾って出向いたのも、表向きはギブソンに従いその目をあざむきながら、隙を突いて出し抜き、アヤトやウォルターを救出せんがためである。
「まったく。とんだバカンスの続きね……」
マユラがレバーを倒すとリールが目まぐるしく回り、スロットマシーンが図柄をそろえる。カットされたメロンが三つならび、派手な音とともにコインが滝のように流れ落ちるも、マユラの浮かない顔が晴れることはない。
「どうせならアヤトといっしょに来たかったなあ」
数日前
には透きとおる海をふたりで堪能し、飛び入り参加のステージで思うさま熱唱し、彼のギターとのアツいコラボレーションを楽しんだ。人気急上昇中のロックバンド『Edwoods』のリードギターと売り出し中の声優、魂つながるセッションは大盛り上がりし、見ていた観客によってネットにも上げられちょっとした話題となったらしい。
いっぽう、ユズハはマユラのスロットを隣で見守りつつドリンクを飲み、あたりへ警戒の目をめぐらせている。
「ワット、大丈夫かな。僕と離れて、寂しがってるかな……?」
進行の都合上、パートナーと分かれて進むのがこのクエストの特徴らしい。いつだってウォルターとの共同体験、もっと端的に言い表すなら甘いイチャイチャを求めてやまないユズハだから、この展開にはいまひとつ不満である。それにウォルターの性格や趣味を考えると、ゲームやスリルを好む彼はどちらかといえば、この状況とて楽しんでいるであろうことは想像にかたくない。それを思えばどうしても、ユズハは唇をとがらせずにはいられない。
「ワットめ~。僕を忘れて楽しんでたら、おしおきなんだからね……」
「あ。来たみたい、あれがシェイクス一家のドン、コミュね」
マユラが指差したほうを見ると、大柄な男が脇目もふらず大股に歩いてくる。短めの黒髪に金色のメッシュを入れ、なるほどたしかに見目はいい。目つきはするどく猛禽のようで、短気で粗暴とのギブソンの評にも納得感がある。
「ひとりだけ? 部下も連れずに、どこにいくんだろ?」
「確かめよう!」
距離を置き、こっそりとコミュのあとを追う。カジノの客たちはスロットやルーレット、あるいはモンスター同士を戦わせる闘技場などに夢中でこちらを見向きもしないが、コミュは周囲を注意深くうかがい、気が立って見えた。
「きょろきょろして、なにか探してる?」
「もしくは、誰かを、かも?」
このままコミュを暗殺……などするつもりもないが、彼を追うことで、ギブソンの計画になんらかの綻びを見い出せるかもしれない。
男はならぶスロット台の間をうろうろと歩いた後、バーカウンターで酒を一杯注文。ひと息にあおると、バーテンダーからなにか耳打ちされ、なにやら目を見開いた。
「あっ、行っちゃう……!」
「急に慌てて、どうしたのかしら?」
コミュの後ろを小走りに、物陰に身を潜めながらに尾行する。そのうち彼は、『STAFF ONLY』の文字が掲げられた立札をもどかしくどけると、人気のない廊下の奥へ進んでいく。
マユラとユズハは顔を見合わせ、ほんの少し逡巡した後、意を決し立札の向こうへ踏み込んだ。
ホールの客たちが熱狂する喧噪から徐々に離れると、廊下の奥から、ささやかな話し声が届く。その正体を確かめようと、わずかに開かれた扉の向こうを覗き込んだところで、
「っ!?」
「!!」
背後から手のひらで口をふさがれた。
「……しーっ。静かに、ユズハ」
「邪魔しちゃダメだぜ、マユラちゃん」
やさしくしなやかに、ふたりの言葉をさえぎったのは、ほかでもないウォルターとアヤト。悪戯っぽく笑んだ彼らのウィンクだった。
なぜだかバーテンのような格好に身を包む彼らは、口元に人さし指を立てつつそっと手のひらを外すと、扉の向こうを指差した。首をかしげたマユラとユズハがそろりと覗き込むと、そこには、
「ずっと……ずっとこうするのを夢見てたよ。ああ、僕のコミュ……」
「俺もだ、ブルーム。お前は、俺のもんだ……!」
件の男コミュと、線の細い美青年が、人目はばかりながらも狂おしく抱き合い、情熱的に口づけをかわす姿があった。
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墨谷幽
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月15日
参加申し込みの期限
2025年08月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月22日 11時00分
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